あら、こんなところに、あの日のあれが
海外在住者が直面すると噂の日本食ロス。
日本では徹底的に「朝はご飯(お米)派」だった夫は早くにロスが訪れるやもしれません。
しかし私はどうかな。ロスは来ないんじゃないだろうか。
美食の街・香港で育ったからか味覚の許容範囲が広く、どこに旅してもご当地料理を食べては「うめぇ、毎日これ食べても飽きないわ。」と美味しがってしまう人間なのです私は。
世界は美味しいものであふれている。
そもそも数年後には日本に戻るってわかってるし。
限りある日々に日本食を食べていてはもったいないのです。
スーパーに行った夫が買い物バッグを肩にかけ、ダンボール箱を抱えて戻ってきました。
出前一丁。
なんでや。
30袋で$5、破格のお値段。
なぜこんなにお安いのだといぶかしがりながら箱を開けると、見慣れた繁体字が。
あ、見たことあります。香港のやつ。今日の夫は中華系スーパーに行ったようです。
わー、これは香港のスーパーにずらりと陳列されている出前一丁だ。
日本には売られてない味の出前一丁だ。
「雞蓉味(チキン味)」と書かれたパッケージの写真、ローストされて皮パリッパリになった、あの香港料理の鶏だ。
懐かしい〜。
小学校の社会科見学で香港の日清の工場にいきましたもん。
と、言いながらあまり食べたことはないんです。
親がチキンラーメン派だったので、現地製の出前一丁は社会科見学のお土産と、もしくはハロウィンで香港人のお宅を訪問したときトリックアトリートでゲットしたものぐらいしか食べた記憶がありません。
チキンラーメンをはじめとした袋ラーメン系は、日本語パッケージの日本からの輸入品、香港そごうか大丸で買ったものを食べる家庭だったんです。
日本に帰国してから、香港オリジナルの出前一丁もっと食べたかったなぁと思ってたんですよ。
胸が高鳴る〜。
若き日の積み残しにここで出会えるとは。
はやく私も中華系スーパーに行って、懐かしのあれこれを発見したい。
アメリカというのは住んでいる人の国籍・人種が多様な国。さまざまなバックグラウンドを持つ住民たちのニーズにあわせた本気度高いスーパーマーケットが林立しているようす。アパートメント内にインド人が多いから、きっと近くにスパイス専門店もあるに違いない。
これはアメリカ料理に飽きたとしても、中華、インド、その他多国籍料理を思う存分追求できるということで、ますます日本食の出る幕がなさそうです。
日系スーパーもありますよ。行ったらすぐ日本食を食べたくなるんだろうな。
……あ、だめだ。急にお寿司が食べたくなってきた。
赤出汁のお味噌汁も。
だめだー。食べたーい。
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