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その23 全然読めていない読書記録

 セバスチャン・フィツェック『アイ・コレクター』を読み始めたけれど早々に挫折した。連続殺人犯を追う話なのだがその手口があまりにも辛くて、普段読み始めた本は苦しくても頑張って読了しようと粘るのだけど今回は無理だった。あとがきを読んだら文中の残忍さとは似ても似つかないひょうきんな文面で笑ってしまった。もうちょっと頑張って読み進めても良かったかもしれない。調べたら『治療島』を書いた人で、物凄く読むのがきつかった記憶があるので納得しました。
 ミステリが好きだけどあらすじを読まないようにして手に取るので、猟奇もの、サイコパス、超現象など苦手分野を引き当ててしまうと悲しい。ミステリじゃないけど『スノウ・クラッシュ』はまだ下巻の始めのほう。進まない。

 桜桃忌で流れてきた『雨の玉川心中』(太宰と心中した山崎富栄の手記と遺書)を読んでみたら、素直でまっすぐで哀しくなってしまった。青空文庫で読んだのに古い紙の匂いが立ちのぼってくる気がした。
 呆然としてしまって一日中この匂いに呑まれ続けた。自死にまつわる話を見聞きすると気持ちが引きずられるというのは確実にあると思う。それはそうと、太古の昔文学部の日本文学専攻にいたというのに太宰を読んだことがない体たらくなので早く読みたいです……。

 ローラン・ビネ『HHhH―プラハ、1942年』も読み始めたのだけど、なかなか気が進まず12分の通勤電車でしか開かないのでまだまだ序盤。

 諸々しんどくなって、もう何度読んだか分からない鳥飼茜『漫画みたいな恋ください』を開いた。彼氏(浅野いにお)や息子との関係、仕事に取り組む姿が赤裸々過ぎて(出版するのだから書けないことも沢山あるだろうけれど、それでも)、凄く勇気を貰う。鳥飼さんの本は本屋に平積みされていて、傍から見るとあんなに活躍されているのに、日記には日々の苦悩や失敗がつらつらと書かれている。文章から自惚れがまったく見えないのも凄いし、小さな枠にはまらなくたっていいと背中を押してくれる。創作の過程を読むのもとても好きなので、ものを作る女性が書く日記や随筆が大好きだ。

 あらゆる気力がわかないので書店に行ってページターナーなものを買おうと思ったのだけどなかなか選べず、30分ぐらい歩き回った結果『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』(川上和人)を買った。面白そう。今は色々読まなくていい時期なのかもとちょっと思う。外ではウグイスやアオゲラが今日も元気に鳴いている。

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