ロストイントランスレーションを20年ぶりに見た件

ロストイントランスレーション、俳優のおじさんボブと若い人妻シャーロットの心の交流のお話なのですが(言い方)、2人の境遇に共通点があるとはいえやっぱり年齢、性別、立場が異なるが故のこれ以上近づききれない切なさがある。
夜の東京に繰り出したあと、酔っ払って寝てしまったシャーロットをベッドに寝かせて立ち去るボブ、ジェントルメン過ぎるし、まあそうだよな…というところもありグッときた。

シャーロットは時間があるし、若いのでそれでも街に出て色々なものを見て吸収しようとしているのにたいし、やっぱりボブは知らない日本という国へ皮肉のようなジョークを最後まで口にしている。
この映画当時から日本の人々の描写がひどくてバカにしている、との批判があるのですが、これはボブにこれを言わせるためなのでは、と思った。
世界感がキツいCM監督、何か摂取されてます?級のヤバいマッサージ嬢、他の俳優の名前出してそれっぽく!とか指示してくる勉強不足のカメラマンとかギャグだろ、と思ってwikiみたらこの映画、ロマンスコメディーらしい。知らなかった…

でもボブの中には現実に対する閉塞感と同時に、やっぱり若い頃のように楽しく過ごしたいという思い、それでも逃げることの出来ない仕事や家庭という現実。

ボブにとってはシャーロットは希望だったのではないかと思った。ラストシーンでシャーロットを抱きしめるのですが、現実へと帰るボブにとってそれは彼女、そしてかりそめの夢のような数日との別れであると同時に、彼女の未来の幸せを永遠に願うシーンなのではと思わざるを得なくて(私が思いたい!)、切なすぎだろと思い涙してしまった。

通して使われている音楽がマイブラをはじめ最高すぎて、サントラを何度も聴いていたので、映画館でまた見れると知ってゴーストワールド見るはずが思わず見てしまった、という、これは自分のお話。


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