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杉本しほさんへの手紙:砂のお城を築こうよ #ひかむろ賞愛の漣

杉本しほさん、しほちゃん。こんにちは。
しほちゃんの「自己肯定感が高い人羨ましい」ツイートを引用RTしたところ、しほちゃんに弟子入り志願され、オーディエンスにもぐるりと囲まれてしまったマリナ油森です。

自己肯定感を親から与えてもらうのではなく自分で獲得する方法。
私も親からは自己肯定感を奪われる一方で、試行錯誤した末に現在の「つよつよ」と呼ばれる自分を手に入れました。意識して自己肯定感を高めようとしてからここまで来るのに15年ほどかかっています。
やってきたことすべてをお手紙に書くのは不可能なので、今日はひとつだけご紹介します。

自分のやり方が誰にでも通用するとは思っていませんが師匠役を頼まれたから仕方がない。的外れになるかもしれないけれど、しほちゃんの道が少しでも明るくなることを祈りつつ書きますね。


さて。しほちゃん。
準備はよろしいでしょうか。
親にすがりつきたい気持ちは置いてきましたか。
『親から与えられたのではない自己肯定感』をゲットする方法ですから、親のことは忘れてください。ここから先、親は登場しません。

(とはいえ親によって自己肯定感を伸ばしてもらった人を見るたびに羨ましくなって恨み言の一つや二つ言いたくなる気持ちはわかります。めちゃくちゃわかります。でも砂漠を掘っても温泉は湧いてこない。惨めな気分になったときは声をかけてください。一緒に泣こう。)


はい。
しほちゃんは今、誰かに「愛されている」実感を持っているでしょうか。
愛されている実感を持てているのならばそのまま、自分のことを愛してくれる人々の顔を思い浮かべてください。
愛されている実感がない場合。
「愛される」のハードルを下げてください。
もっと下げて、そう、もっともっと。
はい、ストップ。

ハードルを下げたことで、しほちゃんのnoteやTwitterを目にして、しほちゃんという人間を好ましく思っている私が「しほちゃんを愛する人々」グループに入りました。
しほちゃんのnoteに「スキ」をつけてくれるあの人も、Twitterで「いいね」やリプライをしてくれるあの人もグループ入りしましたね。
いつもニッコリ微笑んでくれる坂口健太郎似の店員さんが身近にいれば、それもカウントしてOKです。

そのハードルを下げまくった愛をかき集めてお城を作ってください。ハードルを下げまくったので、身の回りにたくさんの愛が転がっていることと思います。
強固な愛で組み上げたお城よりもずっと脆いですが、砂つぶでもたくさん集めれば小さなお城になります。

そうは言っても、いつも「スキ」してくれるからって私のことを本当に好きかどうかは分からない、そう思うかもしれません。
いいんです、たとえ表面的な好きだったとしても。そもそも本人の自己肯定感が高かろうが低かろうが、赤の他人から向けられる愛はうつろいやすいものです。いずれは消えてしまう一時的な「好き」だとしてもなんら問題ないので、とりあえず愛を受け取ることに慣れてください。

その調子で出会う人すべてから「砂つぶの愛」を受け取り、お城を大きくしていきましょう。
砂つぶをくれた人のうち一部とは、だんだん疎遠になったり、なんなら裏切られたりするかもしれません。でも所詮は砂つぶなので欠けたらその度に新しい砂つぶをお城に叩きこんで補強していきましょう。
失った愛を追うのは悪手です。追うのは自己肯定感を高めてからにしてください。

お城が大きくなればなるほど砂を集めやすくなります。愛されることに慣れた人の元には、支配的な人、弱っている人につけ込もうとする人、その他諸々の「人を喰い物にする」タイプの人は近づかなくなるからです。
最初の小さなお城作りさえ踏ん張れば、あとは加速度的に大きくなるはずです。


お城、大きくなりましたね。
生まれつき自己肯定感が高い性格だったり、親により自己肯定感を育んでもらった人のお城と遜色ない大きさになりました。
ただ彼/彼女らのお城と違い、私たちのお城は砂でできているため脆いです。砂のお城は隙間だらけで、ところどころ空洞があります。

この隙間と空洞、悪いものではありません。

宝石が形成される過程を知っていますか。
宝石は様々な状況、様々な条件の元で生まれます。
地中深くのマグマが地表に噴出するまでの間に冷却されてできる宝石もあれば、マグマに含まれる気泡の中で形成される宝石もある。地中の空洞に溜まった物質が結晶化する宝石もあれば、岩石が水や熱と化学反応して宝石に生まれ変わるものもある。

隙間と空洞が多いお城を持つ私たちは、宝石を生むのに適しているといえます。隙なく堅牢なお城を持つ人たちよりも。

心の奥底で煮えたぎるマグマを砂城でゆっくりと冷やして宝石にする。誰かが降らせる心の雨を砂城に染み込ませて宝石にする。外側から熱い愛で包みこみ砂のお城自体を宝石に変えてくれる人が現れる、なんてサプライズもあるかもしれません。私たちの隙間だらけのお城は、どんなマイナスな感情でも宝石にすることができます。プラスの感情を受けたときは、その有り難みを知っているぶんひときわ輝く宝石にできます。
生み出された宝石は、しほちゃんだけでなく周囲の人々をも明るく照らします。

砂のお城を築き、その隙間と空洞を自在に利用できるようになればしめたものです。
いつのまにかそれは、色とりどりに煌めく宝石を抱いた美しく強い城になっているはずです。

ちょっと抽象的かな。
とにかく、勘違いでもいいから小さな愛を受け入れて、その愛を感じながら何かを生み、周りに還元していく。それを地道に繰り返すのが自己肯定感を育む方法の一つです。
私のつよつよな自己肯定感はこれだけで育まれた訳ではないですが、とりあえず今日はここまで。たくさん苦労しましたが、私の自己肯定感は「どんなに辛くても人と関わり続ける」ことで育まれたことだけはたしかです。
(しんどいときは無理しなくていいと思うの。自己肯定感を高めることよりもずっと、心と体を休める方が大事。)

しほちゃんはすでに何個も宝石を生み出しているし、もうお城は持っているね。私がいうことは何もなかったかもしれない。


大事なことを言い忘れていました。
「小説を書いているしほちゃんが好き」「いつも頑張っているしほちゃんが好き」などの条件をつけず、シンプルに「しほちゃんが好き」と言ってくれる人を大切にしてください。
条件付きの愛のみで築き上げたお城は、条件を満たせなくなったときに一気に崩れてしまいます。

条件抜きで愛してくれる人を見つけるのはとても難しいです。とりわけオフラインの世界では。
幸い私たちnoteの友人は「杉本しほ」の内面を文章を通じて知ることができています。
しほちゃんが感情を誤魔化さずにたくさん書いてくれたから、私たちは凛とした姿だけでなく、悩み、迷い、立ち止まる姿もひっくるめてしほちゃんのことを愛せます。

強固なお城を手に入れる道のりは長く苦しいですが、私たちの愛をお城を支える中心的な場所に埋め込んでもらえると幸いです。




あ。この期におよんで私の愛を疑ってたりしますか?
しほちゃんのこと好きじゃなければ、こんなお手紙note書かねぇよ。



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こちらのnoteはしほちゃんへのお手紙、そして『石と言葉のひかむろ賞 愛の漣』応募作品です。

アメジストは地中の化学物質と水分とが反応して生まれる宝石なんですって。

♡を押すと小動物が出ます。