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濃縮ウコンと空虚な時間


やまない雨はない。
明けない夜はない。
時間は有限。
命は限りあるもの。
今年の夏は今年しかない。
勝つまでやればいつか勝てる。
私以外私じゃないの。

事実の羅列だ。でも一つ一つの事実に勝手に勇気づけられたり、一方で目を背けたりする都合いい力も人間は持っている。
思考に思考を重ねて迷路のように行ったり来たりして、深呼吸して一歩引いて眺めてみれば何でもないことを、悶々とああでもないこうでもないと手を止めて考えてしまうことが、自分にはある。


もっとシンプルにいきたい。


そんなことを毎日毎日考えている気がする。

息子は桜木花道もびっくりの成長速度を見せ、近頃は所狭し、いやお前が借りてる1LDK狭いねん早よ引っ越せやと言わんばかりに動き回るので目が離せないでいる。部屋が狭いのは事実だからしょうがないけれど、どうしても日中に面倒を見る時間は妻の方が多くなってしまう。


なるだけ早く仕事を切り上げてお互い時間を作れる様にしたいけれど、そうも出来ない事情もあり、申し訳ないなあと思っていたところに出張が入ったりして、そのことを顔色伺いながら伝えている自分がいる。

仕事なんだからしょうがないじゃん、と自分からはあんまり言いたくない気持ち、共感してくれる人はいるだろうか。

ぐるぐるぐるぐるスピードを上げて回り始めた時間に全然体と頭がついていかない。

酔っ払って2軒目行きたいラーメン行きたいと繰り返す上司を「明日がありますから」と山手線に乗せた後、総武線で家路に着いたはいいものの、三鷹行きではなく、最寄り駅まで辿り着かない中野行きの電車に乗ってしまったことに新宿あたりで気づいた。

上司の明日なんか気にしてる場合ちゃうで、自分の明日のこと心配しいや、と最近はめっきり使わなくなったコテコテの関西弁で囁く声が聞こえる。

それをガン無視して、連日のアルコールで疲弊した肝臓と体の声すらもシカトを決め込み、また出張先へと向かう新幹線の中にて。

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