脳の錯覚の話

錯覚資産、という言葉がこの本にでてきます。
ふろむださんの著書『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』。
少しの実績で説得力をつけてジャンプアップできることや、その他脳の錯覚についてなどなど書かれています。久しぶりに心理学用語をみました(大学の授業ぶり…?)。

ドキッとしました、人事評価してる身からすると。薄々感じていた『あれ、直近の評価だけでみてないかな…』とか『この人前の仕事も詰めが甘かったから今回も任せるの不安だな』といった無意識の判断について、つまびらかにされます。それがないように毎月の実績をヒアリングしたり、数字で見たりするわけだけれど、当然人の判断なので、完全に正確な判断は難しいかもしれないけれど、それでもバイアスが思いっきりかかってるんだなぁと。

それに、人は一貫性のある納得できることは理解しやすい、という指摘も出てきます。
これってともすると、ストーリー重視の採用面接でその人の軸を見ている!と言いながら、実際のところ脳が納得できるように分かりやすい一貫性を求めているだけなんでは…?と少しうがった見方までしてしまいました。

自分を思い出しやすくしてもらう、といった点はとても実用的でした。それと錯覚資産と実績の掛け合わせで面積を大きくしていこうといったことなどは理解しやすかったです(他にも軸があって多面的に展開していこうといったお話)。

私はわりと錯覚資産をうまく運用している方な気がして(転職先でもわりと自由に働かせてもらっているので)、これが本当の実力主義、というものになった場合はどれくらい評価が変わるんだろう…?と不安になった。うまくいった仕事も、その時のメンバーが良かったからかもしれないし、環境が良かったからかもしれないし、私のミスが目立ってないからかもしれないし…。錯覚じゃなくて私の力です!と言い切ることって実は難しい。

とは言っても、実力つけてるだけじゃだめで、大した経験がないときでも打席に立ち続ける重要性が書かれていて、循環を回すためにはやっぱり挑戦機会を取りに行く勇気が結局1番大事なのかな、と思いました。

結局どんなことも挑戦して失敗するしかなくて、行動あるのみなんだな。

#書評というか感想

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