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釣行記-146【サヨナラの海】

雨のように素直に あの人とわたしは流れて
雨のように愛して サヨナラの海に流れ着いた
「ひとり上手」中島みゆき

最近気になるのが「つりの腕前は上がっているのか?」ということ。PDCAのCの部分ですね。

ではそのチェック方法は?

というと、客観的評価であれば「意図して釣ることができるか」だと思います。それも見ず知らずのところで成果を出せればリアルな感じになるんじゃない?

なので、ちょっとやってみようかな、と。武者修行を。

腕試しに道場破りの旅に出ることは武芸者なら当たり前です。そのため、ほんとは東伊豆でジギングの予定でしたのよ。知る人ぞ知る船で。ところが中止、と。

10mの風に4.2mmの雨ってちょっとした台風ですね。

困ったなぁ、と。憂さ晴らしにニジマス釣って遊んだりもしたんですが、クリスマス会に向けてちょっとジグの練習もしたい。と思ってたら。。。

でけーな。

まだ2名?がら空きですやん。行きましょう。初場所で成果が出ればそれはそこそこの腕前になっている、ってことでいい気がするんですがいいですか?いいですよね?いいだろ?文句ねえだろ?

竜海丸さんについて

釣り仲間の大半はキャスティングにて乗ったことがあるようで、お噂はかねがね。。。といった感じです。

地獄のみよし

なんでも、激アツな船長さんらしいですね。なので怖くて行ったことありませんでした。初乗船がジギングてのもアレですが。なんにしろ腕試しにはちょうどよさそう。

アブデルの気配

準備編

電話して聞いたところ、「アカクロ両方やるよ、アカは水深350m、クロは100mくらい」とのこと。100m?マジで?そうなんだ。。。

聞いている限りではエサ2名とわたしの3名だけみたい。

いつもより少し深く、エサな方もいるので、いつもより少し重いくらいがよさそうですね。気まぐれで買っておいたスパイファイブ450gが急に役立つことになりました。それが哀しい結末だとしても。

100g855円と和牛並

使うのかな。。。

実釣編

港に着いたらまあまあ吹いてて「1時間遅らせるよー」とのこと。150、200、250、300、450のジグにのんびりフックセットしてその時を待ちます。

日が昇ってしまったので、100mくらいの浅場はやらないで、中くらいな深さのクロムツポイントからスタートです。一人ルアーのわたしはみよしです。右舷で船長含め四人でのんびりやります。

当初、風・うねりとも強く、しかも滅多にのぼらないみよしでの釣りなので、全体的な動きをアジャストするのに少し苦戦しました。でも釣れます。小さいけど。

ちいさいけど。

で、ここからが結構な地獄だったんですよね。

どんな地獄かというと爪を永遠に剥がされるような心理的な痛みと、経済的な罰則を同時に与えられる地獄でした。サヨナラの海、そうした名前の地獄があったんですね。

サヨナラの海へ

じゃあ行きましょっか。コンビニ行くのと同じ感覚でいける地獄という名のサヨナラの海の様子を覗きに、ね。

地獄1.買ったばかり、釣ったばかりのスパイファイブ450gをロスト

釣ってすぐロストって生き急ぎすぎ!


地獄2.コニファー370gをロスト
地獄3.太閤300gもロスト

在りし日の太閤さん。


地獄4.スロースキップvib300gまでもロスト

かいなおしたやつ


です。なってこった。

金額でいうとですね、言わなくてもいいのですが。。。スパイファイブ3,987、コニファー3,557、太閤8,580、vib3630で合計19,754円!!!

これに伴い、数回使用したのみのスーパーファイヤーラインカラード1.0号300m(¥2,887)も永遠に失われています。

トライアルプライス

地獄5.です。合計22,641円!!!!!!

なんだここは?サヨナラの海に辿り着いちまったのか?

ではどう失われたのか。1と3、2と4そしてファイヤーに共通点を見出すことができました。これ、詳しく見ていきましょうか。

a)精神的な構造問題で堕ちた地獄→1.3

船長がおおども、わたしがみよしなのですが、船長の指示は基本怒声です。ていうか怒声じゃなくて単なる大声なのかもしれないのですが、荒っぽい言葉を大声で発すると普通の人間て怒声に感じません?

もちろん、出船前に少し話したり、移動中の会話から怒るような人ではないことはわかります。だがしかし、なんていうのでしょう、「早くしてね」という言葉を大声で言うと、大抵の人間はなんらかの脳内変換が施された結果、発声する言葉が「早くしろ」になるんではないでしょうか。ぼくも多分そうです。

で、ですね、もう一つ、投入の仕方もこれに関わっているかと思うのです。

サラサラストレート

理想はこうです。各人の仕掛けorリグがまっすぐに落ちて他の人とまつらないことです。

一方、何も考えないでテキトーにジグあるいは仕掛けを投下するとこうなると思います。

パーマ

これは避けたいですね。そのためちょっと工夫されます。

バックしてから前進

みよしから順番に時間差で投下しつつ、沈下時間を計算に入れて微調整するやり方ですね。普段、浅いところで小さな船でやってると経験しませんよね、これは。

このメソッド、大ドモから船長が「いいよー、いれてー」と声がけするのですが、前述した通り、遠くからの声がけかつ今回は強風のため声が聞き取れません。そうなると発声者も聞こえるようについつい大声になります。「マイク使えばよくね?」って話はまぁ置いておきましょうか。

そして大声になると言葉が荒っぽくなるみたいですね、ニンゲンって。

なので「さぁどうぞ」→「どうぞ」→「早く投下しようね」→「早くしようよ」→「早くしろ」→「早くしろっ!!(怒声)」となるみたいですよ。

これね、慣れないみよしで、よたよたしながら、風に泳ぎガイドに絡みつくラインと戦いながら、怒声をスルーしながら投下するってなかなか難しいのですよね。

わかります?遊んでるはずなのに怒られるんですよ?怒られてはいないんだろうけど、怒声聞けば怒られてるような気になりません?やじゃないですか?やだろ?そんなの。

で、該当の流し、「早くいれろ!!(怒声に感じる超大声)」が来る前に投下したいです。急げー!

とはいえ、急ぎつつもそこは冷静。ふと見るとガイドにラインが絡んでいます。が、危急存亡な昨今、「投下してから直せばいいか」と1.買ったばかり、釣ったばかりのスパイファイブ450g3,987円を怒鳴られる前に投下しようと船縁の先に落としますとノット付近で「プツンッ!!」と。。。

3.太閤300g8,580円も同様の展開です。

この二例からは、怒られるのは嫌、という人間なら誰しもが持つであろう精神構造から発生する焦り、発生するというか、発生せざるを得ないと思うんですが、そんな焦りから生じるミス、これを問題点として抽出できるかと思います。ではこの問題を解決するためにはどうすべきか?課題設定してみましょうか。

課題①精神的ずぶとさを身につける
課題②環境に慣れる
課題③あるがままを受け入れる

①はなんだろう、指示を全無視するとか?イヤホンしてシャッタウトするとか?
②はミスらないように、脳内指先確認しながら投下を待つ、とかかな。
③はまぁテキトーにやるスタイルか?

①と③は作為か不作為の違いはあるものの、進歩的ではないですね。とくに③。「あーはいはい」とか「すんませーん」とか合いの手入れながら合図ガン無視、しかもジグじゃなくてプラグ投げるとか、こうまでテキトーにやってたら場合によっては殴打されるかもしれませんよね、グーで。

なので②で行きましょう。うまくなれば問題解決できそうです。まぁ次は大丈夫でしょう、きっと。たぶん。。。おそらくは。。。(願望

b)道具の問題地獄→2.4.ファイヤー

これも見ていきましょうか。タックルですが、ロジカル55#4にシーボーグ300だったのです。いつも通りね。

で、シーボーグですが、前述した通りスーパファイヤーライン1.0号が300m巻いてありました。400mやるのに300mっておかしくないか?と。

ここなんですが、昨年は「高いなー」と思いながらも、600mポーションのフツーなPEラインを買っていました。たぶん1.2と0.6とか。

製品ラインナップ上の問題か、製造工程の問題か、600mのポーションってそれほど多くの種類が売ってないのですよね。で、何回かやってみて、山形でやった時か「ファイヤーの1.0。他はダメ」とオールウェイズの船長からピシャリ、と。

なので「高いなー」と思うのと「そんなに違う?」と思う気持ちの間で、とりあえずお試しで使ってみたのですわ、300mを、下巻き付きで。

連結会計

下巻き連結でやる問題としては
・結束部分の強度、特にファイヤーの場合、強度が出ないと言われている
・感度の問題

この二つがありそうでした。が、11月、12月の頭にいずれもファイヤー300m+下巻きでやってみて、実際に400mくらい出しましたが問題はなさそうだったのです。

ただ、ファイヤー以降の下巻きになるとどうしても感度が落ちる感じがしました。一回目は1.5かな、いまいちだったので0.6に変更して今回だったわけです。

そうして、2.のコニファー370g3,557円を使い、ファイヤーが出尽くして+50mくらいの時点で何かがヒット。
結構引きました。その後の状況からいくと多分サメだとは思うのですが、ナイスファイトだったんですよね。
でも同船者の方が「アカムツも1kg超えるとサメみたいに引くぞ!!」なんて言います。どっちかな?
そんでファイト開始。でもさっぱり巻き取れません。「え?なんで?そんなでかい?」
いやいや、なぜかドラグがばがばですよ。

それに気づいたのでドラグを締め込み、よっしゃ!獲ったるで!と気を取り直し、期待というトリガーが引かれアドレナリンがシャワーのように脳内で全力噴出しそうになった刹那、「プツンッ!!」と高切れ。

高切れだよ、おっかさん!

おそらく結束部分かと思います。今となっては確認できませんが。。。

ジグ+ラインの同時ロストって年に一回あるかどうかの一大事っすわ。「まぁ仕方ないね」とは思いつつも悄然としながら「600mにしとけばなぁ」と後悔してるわけです。すると胴の間でプロの方が「これあんたのじゃない?」と切れたラインの先端をキャッチしてくれています。奇跡、ミラクル!!

なんとかシーボーグに連結し、まずはラインの回収を図ります。案の定サメだったようでジグはリーダーから切れておりました。でもライン切れてるのにリーダーだけ切っていくってあるもんなんですかね。。。

そしてここからが大変ですよ。このままやり直しても300m付近での再トラブル発生は必至。なので一旦サブ機に回収したラインを巻きつけます。

その後先端部分の結束を再度完璧なものにしてからあらためて巻きつけ直して、ノットを組んで再スタート、です。

こうした俄かには信じがたい手間暇を一流しでかけ、再び戦線復帰を果たします。

ここまで、1.スパイファイブ、2.コニファー、3.太閤と、サヨナラの海に泳ぎ出した様子ををお伝えしてきました。残すところは4.のVIBとファイヤーですが、復帰後の一投目かな、お別れしました。でもね、泣かなかったし責めなかった。

状況はですね、着底し、いとふけをとり、ジャークを開始、潮が強いようで、こちらも負けぬよう少し強めにジャー「プツッ!!」と。下巻き部分で高切れです。ラインが腐ってたのでしょう。なんともはや。。。

刀折れ矢尽きた、と言えなくもないような気もしますが、刀っていうかロッドは2本健在だし、リールもあるし、ジグもある。ないのは1.0号のラインと350g以上のジグだけ。フックだって売るほどある。

諦めて試合終了にするのは自由です。諸事情が交錯した状況の中「もうダメだかなぁ」と思う瞬間は10年に一回くらいの頻度で、やけっぱちかつデタラメな我が人生に時折訪れてきます。

例えば、昔出来たことが出来なくなったりすると特に感じます。もうダメだな。勃た(ry

そんな時にどうするか。歳をとったから出来なくなった、体調が悪くてダメだった、等々、言い訳なんざなんぼでも出来ますわ。気に入ってたジグを失くして心が折れた、とか。これ以上やっても釣れないと思った、とか。

いやいや、まだ出来るだろ。サブ機に1.5号は300m巻いてあるぜ。そりゃ「魚釣り」なんで、魚が釣れなきゃそれは「魚釣り」とはなり得ない。エサでもそんな釣れてないのにジグを落とすのは、この先続けても推して知るべしといった、予め決まっている貧果という名の約束手形に、わざわざ小汚い字で裏書きするだけの愚行とはなるだろうけど、やらんよりはやった方がいいよね。たぶん。

と、珍しく奮起して、シーボーグにラインを入れて再再度復帰です。リーダーを組むのはこれで5回目かい?まだまだやるぜ。

だってさ、釣りに限らず、意志を滅ぼすのは自分自身であり、不滅を体現するのも己の気持ち次第なんだぜ。失敗がどうしたとか取り沙汰されたとしても、諦めなければそれは成功の途中なんだぜ、きっと。

とはいえ、2回もラインブレイクしてるのでジャークも恐る恐るになり、漫画で言うと海南戦で捻挫した赤木にキレが無くなってる時のような状況なんですよね。。

釣れねえけどな

加えてシーボーグさん、トラブル続きによりセッティングがおかしくなり、深度計測できない上に、海面から200m以降じゃないと電動巻き上げをできない症状(?)が発生。

と、ジグやラインを失くす、高切れ怖くて思うように動かせない、電動なのに手巻き、と三重苦。

パラリンピックの父と呼ばれるルードヴィヒ・グットマン博士は「失ったものを数えるな。残されたものを最大限に活かせ」とおっしゃられたそうです。

いいおとこ

残されたシーボーグは300m付近で一巻き50cm程度になる設定なので、少なくとも500回はハンドルを巻かないと回収できないっす。

おれ、辛いっす、グットマン。あれ?グッドマンかな。まぁいいか。

と、手巻きで2回くらい流して納竿です。辛かった。

もちろん釣れてないよ!

まとめ

・aとbの問題を見てきましたが、これらはどうにも複雑に絡み合ってますね。aにより炙り出されたbの問題と言える感じで、aが無ければbは判明しなかった、のかもしれません。このズボラなのに神経質で詰めが甘い性格により揃えられた道具の限界が見えた気もします。残されたものを最大限に活かそう!
・久しぶりに300m手巻きでやってみましたがつらいですね。つらいんですが、アブラボウズは手巻きでやろうと思います。できんのかな。。。
・こりゃいかん、と思い直し、電動リールの操作をマスターしようと再読しましたがわかりにくいね。ケーススタディで説明してほしいわー
・結局、スパイファイブと太閤は再購入、VIBは300gが売っておらず330で再購入、ラインは600mのポーションをポチりましたが、さっき改めてみたら欠品してたらしくキャンセル扱いとなり注文出来ていない。。。
・しゃーねーからよ、ULTジガーにしたったわ!

たけーし

・で、もう少し見るとだな

ボリュームディスカウント

100mあたり1,188円とだいぶ安い感じ。糸鳴きするらしいけど、とりあえず試してみよ
・しかし疲れたな、いろいろと。。。

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