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クリス・モズデル 第3回古典の日文化基金賞・受賞コメント
What an honour it is to have received this award, especially celebrating the classic literature of a country that I have admired and been immersed in for much of my life. From the early beginnings wit
もっとみる追悼・坂本龍一さん / 熊谷朋哉(SLOGAN)
4月2日の午後、坂本龍一氏の急逝が伝えられたとき、私は、クリス・モズデルの詞に氏 - 坂本さんが曲を書いた「Behind the Mask」- その詞をもとにした詩・写真集についてのトークショーの真最中だった。
坂本さんとは最近までやりとりがあり、原稿ご寄稿の打診までしていた私は、その軽やかなお返事ぶりに、また例えば小池百合子の暴挙に対して書簡をお送りされるような旺盛な活動ぶりに、氏には、まだま
〈編集者ノート〉『BEHIND THE MASK - 面 (おもて) の裏には、百句燦々。』クリス・モズデル(俳句)+ 大和田 良(写真) 羽良多平吉 (書容設計) / 熊谷朋哉(SLOGAN)
この魅力的な日本語タイトルは、羽良多平吉によるものである。
どこまでも「日本的」とすら言えそうな湿度と幻視を保つクリス・モズデルの詩句と、どこまでもシャープでコントロールが効く大和田 良の写真というコラボレーション。大和田をクリスに推薦したのは当方であるが、当初、そのふたりの組み合わせは少し不思議で、微かにエギゾティックなものになるように思えたものである。
ともにその作品の質には何の
アントニー&ザ・ジョンソンズ - 完新世の聖と俗 / 泣いている女陰のキリスト(2010) - アントニー・ハガティ
私は悩殺されてしまった。
最初に大野一雄のイメージに触れたのは、アンジェ(フランス)の学校に通っていた16歳の時のことだった。一枚のポスターの中の写真。この美しい生き物はいったい何なのか? ヴィクトリア朝風のドレスに厚い化粧、きら星のように輝いて見える。ポスター貼りをしていたおじさんから一枚もらい、家に帰った。大野一雄という名前も知らなかったが、寝室の壁に貼った。そのポスターはいまもそのままだ。5
古井由吉『半自叙伝』(河出書房新社 / 2013)
これを要するに、敵がこちらを目指して攻めこんでくるのを、一丸となって叩くという、古来の「戦闘」の想定である。ところが実際にやって来たのは、空一面にひろがって寄せ、ひろくあまねく焼き尽すという、高度に組織化された殲滅戦だった。これを前にしては住民たちの防空の抵抗は無意味どころか、ほとんと非現実になる。いきなり露呈した非現実というものも恐ろしい。三月十日の本所深川方面の大空襲の犠牲者たちの中には、外
もっとみる弔辞 - 追悼・中西俊夫 / 熊谷朋哉(SLOGAN)
いまも忘れられないことがあります。2016年の1月11日、夜に中西俊夫の還暦を祝うパーティが行われることになっていました。そしてその日の午後、デヴィッド・ボウイが亡くなったことが伝わってきました。
自分の還暦を祝うパーティであるのにもかかわらず、その夜のあなたは少なからず落ち込んでいる様子で、私たちはふたりで沈んだ話をしたことを思い出します。いま思えばあのときから、なにか不吉な陰が差していたよう