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美しい日々

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この物語はフィクションです。
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2020年1月の記事一覧

突然「今日から入院」と言われる(初日① )

 カルテを見ながら、ああ、だめだねと冷たい声で医者は言った。  「あなたね、今日から入院…

友山奏也
4年前

最後の牛丼をたべる(入院初日②)

 自宅。この景色もしばらくの間見納めかと、しばらくソファに佇む。妻の携帯に電話したが出な…

友山奏也
4年前

何の決意もなく入院する(入院初日③)

 気持ちとは裏腹に道は空いていて、すぐに病院に着いてしまう。午後になり外来の患者も減った…

友山奏也
4年前
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薬を大量に出される(入院初日④)

 「先生からお話があります」と院内放送で呼び出され、三階のナースステーションに向かう。 …

友山奏也
4年前

うんちの回数を教える(入院2日目① )

 六時半に朝の検温に来た看護婦に、肩を揺すられて目が覚めた。朝の検温時は、昨日の尿と便の…

友山奏也
4年前

病棟を徘徊する(入院2日目②)

 朝食のあとで、病棟内を少し歩いてみた。三階はエレベーターを降りるとまずナースステーショ…

友山奏也
4年前
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検査でたらいまわしにされる(入院2日目③ )

 午後は検査がいくつか続いた。二階の面談室でまず視力検査と聴力検査を受け、続いて胸のCTを撮り心電図と血ガスの検査も受けた。  視力検査はおなじみの、円の上下右左どこに穴があるかを答えるものだった。視力は幼少の頃から落ちておらず、両目とも一番小さな円まで答えられて、眼鏡をかけた女性検査官に「素晴らしい」と褒められる。  聴力検査は掃除用具入れのような狭い箱に入れられ、方耳だけヘッドフォンをつけて音が聞こえたらスイッチを押すものだった。次第に検査音と耳鳴りの区別がつかなくな