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穴馬ギャンブラーともよ 第9話「異なる次元の末脚比べ #エリザベス女王杯 予想」




予想・買い目

◎ブレイディヴェーグ
○ジェラルディーナ
▲サリエラ
△ルージュエヴァイユ
△ライラック
×ハーパー
☆イズジョーノキセキ

予想軸
能力40:TB35:展開25

買い目(共に配分)
①②⑦⑪⑬ 馬連ボックス10点
もしくは
①-②③⑤⑦⑪⑬ 三連複15点


 混戦ではありますが、より末脚が強い馬に託してみようと思います。エリザベス女王杯は2200mであり、牝馬限定戦の中距離カテゴリで開催の多い1800mと比較すると、5F単位の後半スパートから1F長いです。

 レース傾向的にも、先行馬が止まった所を差せる馬が強く、追込も届きやすいです。この中でトップスピードが高いのはディヴィーナになりますが、まあ逃げっぽいので一旦スルー。後半3Fの走破レンジは圧倒的にブレイディヴェーグなので、まだまだキャリアが浅いですが本命で。

 とりわけスローになりそうなメンバー構成である以上、一定水準のトップスピードは有していないと厳しそうです。厳しい展開になればなるほど浮上してくる馬も多いですが、そうなったとしても末脚の強さ的にはこの5頭が抜けていると思います。

 ただ、穴馬の激走も多いので、正直自信度は低めです。色々と好走しそうな馬も多いですが、流石に全ての馬を掬う事は不可能な訳なので、あえて堅めに絞ります。

 トラックバイアス的にインが生きているので、イズジョーノキセキは狙いの穴馬として期待します。ハーパーはまだ古馬一線級と戦うには足りない印象ですが、川田騎手が内を押さえた時点で抑えないとまずそうです。




各馬見解

ジェラルディーナ

余力:11
トップスピード:8
持続性能:10
追走力:7

末脚評価:S+

 典型的な直線巧者で(このメンバーなら)圧倒的な余力があります。逆に、コーナーでの加速はかなり不得手な所があり、それを要求された今年のオールカマーやQE2世Cは見せ場無く終わっています。要はハマると強い馬です。

 追走に関しても、10Fも厳しそうな感じで、大きく負けもしませんが勝てもしません。どう見ても2400mの馬なのですが、正直エリザベス女王杯以外の敵鞍が京都大章典かジャパンカップぐらいしかなく、ハマるレースも見出せないのが現状。

 コーナーで使う余力を直線に持ってくれば強いので、前が止まるレースに滅法強いです。正直言うと、昨年はコースロス分も加味しなければならないので、このメンバーだと力は完全に上位ですね。阪神内より京都外のコーナリング性能なので、昨年以上のパフォーマンスに期待して良さそうです。

 懸念点はコーナー加速力の低さです。そこが要求されると厳しいレースになると思います。早めに外を確保おきたいです。

評価:90点(S)



ブレイディヴェーグ

余力:9
トップスピード:11
持続性能:8
追走力:7

末脚評価:S+

 現3歳世代で、3Fの末脚レベルはリバティアイランド次いで単独2位の馬だと思います。余力を確保してトップスピードに変換するタイプで、このトップスピードがまた中距離カテゴリだと異次元の速さ。

 特質すべきは、キャリア4戦の中で追走力を格段に上げ続けているという点。前走のローズSは見かけ以上に楽ができたのは確かですが、勝ち馬マスクトディーヴァとこの馬だけ、明らかに余力が違いました。

 上位馬の中でも抜けたスピードを持っており、素質だけで切り捨ててしまうのではという期待感があります。アーモンドアイがそうであるように、適性はもう少し短い所にありそうですが、余力の違いでクリアする可能性も考えられます。

 懸念点はやはり浅いキャリアでタフな展開になった時で、あとペースが遅そうなので掛かったらゲームセットかなと。

評価:85点(A++)




サリエラ

余力:9
トップスピード:8
持続性能:13
追走力:6

末脚評価:S+

 サロミナは面白い繁殖で、サリオスやエスコーラは純マイラー、この馬やサラキアは純ステイヤーのような産駒を輩出しています。この馬もサラキアに非常に近いタイプで、まあ長く良い脚を使います。

 エンジンというより失速しないタイプの末脚で、前が止まらないことには話になりません。これは懸念点でもあり長所でもあります。上級条件の2000mでは流石に厳しいですが、牝馬限定の2200mならチャンスはあります。

 どんな展開であれ、位置取りに使った余力は後で跳ねっ返りが来ます。エリザベス女王杯は往々にしてレースラップでラストの失速率が少ないレースになる事が多いですが、これは前の馬を余力のある馬が交わした際に生じるもので、サリエラは更にその馬が失速した時に差す馬です。

 まあ、追走力的に上級条件だと殆ど末脚一本勝負でしかない上に、単純に失速に失速を重ねる展開になるかという疑問はあります。馬群は開けないと思うので可能性としては高そうですが。

評価:85点(A++)




ルージュエヴァイユ

余力:9
トップスピード:8
持続性能:9
追走力:8

末脚評価:S

 バランスの取れた末脚を持つタイプで、余力をスピード変換しながら持続性能も高いです。牝馬限定GⅠ程度ならかなりの自在性を誇る馬で、実力決着になりやすいレースでこそ真価を発揮する馬だと思います。

 初距離になりますが、1800〜2000mで使われている割には、悠々差し切っているレースが少ないです。スピードレンジもそうですが、前が止まらないというのもあります。2200mの距離延長自体は余力の観点から考えてもクリアが可能かと。

 前々走のエプソムCを見る限り、持続性能とスピードを活かせれば何でも良さそうなので、強気に乗るのが得意な松山騎手や横山武史騎手に託されているのは妥当ですね。どういう形でもレースをできるのは強みです。

 懸念点は、その「どういう形」も取れない状況に陥った時です。単純に包まれたりとかですね。ブレイディヴェーグはスタートが遅すぎるので、むしろ割り切った騎乗ができる分こちらの方が心配度は高めです。出たなりはリスクもあります。

評価:85点(A++)




ライラック

余力:8
トップスピード:8
持続性能:10
追走力:6

末脚評価:S

 前述のルージュエヴァイユと似たタイプですが、こちらの方が追走力に欠けていて、捲りや追込に近いタイプになります。牝馬にしては長距離のカテゴリを使われているように、厳しい展開で浮上する馬だとも思います。

 前走はスローペースの上がり勝負になったので、追走力を気にせず好走が出来ましたが、本来であればここが一番の狙い目だったはず。オッズ的には凡走して欲しかったです。

 昨年のエリザベス女王杯も含め、それなりに厳しいレースを経験した分、府中牝馬Sは地力向上が見られました。持続性能も発揮しましたが、スピードレンジの違いでルージュエヴァイユには遅れを取った形です。外枠を引いて動きやすいレースになった今回は、力押しまでは難しくても、ある程度力は発揮してくれそうです。

 TB的にまだインが生き残っている以上は、スタミナ質のサリエラと比較するとコースロス分が仇となりそうな印象はあります。ただ牝馬限定戦なら気にする所でも無さそうで、これと言って特筆する弱点も少なそうです。

評価:85点(A++)




ハーパー

余力:7
トップスピード:7
持続性能:8
追走力:7

末脚評価:A+

 堅実性のある末脚が魅力で、そこそこの追走力もあるので、牝馬三冠路線では実質3着→1着→2着とよく走っています。多少ジリっぽい末脚を使いますが、京都内回りを内目で立ち回れたように、器用さもあります。

 こういうタイプにありがちですが、強気に乗っても全く崩れないです。とはいえ、成長曲線がかなり緩やかなので、三冠路線は馬の能力より乗り役の技量によるものが大きいとは思います。

 実際の所、堅実にこそ走っていますが、道中与えられた負荷はまだまだ緩く、ブレイディヴェーグがワールドレコードの前走を走ったのに比べて、まだ厳しいレースに対する経験値が乏しいようにも思います。

 スタミナが問われる展開だと普通に来そうですけどね。リバティアイランドの影に隠れすぎていて、イマイチ掴み所が分からない馬でもあります。

評価:80点(A+)




イズジョーノキセキ

余力:7
トップスピード:7
持続性能:7
追走力:6

末脚評価:B+

 総合評価はビッグリボンやマリアエレーナよりも下、何ならゴールドエクリプスよりも下ですが、まあ何しろ怖い一発があります。馬券にはなってないですが有馬記念では4着、ジェラルディーナと0.1秒差ですからね。ソダシにも勝っています。

 この馬は前の脚が止まった時にスピードで刺すタイプで、余力が途切れまくるレースに滅法強いです。昨年のエリザベス女王杯といい、今年の札幌記念といい、恐らく馬場が渋ると力を発揮するのが難しそうな感は受けますが、良馬場であれば楽しみがあります。

 イン強襲も狙える枠でもあるし、TB的にも恩恵はありそうです。力はありますが、余力勝負になると滅法弱いので、激走か凡走かの二択になりやすいです。トップハンデのクイーンSで大きく負けていないように、まだまだ衰えは感じないですね。

 とはいえ好走パターンが限定的で、今年は多少起こりやすいとはいえ、ジェラルディーナやルージュエヴァイユのように自力勝負ができる馬でもないので、あまり大きく買う分にはオススメ出来ないです。

評価:75点(A)

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