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自動制御の仕組みをイメージする!

自動制御を説明するとき、どのように説明すれば分かりやすいのだろうと考える機会があったので、その時に浮かんだ内容を note に記録しておこうと思い、記事を書くことにしました。

絵心のない私ですが、誰かのお役に立てればと思い、自動制御の仕組みをイメージ化してみました。誰かの理解を助けることができれば嬉しいです。


自動制御されていない場合

シャワーのお湯の温度調節を例に、自動制御の仕組みを説明していきます。
まず、次の図は自動制御されていない場合の例です。

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ユーザーに供給されるお湯の温度とは無関係に、燃料を投入し続けています。すると、お湯を熱くしすぎてしまい、人間の平均体温よりも10℃以上高い温度になってしまい、ユーザーが火傷してしまいます。

こんなシステムは誰も使いたくないですね・・。


自動制御されている場合

次に、自動制御されてる場合の例を示します。

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自動制御では、温度の設定値と、温度センサの検出値を比較して、設定通りの温度になるようコントローラーが燃料の供給量を調整します。こうすることで、ユーザーが設定したとおりの温度のお湯を供給します。

これが「自動制御」です。

自動制御されているシステムとは、制御する対象の現在の状態をフィードバックして、設定値との偏差がなくなるように機器の動きを調節する仕組みが組み込まれたシステムです。


自動制御の方法

自動制御の方法として、主に以下の手法があります。以降では、簡単な制御方法の例として「ON/OFF制御」、工場や産業機器などのプロセス制御で多く使われている「PID制御」を簡単に解説します。

・ ON/OFF制御
・ PID制御
・ 状態フィードバック制御

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ON/OFF制御

ON/OFF制御のザックリとしたイメージは次の図です。

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例えば、温度が設定値+1℃になったら燃料弁を ON(開く)します。逆に、温度が設定値-1℃になったら燃料弁を OFF(閉じる)します。なので、温度は一定に安定せず、設定値付近で常に変動してしまいます。

精度はそこそこで十分ならば、ON/OFF制御で問題ないでしょう。

でも、お湯の温度に超敏感な人がいて、±1℃くらい温度が変動するんだけど!!って人がいたら、これでは満足してもらえないでしょう。

そこで出てくるのがPID制御です。


PID制御

PID制御のザックリとしたイメージは次の図です。

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ON/OFF制御と違い、ピッタリ設定温度にあっています。また、設定温度を変更しても、しっかり設定通りの温度に変わります。

断然、PID制御の方が良いじゃん!

って思うかもしれません。でも、制御系をしっかり設計しないと次のような動作になってしまう場合もあるのです。ここがPID制御の設計の難しい所です。

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上図は、最終的に収束していますが、設計ができていないと、発散して温度が上昇し続けてしまうこともあります。収束しないで発散するシステムは最悪です。

PID制御は設定値通りに制御できるので、精度が必要とされるシステムに適していますが、ON/OFF制御に比べると、制御系の設計が難しいといった点があります。

おわりに

本記事では、自動制御の仕組みをイメージ図で解説しました。少しでも、理解の助けになっていただければ嬉しいです。気に入っていただけたら、「いいね!」をして頂けるとモチベーションも上がるので嬉しいです。

何かお役に立てたら、サポートしていただけると嬉しいです!モチベーションを高めて、アウトプットしていきます!