碁会所初日…のつづき。
浮足立ちモード
ニコニコしながら次の対局を始める席亭さん。
とはいえ自分はこの時点では『やさしい囲碁』をクリアして『囲碁であそぼ』を触り始めたくらいなのでマトモな対局というのが出来ない。
対局というよりは勉強のような感じで進むので有利不利に関してもそこまで把握できていないので、最後の整地などもほとんど席亭さんにお任せするという形。
『こうなったら終わり』というのはアプリで予習していたので何となく分かるし、時間をかければなんとかなるかもしれないけど、効率の良い数え方(5*Xの形をパッと出せるとか)というのを知らないのでバタバタしてしまう。
この辺は追々慣れていくしかないんだろう。とは言えアプリやゲームではこの辺に触れる機会がないので、碁会所に行った時くらいしか練習するタイミングがないのがちょっと大変そう。
いっちょやってみっか
そんな感じで3局ほど打ったところで
「次はうちの常連さんと対局してみましょうか」
…あなたはいきなり何を仰っているのか。
「この先色んな人と打つことになるので、経験ですよ」
ニコニコしているけど割と実戦派だなこの人…。
(ズブの素人が初めて会う人といきなり対局だなんて…心の準備が…)と思いながらも、相手さんの方も快く(?)受けてくれたので断るのは流石に申し訳ないよなと対局。
1戦目は普通に競り負け。
2戦目は石4個置いてみるもやっぱり競り負け。
むしろ2戦目の方が守りに意識が向きすぎてブツブツ切られて酷いことに。
そんな感じで碁会所デビューの一日が終了。
席亭さんが勝ちの説明をするために誘導してくれた結果勝てた、というのが1局あったけど一日通して負けっぱなしである。
『始めたてにしてはしっかり打ててるので、センスが有る』
と言うのが席亭さんの初日の感想。素直に褒められたと思いたいが(初心者を気持ちよくさせるための定型コメントなんだろうな)と考えるひねくれた自分がそこにいた。褒め言葉は素直に受け取ろう。
「今日が楽しかったら囲碁続けてみて、良かったらまた来てくださいね」
と言って席亭さんはコピーしたプリントを渡してきた。
そこに印刷されていたのは
・石を取る10問
・死活10問
・手筋10問
「宿題ですよフフフ」
にこやかな顔でそう言った。
謎の心地よさ
プリントをカバンに入れて帰路につく途中で考えてみる。
初心者というより入門レベルでマトモな勝負ができるはずもないと言うのは分かっていたけど、負けっぱなしというのはポジティブな結果とは言えない。…とはいえ、そこまで気が滅入っていないことが不思議だった。
格ゲーとかのネット対戦なんかは2~3戦もすると気乗りがしなくなって妙な萎え感に襲われるタチなのだけど、リアルで人と差し向かって対戦するという感覚は妙に気持ち良かったのである。
自分の打つ手に対して、相手の意思的なものをハッキリと感じられるという妙な充足感がそこにはあったのだ。
(いきなり勝てるわけねー)的な諦めもあったのも大きいかもしれない。
囲碁が楽しい…というより『誰か』を感じることが出来るのが楽しいのかもしれない。自分の描いている漫画はお世辞にも売れてるとは言えないし、感想をたくさんもらえるというわけでもない(もらえる事もある。それに関しては素直にありがたいと…)ので、自分がそこにいるという実感がなかなか得られなかったのだ。
多分『それ』を感じることが出来れば囲碁じゃなくても良かったんだと思う。きっとボイスチャットを積極的にする勇気でもあれば対戦格闘ゲームで同じような気持ちになって『格ゲーって楽しい!』というnoteを書いていたかもしれない。
でもこういう気持ち良さを教えてくれた囲碁というゲームと、右も左もわからない初心者に優しくしてくれた席亭さんや対局してくれたおじさんに感謝するという意味でもちょっと囲碁頑張ってみようかと思ったのである。
次行く時にはもうちょっと打てるようになっておこう…。
と思いながら40分掛けて自宅へと帰るのであった。
…通るの国道だから夕方思いっきり渋滞するやんけ…!
40分じゃ済まんぞこれ…!
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