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穴馬ギャンブラーともよ 第8話「捲り逃げの本質とは #JBCレディスクラシック 予想」

展望

 昨日のエーデルワイス賞も含めると、今週は重賞が海外含め12競走もあるので、幾つまで記事を書けるか分からないですが、なるだけ書いていこうと思います。

 面白そうなレースだと、JBCレディスクラシック一択になると思うので、今回はこのレースのみガッツリ書いていこうと思います。他は結構緩めに。

 なぜこのレースが面白いかというと、テリオスベルという捲り逃げの馬が存在するからです。

 一見すると、後ろから捲る+先頭で逃げる、という相反する要素が混ざり合っていますが、デタラメな競馬なのではなく、本質を見分ければかなり理に適った戦法であると言えます。

 今回はそれに焦点を当てながら、予想をしていきたいと思います。本線2頭、狙いの穴馬は2頭選出します。




予想・買い目

◎グランブリッジ
○テリオスベル
▲ヴァレーデラルナ(狙いの穴馬)
△スピーディキック(狙いの穴馬)

予想軸
能力30:TB30:展開40

買い目
◎-○▲△-○▲△+JRA勢 三連複15点

 トリガミになるようならレディバグを消します。流石に距離長いですからね。軸2頭でも面白いですが、流石にギャンブル過ぎるというのはありますし、狙いの穴馬としているように、テリオスベル含めて人気を集めていない馬からの軸選出です。

 今回は勿論、そのテリオスベルがどういうレースをするかで勝負が決まると言っても過言ではありません。

アイコンテーラーは、好走レースの殆どが後傾ラップですし、ここでは強く推す理由にならないです。スピードの持続力に富む馬ですが、追走力が高い訳ではないので、テリオスベルとの初対戦でどう転ぶかという所です。

 ライオットガールは近2走が展開に恵まれているというのはあるので、何とも言い難いですね。大幅な指数上昇も見込めそうですが、まだOP級の負荷に対する慣れが必要な時期にも感じます。妙味自体はありそうですが。

アーテルアストレアはどうしても展開待ちになってしまいます。というのも、2歳の未勝利戦が2着馬馬に2.1秒付ける大楽勝だったんですが、その時以上の負荷を経験させていないのが気になります。メンバーはほぼ同じでも、GⅠ級のラップというのは存在する訳なので、追走負荷を上げてどうなるかという所でしょうか。

 とりあえず、有力所の読みはこの辺りで、後は印を打つ各馬の見解、そしてテリオスベルの本質という部分について触れていきます。




各馬見解

◎グランブリッジ

 このメンバーの中だと地力は最上位ですね。昨年の6月から混合戦に一切出走していませんが、斤量が増えても殆ど取りこぼしていないように、力を付けているのが伺えます。

 持続力のある強力な末脚を持ち合わせていますが、本質はその余力値の部分でしょう。追走に振れても、差し脚比べに振れても、堅実に差して来れるだけの速く走る力があります。ハンデ戦や別定の+1分の内容なので、定量戦なら正直相手選びになる力関係です。

 積極的にとはいかなくても、地力で動く競馬でも戦えますので、モレイラ騎手との相性はそれなりに高いと思います。クイーン賞の内容が非常に優秀なので、末脚を伸ばすレースでなくても戦えるとは思いますし、ここは無難に本命です。

 内枠を引いて差し遅れがありそうな印象もありますが、前に行くアイコンテーラーとレディバグの面を考えると、道中包まれすぎて動けないという展開も無さそうです。

 また、大井は10月末開催から砂を入れ替えて、門別や船橋のような時計の掛かり方になっています。この馬とテリオスベルは門別の勝ち鞍がありますし、抜群の数字が出たクイーン賞も船橋ですからね。この2頭が抜けて良いと思います。

評価:90点(S)



○テリオスベル

テリオスベルの強みはスピードの持続力になる訳ですが、それを生かす第二の武器として、高い追走力を身につけています。

 テリオスベルはスタートこそ全く速くありませんが、前に飛び付いてそのスピードを維持するレースを続け好走しています。道中は緩めないので、後ろの馬もそれなりに頑張って追走する必要がある訳ですね。

 日本競馬は前半3F→中盤→後半3Fで2度の急な加減速が要求されるレースが多いです。前半にダッシュを効かせて、中盤でグンとペースを緩め、後半で再度ダッシュをするという流れです。これで掛からないようにするために調教を積んでいますが、普通に考えて掛かる以前に非効率的です。

 人間で考えたら分かる話ですが、同じペースで400m走り切るのと、最初と最後で全開ダッシュをして真ん中の200mはジョギングぐらいに留めるのとでは、明らかに後者の方がスタミナを使うはずです。

 ペースを落としたタイミングで捲りに来る訳ですから、当然前を行く馬の負荷は高い訳です。レディスプレリュードは案の定後ろ決着でしたし、その区間における急な加減速の少ない馬が上位に来ています。

 テリオスベルはスタートが遅いだけで、その後に先頭になるまでの脚を維持し続けています。事実、最初から先頭のレースはべらぼうにペースが速くなっていません。これは実に米国質的な内容で、米国競馬はペースが速いように見えますが、その実先頭に立つまでのスピードがペースになるというレースが多いです。

 米国ではこの速さを維持する能力を鍛えるので、ペースへの耐久値の高い競走馬が生まれる訳です。テリオスベルやパンサラッサ、あとはプロミストウォリア辺りが似たタイプの逃げ馬で、速度維持という観点で高いレベルを示しています。

 ただ、前走で明るみになった問題として、テリオスベル自身は、1800mの高速戦に対応するスピードレンジになかった点があります。そこは砂を入れ替えた部分でどの程度対応できるかでしょう。この馬自身も門別や船橋で勝っていますし、時計の掛かる決着の方が理想です。

 何より、相手にのみ負荷を掛けられる性質が弱い訳がありません。ここでも上位候補として挙げたいです。

評価:85点(A++)



▲狙いの穴馬

ヴァレーデラルナです。

 前走はテリオスベルの捲り逃げに巻き込まれ、負荷が絶大だった分と捉えれば、着差以上に負けている雰囲気はありません。

 小倉の1700mを先行して勝っているように、本質的なスピードレンジの高さがあります。小倉、福島、函館、札幌1700mは東京1600mのスピード適性が必要になるコースですからね。

 元々は追走力が高い馬で、昨年の同レースではサルサディオーネのペースで力押し。そこが最大出力になる訳ですが、勢いでGⅠを獲ってしまったが故に、斤量分が殆ど強くなっていないまま、この1年を過ごしてしまいました。

 定量戦に戻した今回が試金石の一戦ですが、昨年ぐらい走ってくれるようになれば、十分勝機は狙えるポジションになると思います。ただ、後述のスピーディキックと同じで、余力をスピードに変換するタイプなので、シンプルにスピードが削がれる馬場の攻略は鍵ですね。牝馬限定戦での地力は上位かと。

評価:75点(A)



△狙いの穴馬

スピーディキックです。

 この馬もまた、余力をスピード変換して差しに行くタイプの馬です。フェブラリーSで6着のように、普通に考えればメンバー的にも上位に入るため、この馬もまた狙い目になるでしょう。

 印を打った馬の全てが、川崎2100mの好走実績があるという共通点がありますが、これはスピードの維持性能の指標として考えています。端的に言えばスタミナですね。

 菊花賞の時に予想した通り、スタミナは同じ速度で走れる距離の長さです。余力でゴリ押したとしても、つまりは同メンバーなら力が抜けている事の証明にも繋がります。

 前哨戦は別定戦かつテリオスベルが捲り切れないというスピードと差し脚の要求値があったレースです。時計が掛かる馬場状態に変わった事で、よりスタミナという能力の要求値が高くなると思いますし、前哨戦で振るわなかった実績馬を、積極的に狙っていきたいです。

評価:70点(B+)

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