名古屋ブルックナー管弦楽団 第29回定期演奏会

日時:2024年4月21日(日) 愛知県芸術劇場コンサートホール
会場:14:15
開演:15:00
終演:17:08

演奏:名古屋ブルックナー管弦楽団
指揮:新田ユリ
プログラムノート:村井祐介(0番)、日吉英明(2番)

【曲目】
・交響曲第0番(A.ブルックナー)
 第1楽章「Allegro」
 第2楽章「Andante」
 第3楽章「Scherzo」
 第4楽章「Finale」

―休憩20分—

・交響曲第2番(J.シベリウス)
 第1楽章「Allegretto」
 第2楽章「Tempo Andante, Ma Rubato」
 第3楽章「Vivacissimo」
 第4楽章「Finale. Allegro Moderato」


名古屋ブルックナー管弦楽団は、ブルックナーの没後 100 年を記念して、名古屋大学を中心とした当時の東海学生オーケストラ連盟の参加メンバーをもとに設立。1996年に第1回定期演奏会を開催しました。年1回のペースで定期演奏会を開催し、第3回(1997年)、第12回(2007年)、第18回(2012年)、第26回(2021年)の4公演を除いて、ブルックナーの作品をプログラミングされています。(4つの管弦楽小品を演奏した年もあります)

今回、指揮を務めたのは新田ユリさん。3回連続の登壇となります。因みに、過去2回のプログラミングが・・
・第27回(2022年)
シベリウス:交響曲第6番
ブルックナー:交響曲第4番
・第28回(2023年)
シベリウス:交響曲第4番
ブルックナー:交響曲第6番
と、作曲者は同じだが、交響曲の番号が前年と逆というプログラミングでした。面白いですね。

今回は、ブルックナーの交響曲第0番とシベリウスの交響曲第2番。ブルックナーの交響曲でもマイナーな作品とシベリウスの一番有名な交響曲第2番というプログラミング。因みに、シベリウスの2番は指揮台なしでの演奏でした。
技術力の高さ、作品を創る構成も見事で拝聴していて心地よかったです。中でも、管楽器が抜きん出て素晴らしかった。ホルンの響きが楽団全体を包み込む包容力は特筆したい。
私はブルヲタではないですが、ブルックナーの交響曲は00番~9番まで一通り拝聴しており、ブルックナーは好きな作曲家の一人。そして、一番好きな交響曲は0番ですので、生演奏で鑑賞出来たのは幸せでした。

ブルックナーの重厚さとシベリウスの蒸留水のような繊細さを綯い交ぜにした演奏だったかなと感じております。新田ユリさんは、北欧音楽の演奏と研究をされているため、その要素が演奏にも現れていたのではないかなと考えられます。
0番を鑑賞している時、ブルックナーの音楽を鑑賞してると感じなかったのですよね(もちろん、良い意味で・・ですが)。仄かに香る北欧の風が重厚な音楽を絶妙なまでに解して下さったなと感じております。
対する2番は、その逆。この演奏は新田さんにしか出来ない技だなぁと感じました。

来年は記念すべき第30回定期演奏会が、本公演と同じく愛知県芸術劇場コンサートホールで開催されます(時期は未定)。来年はブルックナーの交響曲は何番を演奏するのか・・今から楽しみです。

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