2023有馬記念全頭評価+予想
上から10頭に対しては枠番確定前に短評を記載し、全馬に欲しい馬番を記載しておきます。残り6頭も含めた短評については、枠番確定後に記載していこうと思います。
今年の評価としては、とにかく古馬が強いです。昨年からの中長距離路線として、パンサラッサ、ジャックドール、タイトルホルダーといった強力な逃げ馬を捕まえた上で、イクイノックスに先着しなければ勝てないGⅠで戦っている訳ですから、追走力と末脚の強さが非常に高水準でないとどうにもならない世界で戦っています。
一方3歳路線は、リバティアイランド、ソールオリエンス、タスティエーラという抜けた馬は居たものの、牝馬ではマスクトディーヴァやブレイディヴェーグ、牡馬はドゥレッツァと秋まで重賞にも出た事のない馬がポンポン好走しており、路線的な追走力の欠如が露呈した結果となりました。
有馬記念はジェンティルドンナが勝った2014年を除き、過去10年間でステイヤー質の高い追走力が求められ、かつ2400mより100mしか変わらないので、高い余力も求められるレースです。リバティアイランドが出るなら別ですが、今年は古馬優勢と見て考えるのが良さそうな印象に映ります。
枠の並び以前に、余力を残せる追走が出来るかどうかも、今年の焦点となりそうです。
追記-12/21-
枠順も発表されましたので、全馬に関して見解を述べていこうと思います。枠順発表会が観られなかったのが悲しいぐらい、非常に面白い枠順となりました。
有力視される馬の中で、最悪の枠順の馬も居ますし、ジンクスや適性を打ち破る馬が現れるのか、枠順確定後に、総合評価を新しく精査しましたので、欲しかった枠と比較して、また、他馬との並びを考えた上で、どういう競馬をするのが理想なのかという点を記載していこうと思います。
各馬見解
⑩ジャスティンパレス
イクイノックスさえ居なければ現役最強馬の地位を欲しいがままにしていた悲しき2番手。というのは冗談で、4歳春からの急成長力には目を見張るものがあります。
好スピードを持続する能力に優れており、前走の天皇賞秋は歴代の勝ち馬と比べても最上位に来る超級のパフォーマンスで、当然昨年とは別馬になっている可能性が非常に高いです。
広いコース向きのストライドで長く良い脚を使うステイヤー質の馬ではありますが、タイトルホルダーやディープボンドぐらいしか一線級のステイヤーが居ない状況ですし、距離的な面での余力確保には一日の長があります。
とはいえ、宝塚記念ではコーナーで反応が悪かった点からも、コーナーを爆速で曲がりながら加速する捲りは余力の消耗が激しいとは思います。コーナリング性能からも、あまり内枠で構える競馬は避けたい所です。
追記-12/21-
最高の枠順を引けたのではないでしょうか。揉まれる事も無く外を回しすぎる事も無い絶好枠。先行馬がほとんど内に行き、実質馬番は⑦に近いレベルです。
もう1頭の最高評価が終わってしまったので、この馬にとっては天運です。自分をマークし得る存在が自分より外を引いたというのはこの上無い利点であり、自身より踏み遅れる立場か、自身より外を回す事を強いる競馬ができるのは強いです。
この枠なら、馬券を買うにあたって強気に出ても全く問題無いと思います。
⑯スターズオンアース
ジャスティンパレスと同様に、急成長型で一戦ごとに数字を落とさず格段に上げてくる強さがあります。前走は大外枠から好スタートを決め、リバティアイランドやドウデュースを封じながら3着に好走しました。
大阪杯や秋華賞を見る限り、直線に余力を残す形が理想的で、コーナーでの加速は不得手に映ります。中山内回りの攻略は鍵となりますが、それもジャスティンパレスと同様。あまり内枠すぎるのはマイナス。
末脚質は持続力型に近いですが、余力をスピードに変換するタイプでしょう。トップスピードは下記のスルーセブンシーズやドウデュースに劣るので、それらの馬よりは前目で競馬するのが理想的です。
また、ステイヤーとしての末脚質も未知数なので、タイトルホルダーのラップに対してどう戦うかというのも焦点となります。100m伸びた所で大差無い気もしますが、スタミナが求められる展開や、前半から消耗する展開になると不安としては残ります。何だかんだ勝ってはいない訳なので。
追記-12/21-
試練の枠に入りましたね。難しいというより実装距離が長いのがネックです。ゲートで出したからといって末脚が鈍る馬ではないのは近走からも明らかですが、先行するには内の先行馬よりダッシュしなければならず、捲るにはより大きく外を回す必要があるので。
スルーセブンシーズやタスティエーラの存在も厄介で、ここはスタート争いで熾烈を極めるポイント。宝塚記念と同様、ジャスティンパレスの後ろを誰が取るかという並びの中で、幾らなんでも同型が固まりすぎです。
タイトルホルダーより実装距離が長い外の追走はかなり厳しく、アイアンバローズの後ろに滑り込みつつディープボンドの後ろを取る形が理想的でしょうか。ジャスティンパレスとタスティエーラが欲しい場所は奪いたいです。それかその後ろ辺りか。
秋華賞や大阪杯ではゲートで寄られる不利がありましたので、大外はそういう点で理想的です。オークスもJCも大外から力押しですし。ドゥレッツァみたいな奇策レベルの神の一手は打てないものの、プランとして1周目ホームストレッチまでに1頭分外程度のロスに留める位置取りぐらいは出来そうです。そこまで馬群は凝縮しなさそうではあるので、思い浮かぶ形ではあります。
⑤ドウデュース
このメンバーでは圧倒的な余力とトップスピードを有しており、高回転ピッチから速度でぶち抜くタイプです。阪神内回りの京都記念では相手が弱いのはありますが、馬なりで3〜4コーナーを捲り直線では他馬を突き放す一方でした。
出して行って掛かった天皇賞秋はさておき、JCの3着スターズオンアースとの0.1秒差は見かけ以上に決定的ではなく、序盤のペースやそれこそ枠順で着差的にも入れ替わる可能性は高いです。
古馬になって成長しているのはこの馬にとっても同じ事で、スターズと比較しても2頭ともようやく斤量慣れしてきた感。急成長力という観点で前者には譲りますが、条件的には五分。
距離不安は流石に無いというか、200m辺り12.0秒ぐらいのレンジで1800m走破して上がり3F33.7秒を出せる余力があるなら、100m延長した程度でどうこうは無いです。懸念点は掛かるかどうかはもとより、JCの数字がこの馬の限界なのかどうかです。他の懸念はスターズと同じ内容なので割愛。
追記-12/22-
好枠だと思います。奇数という点はあるものの、内に逃げ馬、横に先行馬2頭でスタートしてからホームストレッチまで自由度が高いです。ジャスティンパレスに寄せられる可能性、もっと言えば大外の牝馬2頭に詰められる可能性も高い枠ですが、どういうレース運びでも問題は無さそうな印象です。
最内で完全に包まれるという展開が考えられる枠とはいえ、タイトルホルダーの後半ラップなら馬群が開けてくると思いますし、事実タイトルホルダーの単騎逃げで内で動けず詰まった馬は居ません。
あまり後方すぎると捲る際に負荷が異常に掛かりそうではあるものの、シンプルなコースロスを考えればまだ内枠奇数は妥当なライン。出す競馬をすると掛かったので控えると思いますが、先述のように序盤に出来るスペースが大きいので、早い段階から選択肢を持てるのは強い枠だと思います。
④タイトルホルダー
現役馬最強クラスのスタミナを武器に余力で潰すステイヤーです。今年の日経賞はほぼ回ってくるだけで他馬の末脚が消滅しており、なろう系小説みたいな展開となりましたが、天皇賞春で競走中止となってからは歯車が狂い、絶賛復調中。
父ドゥラメンテの早逝により、後継種牡馬が不在のためこのレースが引退となりますが、やはり素晴らしい逃げを打つ馬です。肉を切らせて骨を断つという逃げ方で、自身の追走力を限界まで引き上げ相手をバテさせる事ができます。
ジャパンカップの1800m地点までは200m辺り12.01秒で逃げていますが、これはステイヤーとして標準の数値。あくまで2400mのレンジでは厳しいですが、有馬記念の数字にすると標準どころかかなり速く、事実昨年の有馬記念では200m辺り12.26秒で走り先行勢が壊滅しました。
ジャパンカップは時計自体はダービーと同タイムですが、その実ダービーとは全くもって馬場差が違いますし格段に数字も良いです。もうひと段階の良化は残していましたが、キャリアハイに近いパフォーマンスを出しました。有馬記念は最高の状態で出られると思いますし、有終の美を。
追記-12/22-
中々に好枠だと思います。逃げ馬なので、実走距離のロスは無いですが、ハナに立つという上で過去2年より格段に労せず立てるでしょうし、この馬にとっては理想的というイメージです。
ディープボンドとアイアンバローズの動きはありすが、基本的にはマイペースに進めるような枠だと思います。ディープボンドは当然理解していますが、タイトルホルダーより前に出て逃げを潰す動きはただの玉砕でしかなく、それを警戒する程度かと。
⑮スルーセブンシーズ
急成長中の5歳牝馬で、クラブ馬なのでこれで引退っぽいですが正に充実期の1頭。唯一、覚醒したイクイノックスをタイム差無しまで追い詰めています。凱旋門賞も馬場が向いたのはありますが、オークス以来の2400m戦で牝馬では最高着順の4着と能力は高いです。
中山コースは4-1-2-0、かつ全て内回りで4勝と圧倒的なコース適性があり、負けたレースでさえ0.3秒以内です。中山牝馬Sでは圧倒的な余力で捲り勝利を収めているように機動力はこの中でも最上位です。
GⅠにおける余力勝負という点だと若干不利ではありますが、中山のコース形態上、潰し合いで余力を残すという点では有利であり、最後まで溜めて末脚一閃というのが理想的な戦術でしょう。
とはいえ、ここ2戦はイクイノックスやAce Impactという強力な末脚を持つ馬が道を切り開いてくれたからマークするだけで好走したというのはありますし、ある程度自力で戦う必要があります。中山2500mの距離適性は未知なものの、早めに動きすぎると苦しい展開になるのは当然の事。そこはグランプリ男池添の手腕に期待ですね。
追記-12/22-
追込なので枠による変動はありません。あくまで機動力を参照した上での内枠が欲しいという見解なので、外なら外でやる事は変わりませんから。まあインベタは無理なので難しいのには変わりまりませんが。
理想的なのはどう見てもドウデュースかジャスティンパレスの後ろですが、流石に遠すぎですね。とはいえ、それより前を取れば恐らくずっと外を回す事になるので、幾ら凱旋門賞4着の実績あれど、宝塚記念同様距離を考えて控えるのが理想的です。
⑬タスティエーラ
後半4〜5F特化の持続力に優れたタイプで、速い上がりこそ使えないものの、堅実に最後まで伸び切ります。菊花賞は最後まで伸びてはいるものの、後半の早い段階から馬群で捕まえに行く動きの関係上、勝ち馬ドゥレッツァに置いて行かれました。
皐月賞では自力勝負に持ち込み惜しくも2着となりましたが、GⅠ級の追走をしたはこの1度きりで他のレースでは高いレベルの追走は未経験。どうしても追走面はジャックドール、パンサラッサ、タイトルホルダーといった強力な逃げ馬相手に戦ってきた古馬と比べると見劣りします。
まだソールオリエンスと比べれば追走面でいくらか余裕はありそうですが、菊花賞の着差は決定的で、タイトルホルダーはドゥレッツァより数段上の追走を要求する点からも、ここではムーアの手腕に期待する他無い現状です。
立ち回りで利を取って持続力を活かせば好走こそできそうですが、上に挙げた5頭と比較すると地力面では劣り、キャリアハイのパフォーマンスを出す+上位5頭のパフォーマンスダウンを望まないと難しい所。
追記-12/23-
流石に苦しすぎる枠ですね。何をするにも常に外追走、追い込むにはまだマシですがそういう馬ではないのは分かる事。タイトルホルダーの外先行、馬群が開いて中団辺りなら結果論として好位置は取れそうではありますが…。
他馬の兼ね合いでレースを組み立てるのが難しく、地力が非常に問われる枠で、今年の3歳馬のレベルを考えても、他馬のパフォーマンスダウンを願う他無い気もします。この馬の底というか、力がそのまま出そうな枠順というので、そういう点では悪くないとは思います。
①ソールオリエンス
後半2.5〜3Fに特化した、非常に高いレベルの直線性能を持っている皐月賞馬で、最少キャリアで皐月賞を制したように、ポテンシャルは非常に高いものを持っています。
ここまで才能だけで戦ってきたかと思わせるかのような3連敗で、ダービーは例外としてもセントライト記念と菊花賞は5〜6Fの後半のロングスパート戦、それを勝ち馬に直線で切れ負けしているので、まだ追走力が足りません。
直線まで余力を残すことができれば勝てるレベルにこの馬の末脚は爆発力がありますが、この2戦で残せなかった点と、ドゥレッツァより数段厳しいタイトルホルダーのラップでそれが出来るとは考えにくく、よってタスティエーラよりは下の評価です。
2〜3着ぐらいならありそうですが、それは3歳2頭では同じ結論。タスティエーラもそうですが、中山で内を立ち回るようなコーナリング性能にありません。ましてやこちらは膨れるので。
追記-12/23-
最内は寧ろ面白いです。コーナーの実走距離が短いため、コーナーを曲がる余力を使う必要が無いので。とはいえタスティエーラと同じで試練の枠で、力をそのまま求められるダービー馬と新しい力を求められる皐月賞馬、楽しみです。
この馬に今求められているのは、直線までに余力を確保する追走です。最内は寧ろこの馬に求められているものを結果として出すには好枠。イン追走から外に出すのか、内で我慢してラストに賭けるような競馬をするのか、3歳牡馬2頭は要注目です。
②シャフリヤール
過小評価されがちなダービー馬ですが、好走したレースに限定すれば、3歳の毎日杯からマトモな追総経験が無く、事実今年の札幌記念では馬場差はあれど何も出来ずに大敗しました。
コーナリング自体は別に苦しんだ様子も無く、どの競馬場でも内を器用に立ち回ったり捲ったりと、追走にさえ目を瞑ればかなり万能性がある馬に映ります。
ドバイ、アメリカ、イギリス、蜻蛉返りしましたが香港と、異なる競馬場や異なる馬場差で結果を残しており、良い状態に持っていく調整力は、流石の藤原厩舎といった所。とはいえ、香港を回避しての有馬記念のローテは大敗したアーモンドアイと同じで不安の方が大きいかと。
末脚は良いものを持ってるので、状態面と道中の位置取り次第になるのかなと。流石に突き抜けるイメージまでは無さそうです。
追記-12/23-
内は面白いと思いますが、追走に負荷を掛けられるのかという所ですね。スタート後からスペースが出来るとはいえ、下げてもドウデュースに締められるだけですし、出すほど追走力がある馬ではありません。
評価自体は変わらずです。前走はオーギュストロダンに僅差の3着とはいえ、香港が頓挫したという前提条件込みで、かつ札幌で走った時は大負けしていますし、マークされる立場ではないのは重々承知で、シンプルに他馬から締められる印象があります。長く脚を使うタイプなので、早めに外に出すには下げる他無いでしょうけど、それは理想形ではなさそうです。
⑥ディープボンド
このメンバーではタイトルホルダーに次ぐスタミナと追走力の持ち主で、昨年よりステイヤー質で前脚質の馬が居ない中では、積極的に位置を取れそうです。
昨年はブレークアップに欲しい位置を取られたものの、タイトルホルダー相手にプレッシャーを与え続け、消耗戦に持ち込む形が理想的。
マーカンド騎手は先行して粘らせる事が上手い騎手ですし、騎乗スタイル自体はこの馬が得意とする戦法と合いそうです。タイトルホルダーと近い並びというのが求められる点ではネックですが、頑張らせてなんぼの馬なので、タイトルホルダーのラップはこのメンバー内では最も合うと思います。
追記-12/23-
絶好枠だと思います。昨年大外を引いた時はひとつ内に別の先行馬が居たため、欲しいポジションが取れず距離ロスをするだけの先行でしたが、今年はタイトルホルダーの2つ隣で間にはどう見ても前に出ないドウデュース。タイトルホルダーのマークはスタートさえ頑張れば完全に可能。
この馬が最も数字を出したのは必死でタイトルホルダーに食らいついた宝塚記念。本当によく頑張ってくれる馬なので、追走力もスタミナもある相手と粘り込む戦術はこのメンバー相手に最有力な戦法です。とはいえ、この馬の実力は遺憾無く発揮されますが他馬はこの馬をマークすれば良いだけなのはネックです。
⑫ウインマリリン
日経賞やオールカマーを内で立ち回って快勝しているように機動力が高く、札幌記念でハイペースをインの3番手で耐えたように追走力もあります。春天で5着のようにスタミナも高く、これを統合して香港ヴァーズで捲り勝ちを収めています。
前走のBCF&Mターフは10Fのトップスピードの差に屈してしまいましたが、内を上手く使うという意味で右に出る馬は居ませんし、好位インから後方捲りまで、機動力とスタミナを意識した内容であれば大崩れはしにくいタイプ。
有馬記念はベストコースと言えますが、個人的には1年遅かったかなと。ピークアウトしてしまったとは考えにくいですが、出来を保つのが難しくなっている印象を受けます。タイトルホルダーと同様、ここが引退レースになるので、悔いのないレースをして欲しいです。
とはいえ負けの内容は余力勝負によるもので、全馬が削れる中での末脚勝負では分が悪いと思います。①でも良いので内は欲しいです。
追記-12/23-
コメントが難しい枠ですね。そもそもモリス騎手にどういうオーダーが来ているのか分からない以上何とも言えないです。ジャスティンパレスの一列前を取る程度なら恐らく余裕ですが、ディープボンドの後ろを取れそうな並びでもあります。
そうなると外の3番手ですが、あまりその位置でこの馬の良さは出ないですし、捲り一発にかけるのが良さそうですが、モリス騎手自身がレーン騎手のように内回りで動かせる騎手なのかも未知数な中なので、個人的には凄く好きな馬なのですが、ラストランは応援程度に留めようと思います。詰まる事は無いので力は出し切れそうです。
⑧ライラック
3歳時は捲って捲ってみたいな馬でしたが、4歳秋になって質が変化。元々捲る馬は余力が優れているタイプが多いのですが、近2走はしっかりとした余力を確保できています。というより、しっかりと最高速を出せています。
内決着のエリザベス女王杯では外枠から僅差の4着に好走しているように、シンプルな余力量が増えている可能性は高いです。機動力は元から高く、そうでなければスターズオンアースに捲って勝てないですから。
元々馬運車に乗る練習を積むほど繊細な馬でしたが、以前よりもメンタルがドッシリとしてきた印象を受けますし、ゆったりと走らせて末脚を生かす戸崎騎手との相性も良いと思います。穴で狙ってみたい1頭です。とはいえ、余力的には完全に見劣りするので、押さえに回す程度ですが。
⑪ハーパー
スタミナ質の高い馬で、これまでのレース内容から見ると確かに中長距離で走るのが良さそうですが、現状は余力が全く足りていない印象です。
秋華賞の時から掴み所の無い馬と形容していますが、もう手応え無いんじゃないかという所からよく粘ります。2400m以上となれば、普通にトップスピードも速いです。
来年以降のレース経験によっては、格段に強くなる可能性を秘めていますが、現状としては成長曲線が緩やかな分まだ足りないレースが続いているかも。京都の内回りをインで差し込んでいたので機動力はあると思いますし、実は3歳3頭はいずれも距離の適性は高いと思っています。
⑭プラダリア
青葉賞は力で勝ったとはいえ、宝塚記念や京都大賞典の好走は明らかにインで機動力を活かしたもの。かなり外枠を引いてしまった以上は再現性は低く、スタミナ性を活かすのが無難な形。
外追走でも日経新春杯や京都記念のような好走がありますが、流石にGⅠレベルとなると見劣りします。末脚はステイヤー質で悪くないですし、菊花賞も直線手前で不利が無ければもっと好走していましたが、上位3頭には100回走っても遠く及ばず。
血統的に5歳からダラっとした脚が使えるようになるので、ダイヤモンドSか金鯱賞辺りで見直したい所です。
⑨ヒートオンビート
強くなる過程で勝ち切れなかったので、賞金を加算するまでに遠回りになってしまいましたが、右でも左でも2500mに良績があります。もう100m頑張る力というのは結構ある訳ですね。
一昨年の目黒記念から2500mのGⅡで1-1-3-1という成績を上げていますが、唯一着外の2023日経賞以外はかなり遅いペースで進みました。タイトルホルダーが少なくとも2023日経賞ぐらいのペースで走る都合上、追走力を引き上げなければならず、シンプルに追走が苦しい展開になると思います。
⑦アイアンバローズ
ステイヤーズSを逃げ勝っており、スタミナ面での心配は無さそうです。オルフェーヴル産駒にありがちですが、ダラッとしたワンペースに強い馬で、下級条件の長距離なら普通に無双できるとは思います。
とはいえ、ステイヤーズSは馬場が高速なのを加味すれば物凄く遅いペースであり、2023日経賞換算で追込馬ぐらいのペースになっているのは留意点。シンプルに追走力が足りないと思いますが、追い込むなら面白そうではあります。
まあ、逃げ宣言をしているようなので何ともですが、流石にステイヤーとしての力が違いすぎるので、逃げるならほぼ玉砕かそもそも逃げられないと思います。
③ホウオウエミーズ
捲れる馬であり、内枠を引けたのはプラスです。流石に能力が足りませんが、無欲の差しというのであれば、もしかすると掲示板ぐらいには載れるかもしれません。
中距離を余力で差す馬なので、道中外を回した時点で詰みです。この中ではスタミナが最も足りないと踏んでいるので。後は田辺騎手がどう捌くかですね。直線のみに賭けたいところですが、追走面もギリギリの可能性があるので、とにかく距離ロスをゼロにするのが理想です。
調教評価
全ての馬で上昇、ないし出来のキープが見込めるのでA+ですが、横比較用にあえて強弱を付けました。S以上の3頭について見解を書きます。
タイトルホルダーは最高評価です。立て直しに使った2戦がしっかりと身になって、1週前、2週前共に素晴らしい動きでした。昨年の宝塚記念以来となるSを付け、引退レースという点でS+評価です。かなり抑えられていますが、どこまでも行ってしまいそうな素晴らしい伸びでした。最高の出来にあると思います。
ソールオリエンスは1週前の動きがとにかく素晴らしく、帰国緒戦とはいえ引退レースのウインマリリンを、一息のギアチェンジであっさりと突き放していました。当週もそうですが、一瞬でピッチアップしてからよくストライドが伸びています。夏を越してから馬体に成長が見られましたが、ようやく芯が入ってきたイメージです。
最後のS評価はライラックです。時計ばかり目立ちますが、1週前の内容が秀逸でした。僚馬が弱すぎるのもありますが、それでも伸びとストライドは目立ち、出来の良さが光ります。当週は坂路でスプリンター並の時計を披露しましたが、元々3歳から好登坂をするタイプで、更に馬が良くなってきたと感じる内容でした。
あともう1頭、頓挫明けのシャフリヤールですが、動きの質を見る限りでは悪くありません。恐らく香港が素晴らしい出来にあったんだと思いますが、飛行機で帰って中1週の割には、状態は良く映ります。しれっと矢作厩舎並に諸外国に連れ出されてるダービー馬ですが、環境への順応が速いタイプなんでしょう。そこまで割り引く必要は無さそうです。
予想
予想軸
能力45:TB25:展開30
斤量差を含めても、シンプルな余力のぶつけ合いで古馬の上位5頭がかなり抜けた格好。その中で重要視したいのは、タイトルホルダーのラップで動ける馬です。
昨年は9着に敗れましたが、やはり数字的には頭ひとつ抜けていて、宝塚記念はもとより、59キロの日経賞レベルですら勝てる馬を探すのが難しい印象です。
その中での本命はドウデュース、タイトルホルダー相手に自力で捲れるのはこの馬ではないかと思います。そもそも捲った経験の無い馬、捲れた事が無い馬は除外するとして、その上でタイトルホルダー並みに余力を持って差すとなると、この馬の京都記念のパフォーマンスが思い浮かびます。タイトルホルダー並かそれ以上の機動力を有しているという要素も追い風となるでしょう。リスグラシューのようなレースに期待します。
末脚の威力を考えても、やはりこのレースは十全のタイトルホルダーを差すかどうかが焦点で、私が考えている中だと古馬の中でも上位2頭が有力かと。
対抗はジャスティンパレス、4歳に入ってからイクイノックスさえ居なければという素晴らしいキャリアを積んでいますが、やはり指数的にも最上位。コーナーで加速する能力は微妙なのはネックですが、数少ないステイヤーで末脚質が非常に高い馬です。余力を温存できるかは鍵ですが、TBを無視したレースも出来そうなほど、充実していると思います。それだけ天皇賞秋は、過去を見ても数頭しか居ないレベルの高次元パフォーマンスでした。
単穴にタイトルホルダーです。このコースで労せず先頭に立ち、かつ単騎逃げが望める展開となれば、7割がた好走すると考えています。ロンジンのレーティングではトップかつ、コースは同じ中山2500mというように、明らかに余力を残せるレベルが違います。後半のロングスパート戦となるのは確実でしょうし、バテた先行馬が垂れるとなれば、後続は外を回す必要がある、という展開を最もスタミナがある馬が作り出せるというのが強すぎます。今回も軸です。
正直、4番手と5番手はスルーセブンシーズとスターズオンアースですが、正直古馬5頭だけを選んでも味気無いですし、どうせここは軸では買わないので別の馬を4番手評価としました。
連下にソールオリエンスです。最内に最も機動力が低い馬が入ったというのはありますが、これは腹を括った騎乗ができるのではと思っています。この馬はコーナーが下手で加速しながら曲がれません。そのため、コーナーで脚を使わない内枠で、道中常にインで溜めつつ、直線のみに賭ける競馬が出来れば面白いと思います。そうでなくても、インで構えて2周目3〜4コーナーを外に出して直線的に回せば、コースロスはあれど実走距離は抑えられます。人気次第ではありますが、強気に出たい1頭です。
最後に穴でライラック。止まった所を差すタイプの馬だと思っていましたが、ここ2戦を見ると余力で差すタイプにも見えます。つまりは、両方の競馬ができるという事かと解釈しました。有力馬が止まる必要はあるものの、サラキアのような余力+スタミナ質の脚は使えると思いますし、エリザベス女王杯でもよく差し込んでいます。ゆったり乗って長く良い脚を使ってくれると思いますし、今年の秋以降は他馬に負けず劣らずで好内容で走破できていると思います。上積みに期待です。
見て分かるとおり、枠順評価S以上の5頭、かつ調教評価S以上の3頭で組んでいます。年末のグランプリですし、私の叡智を結集させた予想にしました。買い目はオッズが落ち着き次第出そうと思います。
買い目
トリガミはカバーすれば何とかなります。1点のみならほぼ元返しですが、2点以上なら2倍以上になる計算で。
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