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Vol.4 毎日全店舗を回ってみた

先日までの財務関連や、法律関連、マーケティング関連という仕事が一通り撒いた種を撒き終わり現状は育つの待ちという状態。でもサービスの基本は常に「お客様」の視点になって考える事。社長だから、マネジメントだから、店長じゃないからとお店から離れれば離れるほど、お客様の顔が見えなくなる。それがすごく嫌で今週は毎日3店舗すべてのお店に基本的には回るようにした。回れるときはしっかりとお店に足を運び、スタッフと会話し、お客様と接しないと、いったい今自分がやっていることが誰の為なのかわからなくなりそうで、気づいたら忙しいを言い訳に「見失っていた」なんてなりそうで怖い。あと現状維持は衰退。ということで「ティール組織」という本を読みながらいろいろ考えて回っている。そんな中で思った「効率」と「自由」と「責任」と「信頼」これが今週のキーワードだっとように思う。

まだまだできて2年足らず…。社員は50人弱。吹けば飛ぶような会社であり、内政は全くもって整っているとは言い難い状況である。「まだそんなやり方してるの?」と言われそうなことがその辺に山ほど転がっている。例えば、いまだに給与は小切手手渡し。毎月7日前になると僕が合計400万円以上になる小切手の束を握りしめて全店舗を回りスタッフに直接渡している。(来月より振り込みに変更)もう一例上げれば、勤怠はタイム―カードの打刻の為、タイムカードの時刻が少しずつ早まっており正確ではない…という曖昧さまでうかがえる。しかもそれをExcelシートに手入力だから、どこでもミスが起こりうる。

こんな現状が今のFubic Singaporeである。ここ一週間で会う方々との話はこれが中心であったように思う。経営者やマネージャーの方とこういった話をするのはまだ許容範囲だが、友達とですらこんな話だ。やっぱり頭の中でずっと回っているのだと思う。どこかにヒントを求めているが未だ答えは見つからない。

話が多少それたが、とにかく、現状のシステムは無駄に複雑化され、人為的ミス、不正、誤差たくさんの「抜け道」が存在している。では、「マニュアルを作り、システムを導入し、きっちり管理してしまえばいいじゃないか」と言う。しかし、では一体どこまでマニュアルを作ればいいのだ?勤怠の仕方?それとも、朝シフトの作業内容?接客のフロー?いやいや挨拶まで?…アドバイスをくれた方の言いたいことはよくわかる。「万が一僕が倒れたり、事故に巻き込まれたりしたときに回らなくてはいけない」そのためのマニュアル作りであり、サービスの質を落とさない為。理由はいくらだってあるし、マニュアルがある便利さもよくよく理解している。

以前学生時代のアルバイトでモスバーガーで働いていたが、非常に細かい細分まで決まっており、それに基づいてみんなが動くから、デビューしてから数日後には即戦力となって全員が働いている。あれはすごいと思った。確かにそうしたら早いのは、早いし、管理も簡単で、違反者を取り締まるのも簡単だろう。でも…「そんな組織で働いていて楽しいのか?」という疑問が残る。やはりきっちりとしたマニュアルがあるとそれには従う。しかし、それ以上にはならないし、はみ出ることは良しとされない。しかも、何か不都合があればマニュアル化され、どんどんどんどん息苦しい組織になっていくだろう。

そして、今読んでいる本に出てくる組織「ティールパラダイム」の組織とは逆行することになる。それだけでなく、こういった方向への舵切りは、本社黒川社長の想いにも反するように思う。それでも言われる、「日本とシンガポールは違う。結果を出したいのか…日本の本社の意向を継ぎたいのか?」僕の答えは、両方だ。フュービックという企業文化を保ち、その上で結果を出したい。ただ結果を出すのであれば僕である必要がない。フュービックの思いだけを伝えても企業はつぶれてしまうし、僕の責任も果たせない。だから、どちらかではなく、欲張りでも両方取る。

とは言え、国が違えば環境が違い、基礎的な考え方が大きく異なる事も重々承知している。だから日本のフュービックをそのまま持ってこようというわけでもない。日本のフュービックが変えたいけど、大きくなりすぎて踏み切れない変化を、起こすには3店舗しかないシンガポールは適していると思う。これでうまくいけば日本にも伝えられる。たとえ失敗しても規模が小さい分、立て直しは日本よりも簡単だ。

効率化を図れば、自由が無くなる。一方で自由を与えれば、責任が増す。自由と責任を与えるには、相手に対する絶対の「信頼」が必要だが…。ティール組織に書かれるように、全幅の信頼を全スタッフに送れるだろうか…。

どんな形がいいのか、ベストなのか。一見いいように見えて視点を変えれば新しい問題が見えてくる。まだまだ勉強が足りない。でも唯一の救いは、「お客様の反応は最高にいい事」。ここを追求し、スタッフがもっと輝ける環境を作りたい。来週は今週と打って変わって、MTG等の多い週この激動さが心地よい。


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