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~心の在処~

私の心が、勝手にあなたに揺さぶられるわけじゃない。



誰も知らない。

誰も気付こうともしない。



だけど、感受性の誰より強い私は知っている。

既に、あなたに背を向けている、そんな私を掴んで放さないあなたに私は、揺さぶられるのだ。優しいから。



あなたが、私を想うから、固執するから。優しい私は気にするのだ。

ずっとそうだった。

あなたが、まだ飛べる私を籠に入れたのだ。



心が小粒な私は、誰に何を語るわけでもない。

相談したくても、知恵を分けて欲しくても、

自分自身の中に、言葉を留め置いた方が、ずっとマシだと気付いた。

顔の見えない誰かに訴え掛ける、その内容すら。。。

私は、これで結構、吟味している。

知らないことの方が、人間というものは、大半。それで仕上がっているのだから。そう思う。



私はね、けして、魔法を使うわけじゃない。

呪いで未来を予言することもない。

だけど、【見えるものは他人より見える】、【何が見えて、何が見えないかを知っている】、そんな私の勘は、なかなか、バカには出来ないのだ。

極々先の未来、その、手を伸ばせば触れられてしまう、とても小さな世界の些細な事象なら、大概見通せる。

【私を不幸にした奴は、もっと不幸になる】と。知っている。だから私は、取り立てて腹も立てぬ。

けして、そう願っているわけじゃない。真っ当でありたいから。

他人の不幸は願わない。

だけど、知っている。ただ、それだけだけど。

この人は。。。必ず、これで、幸せになれないな。と。



何と不幸な探知機。

もっと、幸せに働かせる力を持てたなら。。。

私は、自分で自分が、最も憐れでならないよ。

一番の不運は私だ。

自らが選択している動作が既に、不運なのだから。

不器用な私。真面目すぎるから。

器用に身軽に生きられない私。几帳面に真四角く切り取った視界からは、世界の淀みが、よく見えてしまうから。



このような視野を引っくり返すことが可能なら。。。

そうしてしまいたいよ。不幸に酔うのではなく。冒されるでなく。

世界の、幸せな色を感じながら生きていたい。



願わくば、こんな不幸にまみれた世界の汚れじゃなくて。。。

例えばほら。。。あの、憎々しい笑顔の、その虚構すら、信じてみたいじゃないか。心配するでなく。

その脆さも、偽りも、狡さも、もぅ、見たくはないよ。。。

いよいよ騙されてみたいじゃないか。世界は美しいのだと。

違う。

本当に見えないんだ。間違いしか見つけ出せない自分自身の歪み、不自由さは。

【籠に入れられた小鳥】。

~その、仕切られた視界から見えた美しいはずの世界は。。。

空を奪われた恨みで歪んでしまったよ。。。~

~この、今は間違いしか写し出さない、哀れみに詰んだ視界も。。。

本当は、空も飛べるから。。。~

もぅ、私は此処に居ないから。。。

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