【300字小説】彼方からのプレイリスト
とっくのとうに別れた恋人のプレイリストを、未だに時々再生してしまう。未練があるとかではないのだけれど、何となく聴いてしまうのだ。音楽に罪はない。
「forU」なんて気取ったタイトルのそれは、知り合ったばかりの頃彼がわたしのために作ってくれたものだった。
お別れしてからだいぶ時間が経つのに、最近になって新しい曲が追加されていることに気づいた。それはどこか外国の知らない曲で「ピクニックしよう」みたいなことを歌っている。
いよいよ春の訪れを感じる今日みたいな日にぴったり