ドリームコンサート2024 名古屋公演

日時:2024年5月5日(日) 名古屋国際会議場センチュリーホール
会場:13:15
開演:14:00
終演:17:20

【曲目】
・ゴールデン・ジュビレーション(八木澤教司)
・フロンティア・スピリット(伊藤宏武)
・Love At The Movies Vol.1(/ボブ佐久間)
・HAPPY(F.ウィリアムズ/佐藤博昭)
・ディープ・パープル・メドレー(/佐橋俊彦)
演奏:愛知工業大学名電高等学校吹奏楽部
指揮:伊藤宏樹

・付喪神(J.マッキー)
・風がきらめくとき(近藤礼隆)
・レッド・ケープ・タンゴ(M.ドアティ)
・パート・オブ・ユア・ワールド(A.メンケン/西野淳)
・クラップス!!(清水大輔)
演奏:光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部
指揮:日野謙太郎

・ファンファーレ&フローリッシュ(J.カーナウ)
・メルヘン(酒井格)
・ウエストミンスターの鐘による幻想曲(高昌帥)
・激練りファンク(星出尚志)
・愛と真理でやら舞歌!(小椋佳/真島俊夫)
演奏:浜松聖星高等学校吹奏楽部
指揮:土屋史人

—休憩15分—

・フロンティア・スピリット(伊藤宏武)
・Hyper HERO Harmony 2024(構成Hyper HERO Harmony 2024製作委員)演奏:習志野高等学校吹奏楽部
指揮:織戸弘和

・行進曲「勇気の旗を掲げて」(渡口公康)
・シンフォニエッタ第6番「息吹の花」(福島弘和)※委嘱作品
・エル・カミーノ・レアル(A.リード)
・ラテンスペシャル21!(構成:畠田貴生)
演奏:東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部
指揮:畠田貴生

・アルセナール(J.ヴァン=デル=ロースト)*
・宝島(和泉宏隆/真島俊夫)**
演奏:5団体合同バンド
指揮:石津谷治法*、畠田貴生**

毎年5月に開催される、ドリームコンサート。今回で15回目の開催となります。4/29には宇都宮市文化会館でも開催されております。全楽団、宇都宮(4/29)→名古屋(5/5)の間に、各地で公演をされており、学生さんの体力は凄まじいものだなと頭が下がります。私だったら1000%出来る自信はないです(笑)
チケットは完売御礼(3000枚)。今まで経験したことがないほどの長蛇の列。大半の方が出演される学生さんの家族、友達が多かったかなと感じております。名古屋公演では名電高校吹奏楽部OB・OGの方、総勢90名がスタッフとして舞台作りや入場整理として動いて下さいました。演奏者や関係者を含めると4000名以上の方が国際会議場にいらっしゃったと感じております。過酷だったと思いますが、トラブルもなくステージを作って頂き感謝の念に堪えません。

会場では、各団体物販を行っておりました。
【習志野】
・定期演奏会のCD・DVD・Blu-ray
・ブラボータオルなどのグッズ
【光ヶ丘女子】
・第47回定期演奏会ライブCD(会場限定)
アド・アストラ
・缶バッチ、ステッカーなど
※休憩&終演後、日野謙太郎さんのサイン会&写真撮影
【名電】
響絆
・マーチングコンクールのDVD(会場限定)
【浜松聖星】
・ステッカー、缶バッチ、ボールペン、クリアファイルなどのグッズ
【高輪台】
・最新作:スパイラル・ルミナスを始めとするCD
DVD
・クリアファイル、ブラボータオルなどのグッズ
※購入者特典としてステッカーをプレゼント
※終演後、畠田貴生さんのサイン会&写真撮影

という内容でした。グッズ(クリアファイル、ブラボータオルなど)の売れ行きが凄かったかなと感じております。
私は、光ヶ丘女子さんの定期演奏会のCDと定価より安い(3080円→2000円)、高輪台高校さんのスパイラル・ルミナスを購入させて頂きました。日野謙太郎さんと畠田貴生さんにサインをして頂きました。ありがとうございます。終演後、Xにて日野謙太郎さんご本人から来場とCDの御礼の言葉を頂きビックリ。「うちな地味なので」と日野さんからリプライを頂きましたが、私にとって演奏を拝聴できることが何よりの喜びです。

本公演のお題で、各団体今年の課題曲を1作演奏するという決まりがあり、課題曲を1作演奏して下さいました。

まずは、名電高校さんの演奏で幕開けです。
プログラムには、坂井貴祐さんの「セレモニアル・マーチ」を演奏する予定でしたが、変更して委嘱作品である八木澤さんの作品を。次は、フロンティア・スピリット。立体的なマーチを作って下さいました。ボブ佐久間さんの編曲作品は初めて拝聴しました。「風と共に去りぬ~タラのテーマ→エデンの東→Lime Light→野生のエルザ~Born Free→ロッキーのテーマ」から構成されるメドレーです。ロッキーのテーマの煌びやかなトランペットの音色に恍惚となりました。
最後は、名電高校の育ての親である、松井郁雄さんから演奏され続けている、ディープ・パープル・メドレーを。伝統を受け継ぎ、新たなる伝統を築き上げている(八木澤さんの委嘱作品)のが名電さんだと感じております。これからも、受け継がれていていくことを願ってやみません。

次は光ヶ丘女子さんの演奏。新体制ということもあり、色々と課題が残る演奏でしたが、付喪神のクラスターの響きの心地よさ、美しいオーボエの旋律は印象に残りました。レッド・ケープ・タンゴは若干の抜粋があったと思いますが、生演奏でしか味わえない音楽を創って下さいました。今回は最前列で鑑賞させて頂きましたが、コントラバスの奏法が魅力的ですね。スコアを眺めてみたいところ。
清水大輔さんの作品は、お客様が手拍子で参加できる作品。最後に相応しいお客様が一緒に楽しめた作品ではないでしょうか。

続いて、浜松聖星さんの演奏。幕開けはカーナウの作品。初めて拝聴しましたが、とても響くオーケストレーションと感じました。演奏もゴージャスなサウンドでした。3月末に足を運んだ光ヶ丘女子さんの定期演奏会でサーカスの一日を拝聴して魅力を感じ、カーナウの作品をもっと探究したい気持ちが高まりました。さて、どこまで探究できるか・・。
高昌帥さんの作品は5団体
・玉川学園中学部吹奏楽部
・神奈川県立逗子高等学校吹奏楽部
・浜松海の星高等学校吹奏楽部(当時)
・秋田県立新屋高等学校吹奏楽部
・横浜市立都田中学校吹奏楽部
の共同委嘱作品。学校のチャイムをモチーフとして、作品が展開されていきます。個人的に好きな作品で、生演奏で鑑賞出来て幸せでした。トランペットが印象に残る作風ですね(音域は高いですが・・)
最後はプログラムを変更して、十八番である2作品を。本来は、クイーンメドレー(/三浦秀秋)を演奏する予定でしたが、5月3~5日に開催された、浜松まつりで3日に吹奏楽パレードで演奏された2作品を取り上げて下さいました。定期演奏会でもアンコールで取り上げていらっしゃいます。星出さんの「激練りファンク」がヤマハ吹奏楽団浜松の委嘱作品ということを執筆中調べて初めて知りました。
(初めて知ることばかり・・浅学で恥ずかしい限りですorz)

休憩を挟み、習志野高校さんの演奏。演奏された作品は課題曲と企画ステージ。遊園地などのステージショーを想起する内容でした。
私が中学生の頃、吹奏楽フェスティバルという企画で習志野高校さんがゲストで招かれ、同じようなステージを創られておりました。老若男女問わず楽しめた企画だったと感じております。
ステージ袖で、前習志野高校顧問である石津谷さんが、演奏終了後するまで、ステージを見ていました。習志野を離れても、ご自身が長年顧問を務めた学校に思い入れがあるのだなと感じた次第です。

最後に、高輪台高校さんの演奏。改修工事前に国際会議場で演奏できる最後の機会ということで、自由曲の委嘱作品を予定より早く依頼し、宇都宮と名古屋、翌日のフレンドシップコンサートでも演奏して下さいました。
作品名は「息吹の風」(フレンドシップコンサートで、漢字も発表して下さいました)。シンフォニエッタシリーズの最新作となります。
冒頭は、チューブラーベル、ハープ、ピアノで弱奏で始まり、大まかな流れとして緩→急→緩→急と構成されていると考えられます。コントラバスクラリネットの音色が印象に残りました。本作品で、委嘱作品は11作品目となります。(コンクール自由曲の委嘱としては8作品目)
急の部分では、変拍子の構成が気になるところです。
2017年度に「交響的狂詩曲」を委嘱し5年ぶりの金賞を受賞。福島作品との相性の良さが証明され尚且つ「出来立てホヤホヤの新作を、作曲者とコミュニケーションを重ねながら作り上げていく」ことに虜になり、毎年委嘱を出すようになったそうです。(スパイラル・ルミナスのライナーノーツより)
委嘱作品は一通り拝聴しており、本作品はどうかと気になっていましたが、私個人は惹かれる作品ではありませんでした。シンフォニエッタシリーズがお好きな方は嬉しいかもしれませんね。
続いて、エル・カミーノ・レアル。CDではありますが、プロアマ問わず様々な演奏を拝聴してきましたが、NOW2008×畠田貴生さんの演奏は今でも愛聴しており、本公演でも魅力を発揮されておりました。暗譜で指揮されており、畠田さんの得意レパートリーなのかなと感じております。
福島作品と相性が良いということですので、是非初期作品や未演の作品を取り上げて頂けると個人的には嬉しいですね。


写真は、昨年秋ごろに作成した福島弘和さんの吹奏楽・管弦楽作品のリスト。作品番号は私が勝手に付けました。個人的には、J.S.B.吹奏楽団吹奏楽団の委嘱作品である「稲穂の波【改訂版】(原典版より2分ほど加筆されている)」と未演である「明るい行進曲」は拝聴してみたいですね。小編成作品である「アミュレット」は個人的に惹かれます。
※リストに間違え等ありましたら、ご指摘頂けますと幸いです。

最後に、今回出演された5団体の合同演奏でアルセナールと宝島を。宝島は写真&動画撮影OKでしたが「SNSにupされるのは自己責任で」と畠田さんが仰っていたので、肖像権やらで問題になるかと思い、撮影は控えさせて頂きました。

公演名通り、まさしく夢のようなコンサートでした。同時に、海外の作品や編曲作品はまだまだ勉強不足を痛感した次第。あちらこちらに興味がいって、すべてが中途半端でとっ散らかった状態ですが、人生を終える前には一区切りをつけられたらなと思っています。


【蛇足】
物販について書きましたが、吹奏楽”部”の推し活は、はたして何を推しているのだろうか?と帰宅後に考えておりました。
演奏?顧問?部活動?子供たち(保護者の方対象)?それとも別の何かなのか・・この件については、考察してNoteに綴るかXでスペースを開きボソボソとお話する予定です。ただ、吹奏楽だけに焦点を当てず、ゴールデンボンバー握手券特典なしCDの販売と、第164回下半期芥川賞を受賞した「推し、燃ゆ(宇佐見りん著)」を交えて考察していきたいと思っています。


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