無敗馬の今後を占う1戦 #ホープフルS 予想

 一昨日のイクイノックスは信じられないぐらい強かった。2戦目のレースを見てから皐月賞前には世代最強を語っていたが現役最強はおろか歴代最強レベルにまで上がる可能性のある馬とまでは思わなかった。そもそもキャリア6戦の馬の戦績じゃない。歴史的名馬ですら使っていった中で成長する曲線をぶっつけ本番で出してくる辺りスケール感が違いすぎる。
 ボルドグフーシュやジェラルディーナもGⅠ馬級の急成長を遂げているにも関わらず、それ以上の成長をレースに出さずに叩き出しているんだから滅茶苦茶である。古馬中長距離GⅠ馬を軒並み子供扱いとは…しかもまだ未完成である。

 イフの話ではあるが、成長阻害であるとはいえどこの馬がホープフルSに出走していればボッコボコにしていたと思う。それぐらい格が違うんだが、実のところは皐月賞で5着以内に入らなければダービーの賞金ボーダーに届かずこの快進撃も無かったとも言える。
 後から見返せば皐月賞で5着以内に入らないなんて大ポカも良いところなのだが、2歳GⅠを勝つというのは春クラシックへの賞金ボーダーにゆとりを持たせる意味合いが大きい。昨年2着のジャスティンパレスはゆとりを持ったローテで秋以降の飛躍に繋がった。一昨年2着のオーソクレースなんかもそうである。

 馬場が極端に高速化した現代競馬では使い詰めができない馬が多く、今回も勝ちに来ている馬が多い。昨年はイクイノックスが不出走、朝日杯にメンバーが集まりすぎたのは誰の目から見ても明らかである。
 対して今年は現時点で不出走の超大物が出ていないので、余程のことが無い限りは、ここからクラシックの有力候補を探っていくのが妥当だろう。楽しみな1戦となる。

事前考察

 有馬記念と違って極端に枠順の有利不利は出ないものの、シンプルに外を回すロスというのは大きい。イクイノックスもジオグリフと同枠なら勝てていた可能性もあったはずだし、それはトラックバイアス以前の話である。
 加えて今年は明確に逃げたいという馬が存在せず、瞬発力に秀でた馬も多いので動きの激しいレースにはなりにくいと想像できる。レース的に前に行く馬が中枠を中心に集まったものの、分かりやすく逃げて良さそうなのがトップナイフやグリューネグリーンぐらいしか居ない上に前者は最近逃げをやってない。
 多少は流れるだろうが馬群が完全に縦に長くなるかと言えば想像が付きにくく、ある程度密集する可能性が高い。ロスを考えると内枠が有利だが密集すればそれだけ馬同士の間隔が狭まり、内の馬は前が壁になる可能性も上がる。外よりは内、ぐらいの見方が妥当な印象ではある。内よりの中枠をベストとして極端になるにつれ緩やかに減点という印象。とはいえ有馬レベルに大外に減点は必要無い。

 今年のメンバーを考えれば、恐らく人気は集中するだろうが無敗の連勝馬が中心となる。数字としては中山芝2000m2歳レコードにコンマ2秒差のミッキーカプチーノ、コントレイルに次ぎイスラボニータより走破タイムが上のガストリック、自身の追走レンジを上げながらの距離延長で中京芝2000mを33.5で走破したファントムシーフ、重馬場の阪神で減速無しの3F34.7を叩き出したセブンマジシャンが有力。ハーツコンチェルトもスケール感を考えればこれに追随する。
 この中である程度共通するのはストライドが大きい事。減速しないという点では長めの距離を走る上で重要なファクターだが、紛れが起きやすいこのコースでは弱点となり得る。正直力が上なので着順の入れ替わりはあれど全馬大飛びまでは考えられないし、何なら印を打つので個別には後ほど見解を述べていきたい。

 実側面として重要なのは血統面。今開催の中山芝はキングマンボ系を除くヌレイエフ持ち、ダンジグ持ち(ディンヒルが望ましい)、ロベルト系が暴れに暴れまくっている。有馬記念ではロベルト系が2〜5着を独占し、東スポ杯で全く見せ場の無かったシルトホルンとジョウショーホープが1勝クラスでワンツーを決めている。前者はロベルト系で後者はBMSアグネスデジタルがダンジグを持っている。
 今回は血統面からも有力になりそうな馬を軸に攻めていきたい。枠の話をしておいてアレだが、軸は1枠と8枠である。

予想

◎ミッキーカプチーノ
 まあ性能的にはここから。2歳の中山芝2000mは3年前にグランデマーレが記録した1:58.9となるが、先行馬で上がりも掛かっていた。イン差しが有利なトラックバイアスであったがそれでも差して上がり34.6の1:59.1はかなり評価できる内容。もっと距離を伸ばした方が良いタイプで、更に直線の長いコースに向いている。ここへの適性も高いだろうし枠が終わっているが好勝負に期待できる。
 府中向きだと感じるがロベルトの4×4で機動力にも期待が持てるし、ひと捲りで勝負を決めそうな雰囲気がある。スケール感的にはやはりタイトルを取れる素質はあり、5年前ぐらいのレベルなら余裕で勝ってしまいそうなスペックがあるとは。総合点が高い。

○ファントムシーフ
 今度は最内。恐らく今年の2歳戦の中で最高品質のパフォーマンスを見せており、成長曲線と内容を考えれば相当上に見える。スローの上がり勝負で2戦2勝ではあるが、ディンヒル→ダンジリの濃いインブリードが特徴的で、配合的な側面から考えればタフな流れを渋太く伸びるタイプに感じる。ストライドが大きい馬だが立ち回り上手で、急坂コースを2回圧勝している点からも中山自体は合うタイプ。
 まだまだ幼い面が残るものの前走は内で溜めながらの競馬ができたし、秋のGⅠのトレンドは余裕のあるローテで強い競馬を見せてきた馬。想像以上にここは崩れない。

▲トップナイフ
 無敗馬に並べてやりたいと思っているのはこの馬。2歳にしてキャリア6戦と破茶滅茶なのだが1戦ごとに身になっていて強くなっている。距離的にはどう見ても2000mがベストでタフな流れや上がりが掛かる馬場状態にめちゃんこ強い。ダンジグやヌレイエフを持ち機動力に長けている。このレースと恐ろしく相性の良い萩Sも機動力を生かして勝ち切った点も評価。
 近走は差しに行く競馬であるものの、このタイプなら当然ながら逃げた方が良い。今回みたくグリューネグリーン単騎であれば直線で力比べとなった際に厳しそう。前走の不利を考えれば1列前どころか最前列で競馬をして欲しいものだが。

△セブンマジシャン
 あまり血統的に推す材料が少ないものの、エリ女の日に現地観戦して惚れた馬の1頭。トラックバイアスもあったが、直線で外に持ち出されてからは全く減速せずの上がり最速34.7。直線を力強く伸びてくるタイプで、母母クロノロジストは中山でパフォーマンスが高かったクロノジェネシスやノームコアの母となる。ジャスタウェイ産駒らしい力強いストライドで多少の消耗戦にも向く。
 とはいえ、気性がヤバすぎる。あれだけ直線伸びる馬がコーナーでは全く動かずってのは馬のスイッチが入っていないという所にも繋がる。輸送でピリッとした方がいいタイプなのかもしれないが、軸からは急遽外す。捲れそうではある。想像以上に強いとは思うが…

△ガストリック
 成長度はミッキーカプチーノは同水準。枠が最高のところに入ったので改めて見直しを。そもそもの話、後述するハーツコンチェルトも含めてストライドが大きすぎて中山で合うとは全く思わない。ただそれ以上に他馬が弱すぎる。前走はきちんと抜かせていないし、恐らくダノンザキッドに近いタイプなんだと思う。瞬発力勝負は瞬間的なキレより脚の持続力が問われる面もあるし、早めにペースアップする流れになれば普通に突き抜ける。
 とはいえ、2戦連続の出遅れは痛い。府中のワンターンで多少のリカバリーは利いていたし、このコースでも出負けイコール敗戦とは思わないが、まあコーナーから断続的に脚を使う馬ではないのも事実。推しにくい。最内、大外ときて中枠と極端な印になっている。

×ハーツコンチェルト
 明らかに距離が伸びた方がいいタイプで、恐らく序盤から前に動かしてレースを進めるのは得意としていない。前走は出遅れもあったが新馬戦のラップを見る限りではやはりレースの入りはゆっくり出していって、後半一気に脚を使う無いし後半に掛けてゆっくりラップを上げていく走りが向いていると思うし、このコースのフルゲートで最内から外に出すのは相当厳しいと考えれば、有力所では最低評価となる。あんまり松山騎手と手が合うタイプに感じない。
 ただ、距離自体は2000以上あった方が良さそうではあるし、ここも一発に期待したい。まあ息が入りやすく広いコースの方が良さそうだし、好位置を取ってどこまでの底力があるのかも未知数ではある。楽しみの方が少し勝る。

☆ジェイパームス
 キラーアビリティの弟にあたる馬で、新馬戦をスケールの違う加速ラップで快勝。先行力がある、というには判断材料に欠けるもののスタート自体はちゃんと出る馬で、しっかりとしたストライドで伸びてくる。ダノンベルーガっぽいが、本質的には瞬発力勝負より前受けして渋太く、力強く伸びる脚にありそうではある。そういう意味では阪神JFのアロマデローサと同様、ある程度の位置を取れるイーガン騎手はプラスだと思うし、しっかり脚を伸ばせば完勝もある。
 今回は消耗戦になりそうな雰囲気もあるし、枠的に厳しいレースになるのは否めないが、ここは期待も込めて印を打ってみる。

 あとは血統的に穴で面白いのはセレンディピティとボーンイングランデになる。コーナーから力強く伸びてくるし、好枠を生かして長く脚を使う展開となれば。

買い目

枠連ボックス:①②④⑤⑦⑧
馬連流し:⑧-①②④⑦⑨⑩⑭⑱
ワイド:①⑧⑱-①②④⑦⑧⑨⑩⑭⑱

流石に点数が多いので削るかも。枠連は確定

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