認められたい欲

私は非正規社員で働いています。
今の会社で働き出して、もう5年くらい経ちますが、初めから正社員ではなくアルバイトフルタイムで探していました。

なぜかというと、正社員＝責任が重くのしかかるし、私にはハードルが高すぎると思ったからです。

今の会社に入社するまでは、夢見る僕ちゃん状態（笑）だったので、自分の夢を追いながらアルバイトをする生活をしていました。
夢に見切りがついて、さあ働かなければとは思ったときに、自分には一体何ができるんだろう？と考えても何も浮かんできませんでした。
ほかに何一つ取り柄のない自分が、すぐに社会に溶け込めるとはとても思えませんでした。

それでも、何年か働いて仕事に慣れてくれば、正社員の話が出て…と淡い期待をしていました。

今の会社は珍しい業界で、人間関係も悪くなくて、クリーンな雰囲気で、自分もいつか一員になれればいいななんて思っていました。
今与えられている仕事をこなしていけば、いつかは認められる日が来るんじゃないかと自分なりに努力してきましたが、月日が経ってもそんな日はきません。

上司からは、きっぱりと「社員になるには能力がないと」と言われました。

そりゃそうだよな、と思いながらも、次第にやる気を失っていきました。

働き出して3年くらいの頃、自分の存在価値を考えるようになり、もうやめたいことや自分の気持ちを一番社内で信頼している人に相談しました。
与えられたこと以上のことをできない、言われたことしかできない自分がいやだということを。
すると、

「言われたことをできていれば十分じゃない」

と、思いがけない言葉が返ってきました。

そして、がんばっていること知ってるよ、と言ってくれました。

それから肩の荷が降りました。
思い詰めるクセは今でもなかなか治らないけれど、頭が重くなった時はこの言葉を思い出すようにしています。

そりゃあ立派に正社員で働いている人からすれば私なんて本当にロクでもない人間だろうなと思います。

でも私は私のできる精一杯をして生きているのです。

人から認められたい、と強く思う時って、自分が自分のことを一番認められていないんだなと思います。

会社にいる以上、周りの評価はもちろん気になるのだけれど、自分のことを自分で戒めるのはもうやめました。