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FTインプレッション-56【'21カルカッタコンクエスト101HG】

もくじ
https://note.mu/tonuma/n/n30e1d1920c69

どうも、こんにちわ、ぼくの釣り具紹介です。今回は'21カルカッタコンクエスト101HGです。

'15の101HGは2018年後半から2年強使っております。それとの違いや実釣で感じたことについて、しばらく使い込んでぼちぼち記録してみます。なるべく長期インプレにしようかな、と。

違いや変更点は他サイトやブログなんかでも散見するようになってきました。重複するのもいかがなものか、とは思いますが、いくつかあげてみましょうか。

1.変更点について

幅、大きさともに変わりました。スプール径と幅が小さくなったのでボディサイズもつられて小さくなったのでしょう。

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他、ギア比、スプール寸法、ベアリング数が違います。ぱっと見「変わったのはこんだけ?」という感じもなくはないですが、実際持ってみるとだいぶ違います。気になった、というか気づいた点、書いていきますね。
まず、サイズ感巻き感について、です。他も気づいたら増えていくと思います。

サイズ感
'15に比べ全体的にコンパクトになり、パーミングカップカップの直径が1mmほど小さくなっています。高さが減り、パーミングがしやすくなりました。

またパーミングカップ-ドラグ先端、つまりリール全体の幅ですが、これは1cmコンパクトになっています。

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'21は7.7cm

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'15は8.7cm。

ノーシンカー等の軽めのリグを、ロッドを持った手のみで操作する場合、パーミングしつつ人差し指などでドラグを回してリーリングするような場合ですね、これはやりやすくなった気がします。

ドラグの羽根が長いともっとやりやすいです。

巻き感の変化

実際に使ってみて、一番気になったのがこちら。'21からインフィニティドライブを搭載しているようです。

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ピニオンギアを支える二つのグリスベアリングのうち、回転抵抗の大きいスプール側のベアリング。これで支持せず、ピニオンギアの内側からスプールの軸で支持する機構に一新。

どういうことかよくわかりません。ちょっと説明しつつ考えてみましょうか。

まず、ピニオンギアというのは、ハンドルの回転をスプールの回転に変えるギア、です。ハンドル軸に固定されているのがドライブギアで、その回転をスプールに伝えるものです。
ハンドルを巻くとドライブギアが回り、それと噛み合っているピニオンギアが同時に回る=スプールが回る=糸が巻き取られる、という流れのようです。この説明であってるのかいささか不安ではありますが、概ねこうした理解かと思います。

この際、各ギア間での摩擦、シャフトの摩擦がリールの巻き感に影響を及ぼしています。
ここで、インフィニティドライブが搭載されることにより、構造の変化が根拠となる抵抗減の理由は不明です。なんで?
でも、従来よりも糸巻き用の回転が滑らかになる、らしいのです。そして実際になっていると感じます。

だがしかし、メーカー側のこの説明だとやっぱり腹落ちしません。実際に部品表でみてみますと。。。

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'21ではピニオンギアとスプールの間にベアリングが一つ増えています。部品表で言うと「89」です。上記の変更点の表で、ベアリングが一つ増えておりましたのは、ここみたいですね。

これでも、ピニオンギアの内側からスプールの軸で支持する機構、というのはまだちょっとよくわかりません。内側がどっちかがわからないです。たぶん、スプール側かな。なんなの?

素人なりに考えると、'15ではピニオンギアのベアリング一個で支えていたが、'21では支点を増やして力を分散した上でベアリングも追加した、という理解でいいのでしょうか?よくわからないので分解してみます。

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ハンドル側のビスを外し、ハンドルを外せばパカッと行きます、'21。'15は内側(スプール側)のビスも外す必要がありました。整備が楽になりましたね。

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なるほど。よくわからない、というよりもさっぱりわからないのでもう少しやります。

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スプールを支えるベアリング、部品表で言うところの22は'15と変わらない気が。。。もっと言えば、22はスプールシャフトというよりもピニオンギアを支えているのでは。。。そして増えたベアリング、部品表で言うところの89はいずこに。。。??

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ありました。左の、ベアリングが付いているのが'21です。スプールとピニオンギアを接続する部品とスプールの間にベアリングが増えたのですね。ていうかここが新しい支点になっているわけですね。スプールは径が3mm、幅が2mm減っただけあって、大きさは明らかに別物です。

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左が'21。なるほど!ベアリングを納めるでっぱりがあるわけですね。なるほど。

つまりこういうことですかね??

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ピニオンギアとスプールの間に支点が増え、ピニオンギアの内側を通るシャフトを支える力が増えた≒力が分散された、って理解が良さそうな気がします。あってるかどうかはわかりませんが。

メーカーサイトでの説明通り、PG(ピニオンギア)で支えていることにはなっているような気がしますが、スプールの軸は以前からピニオンギアの内径を通っているのでシャフトで支えられてないか?という疑問もあり、理路整然としてない気もします。。。まぁ、あれっすね、よくわからないので、インフィニティドライブすげー!でいいんでしょうかね。

ところでスピニングのインフィニティはどうなってますかね。

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こちらはシャフトとベアリング周辺のブッシュに秘密があるみたい。これはすっきり理解できる、感じが少しはする、のですが、「インフィニティ」というまぁまぁ大げさなネーミングへの期待感は67%くらい充足される感じです。一方、上記で見てきたベイトの「インフィニティ」ドライブは「ふーん。。。」って感じ。

「インフィニティ」という名称だけにもっと壮大かつ緻密でエキセントリックな上にエポックメイキングな何か、DCブレーキみたいな圧倒的に性能があがる機械への期待は満たしてくれない感じも少しします。

まぁ、ケチつけても建設的ではないですね。巻き感が向上したのは非常に喜ばしいことです。

そして蛇足ながら気づいてしまいました。

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やぁ、BFSだよ。もともと'15の101HGに入っていた沈黙のドラグなドライブギア入りです。

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おや??左が'21の101HG、右がBFSです。BFSもピニオンギアとの接続金具の内側、スプール側にベアリングがありますね。

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'21の101とは少々構造が異なりますが、支点とベアリングが増えている、という点ではBFSもインフィニティドライブみたいな感じです。どうりで巻き心地がいいはずだ。

ていうか、スプールシャフトがピニオンギアになれば一番抵抗が減るんじゃないか?とか、考えれば考えるほど深みにはまっていく気もします。

2.実釣や使用に関して

試していきます。

2-1.実釣

5/30
ソルトジギングで使用。使用ジグは60-120g。巻いている感じ、ある程度重さがかかってくるとギアが噛み合い、シャフトがどこかと(おそらくはピニオンギアの内径部分)接触する感じがするものですが、その許容値というか接触するまでの重さの許容値が'15よりも増えた感じがします。つまり軽い力で巻ける気がします。HGでこれなので、ノーマルだとより軽い感じになると思います。

また、魚は小物を9匹ばかり釣り上げました。でも、かかってから圧倒的に楽とかはないです。当たり前ですが。

発売前、ベアリングが増えたということで、てっきりレベルワインダーがライン放出連動になるのか、と思っていましたがそうではありませんでした。せっかくなので連動にして欲しかったと心より思います。

6/12
トラウトジギングで使用。使用ジグは45-300g。さすがに300gを巻くとシャフトがきしむ感じはします。何も釣れなかったので新しい発見はそれほどありません。

7/4
北海道でジギングです。リールシートにきちんと固定されておらずカタカタする感じがありました。諸事情あって、現場では確認できなかったため、帰宅して確認。当初、現場で装着していたロッドのリールシートとリールフットの相性かと思い、ロッドを換えて試したものの、それでもカタカタします。困ったな。。。

リールフットにラバーのカバーをかけて固定しても解消されません。また、旧101でも試しましたが同様の事象は発生しません。困ったな。

考えられるのが
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・リールフットそのものの大きさが変わっている←ラバーをつけてもカタつくので違う気がする
・本体とリールフットの接続部分の不具合←非常に考えにくい
--
あたりでしょうか。わからない。。。
気にしなければ気にならない程度のノイズなのですが、一旦気になり始めると止まらない性格なため、いくつか試してみます。
結果、同じフジのリールシートでもきちんと固定されるものとそうでないものがあることが判明しました。そのロッドとの相性なのでしょうかね。でも困ったな、よく使うロッドとは大抵相性が悪いんだけど。。。 

11/13
タチウオジギングで使用。あれ?これってジギングリールだっけか。。。?
まぁ、そこはあまり気にせず、使っていたらトラブル発生。放出の際に糸ふけがでて、ふけた糸がスプールエッジの内側に入り、シャフトに絡まるという。。。ちなみにPEはファイヤーラインの1.0でした。

こんな初歩的というか古くさいトラブルが起きるとは。。。古くさい、と書いたのは、20年くらい前に使っていたアブの4500cでよく発生するトラブルなんですよね、これ。
スプール外径とフレームの間に隙間あるなんて、俄には信じがたいのですが、実際あるんですね。。
しかも、ハンドル側のシャフトだったため、ベアリングとその周辺パーツに絡み付いてしまい、現場では修復不可能に。。。
ここ、見直してくれた方が後から買う人は困らないと思うんですよね。
(2022.3.9追記)
このトラブル、先日乗った船の同船者にも発生しておりました。見たら僕の時よりもさらに重篤な感じ。釣具屋に聞いたところ、結構発生しているトラブルらしいです。細めでコシの無いラインを使うと発生しやすくなるように思えます。メーカーの想定通り、ナイロン12lb以上であれば問題無いかもしれません。キャスティングで使う際にはくれぐれも細糸を使わず、高切れに注意、バーティカルの際も糸フケが出ないように落とさないと、トラブルの要因になると思います。

2-1トラブルについて

個体差というか、個体差であることを信じたいですが結構トラブルが多いです。まず二つ、上述した通り、「カタカタ」現象と、スプールシャフトへのラインの巻き込みです。以降、時系列的に見ていこうと思います。

12/2

しばらく「カタカタ」は無かったことにして使ってました。この日、リールフットをよくよく眺めてみました。そして丁寧に触ってみました。

すると、リールフットのサイズ云々ではなく、リールフット自体がカタカタしていることに気付きました。7/4の時点で「考えにくい」と排除していたスポット部分が原因だったとは。。。シマノの技術を盲信していたのかもしれません。

201は3本に対し。101は2本のリベットで止められています。そのうちの1本が緩んでいたのですね。

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あかいところ。

ただ、ビスといいつつ、ドライバーやレンチで取り外せるタイプではなく、打たれているものなので要修理かな、と思いつつ、力技をまず試すことに。
プライヤーで挟み、全力で押しつぶしたところ安定しました。応急処置としてこれで使ってみますが、一回シマノにみてもらったほうが良さそうですね。

12/4
釣具屋に持ち込みリールフットの修理依頼。店員さんも怪訝な顔してました。
聞けばライン放出時にスプール回転に不思議な挙動が発生して止まったり(上述の巻き込みか?)というケースもあったそう。初期ロットは安定してないのかもですね。
今後、購入を検討してる方でこれを見た方は、慎重になってもいいかもしれません。修理出来るだろうし、このサイズ感は唯一無二だろうから、買っても後悔はしないとは思いますけどね。
そして修理ですが、年末なので2ヶ月くらいかかりそう、でも客観的に見て通常使用で壊れるような場所ではない、ってことで無料でやってくれそう。
また、修理内容はリベット打ち直しではなく、フレームの該当部分の交換になりそう、とのこと。

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16,500円しますが、パーツだけでも販売ありますね。無料で交換してくれるならラッキーではありますが、2ヶ月待つ間に使うこともあるだろうから、パーツだけ無料でくれないかな。。

しばらくしたら部品交換で返ってきました。初めからそうしてくれればよかったのに。。。

2022.7/24

リトリープしてますと、なんか全体的にカタカタします。またか!!と。。。で、今度はどこや?

よくよく見ると、ハンドルがカタカタしてます。通常であれば、ハンドルとドラグの間にワッシャー入れれば良くね?と思うわけです。で、やってみます。全く解消しません。

面倒ですが分解して確認してみるとこの部分に不具合があるような。。。ドライブ軸のクリアランスがガバガバ過ぎて起きているカタカタ現象のようです。

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多分、53のスペーサーを増やすことで多少はかたつきを押さえられそうな気もするのですが、ハンドルが動かなくなる危険性も孕んでいるため非常に悩ましいです。

前回のリールフットに引き続き、まさかの不具合発生です。カタカタリールだな、こいつは。

しばし考えたのち、修理に出すことにしました。治るのかしら??

例のごとくクレーム対応で処理してもらいました。そして完了連絡がありましたので回収しに行ったところさっぱり治ってません。なんだこりゃ。報告書にはドラグのバネか何かを変えといたよ、と。違う違う、そうじゃそうじゃないのですよ。

なので、上記部分に問題がある旨を記載してもらい再度入院。今度は治ってるようですが、なんか巻き感がザラザラになったような。。。ダメかもしれんね、これは。

2-2使用、その他に関して

2021.10.6
ナイロン12lbが100m入る。ということはPE1.0なら240mはいる、はず。

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これまでの経験上、きちんとテンションをかけるとこの計算機の1.25倍くらいは入っています。もしかすると300m入るかもしれません。なので試してみます。

さてどうなるか。

ぴったり入りました。テンション大事ですね。

10/18
ハンドル交換しました。117mmと小物を釣るにはどう考えてもアンバランスな長さ。そしてハンドルプレートの厚みも他のLIVREよりも厚いです。

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まぁ、これはリールそのものとはそんなに関係ない話。見た目がよければなんでもいいですよね。

2022.9.15
ここ最近、淡水のキャスティングメインで遊んでいるのでさっぱり出番がありません。そんな中、見つけてしまいました。

こんなの即買いです。説明なんて後から読めばよろしい。そして届きました。

浅いっすね。流石に。

到着したので説明を改めて読みます。するとSVSの換装が必要、と。そりゃそうだよね。

これ、専用の器具がないと外しづらいっぽいです。なので、器具とついでにマグネットブレーキも購入します。

これと

これですね。

この時点ではシャロースプールにマグネットブレーキをつけての運用を考えておりました。ところがですね、マグネットブレーキを装着してしまうと本体も改造しなければならなくなるようです。はて、困ったな。何が困ったのか?

・純正スプールはSVSはつくけどマグネットはつかない、カスタムスプールはSVS、マグネット両方OK

てな状況なわけです。そうしたわけで一旦行き着いた結論は、SVSをカスタムスプールに換装し、純正はノーブレーキで使用、というものでした。純正スプールでキャスティングなんてしないと思いますしね。

が、さらに思考を深めれば、カスタムスプールにマグネットをつけて、本体も改造し、純正をノーブレーキで使えば同じ効果は得られるはずです。悩ましいなぁ。

とりあえずは後戻りしやすい、本体での改修が必要のないSVS付け替えで試してみようと思います。

2-2.キャストについて

現状、まだ未使用です。使用次第、感想を書いていきます。33mmのスプール径ですので比較的軽いルアーのキャストも可能な気はします。事前に試した友人説では5gが下限みたいな話でした。おそらくそうだと思います。使ってみてまたレポートします。

使ってみました。20gくらいでしょうか。まぁふつーに飛んでいきます。当然ながらキャストはどちらかというとロッドの方が飛距離の相関関係が高いのでいずれタックルバランスをきちんと整えてやってみます。

2022.09.17
上述したシャロースプールを実装しとりあえず試投です。重さはPE0.09号を35mばかり巻いてSVSを装着した状態できました10gです。
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とき:9/17、16:45
ところ:多摩川登戸駅付近
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ロッドはジェットセッター46cです。

ロッドスペックは以下。
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推奨ライン:〜1号(PE)、6ポンド以下(ナイロン、カーボン)
推奨ルアー重量:〜7グラム
ルアー重量(ストライクゾーン):1〜5グラム
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ミノーイングしやすいロッドであります。よく投げるルアーはスミスのDコンタクト50(4.5g)とイトウクラフトのエミシ50タイプ2(5.0g)です。

まずはエミシタイプ2をキャスト。キャストフィールは予想以上に軽く、BFSより軽いです。喜びつつ回収しようとしたらまさかの根掛かり。。。試投で戦死って可哀想すぎる。。。対岸に渡り根掛かり付近を見るともっさりとしたウィードが。。。悲しいであります。

続いてラパラのカウントダウンエリート50(5.0g)をキャスト。

これもよく飛びます。よく飛びすぎてこれまた高切れロストという。。。

BFSと比べますと
・サイズ感がひと回り小さい
・ハンドル一回転あたりの巻き上げはBFS68cmに対して77cmとアドバンテージあり
・ブレーキが効き始めると流石にSVSなのでゴロゴロしたフィーリングがある。これはさっさとマグネットに変更した方がよさそうです
ってところでしょうか。アルデバランBFSXGの81cmには及びませんがアップで撃っていくスタイルにはBFSよりも有利になった気がします。

早く実践導入したいものですが台風がねぇ。。。


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