海が欲しいのに

 七月十八日(月)砂原

 見舞いに来た友人からもらった畠山美由紀のCDを聴いていたら、入院していることを忘れ、浮かれた気分になった。「あはははは」と笑いながら海の水を手ですくい、砂浜を裸足で駆け抜けていく自分の姿が目に浮かんだ。想像の中で僕は白いワンピースにカーディガンを羽織っており、ひとりだった。そんな海の日。

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