目線の無駄遣いをしてみませんか

あんず(マルプー、もうすぐ2歳)と過ごしていると世界が違って見えることがある。

あんずは、人が大好きだ。撫でられたり、声をかけられたり、目線を向けられたり。

一つ一つの幸せを大事そうに噛み締める。

散歩のときは、注意深く周囲に目を向けている。いつもと同じ散歩道でも、新しい道を歩いているかのように、新しい出会いに胸を膨らませている。

誰かが、自分の方を向いてくれたら、全力で応えるために。

そんな健気な姿を見ると、向こうから人が来るのがわかったとき、あんずの背中を押してあげたくなる。

現代人は、現実の、目の前にあるコミュニケーションに勝るとも劣らないくらい、画面の向こうに広がるコミュニケーションを大切にするようになった。

そう。街行く人は、それなりの頻度で液晶画面に目をやっている。

足元で、今、この瞬間を噛み締めている生き物がいることに気付かない人がそれなりにいる。
勿論、犬が嫌いな人もいるし、アレルギーの人だっている。あんずが、全ての人に受け入れられないことだってわかる。

ただ、すれ違うその人が、液晶画面から一瞬たりとも目を離さなかったとき、あんずはどこか寂しそうな背中をしている。

あんずは、飼い主の思いも知らず、あったかもしれない出会いではなく、これからの出会いに期待して歩き続ける。あんずが、飼い主の思いを知らないでくれて何よりだ。

忙しい、この時代だからこそ、時々目線の無駄遣いをしてみませんか。

あなたの目線を待ちわびているものたちに、幸せを届けてみませんか。

↓あんずと相「棒」

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