タイムふろしきをかけたら、もとどおりになりますか。

高校時代にお世話になったテニスコーチに言われた言葉で記憶に残っていることがある。

「練習の間があいた時に、前の感覚に戻そうというのはなかなか難しい。元通りにするイメージではなく、0から作り上げていくイメージの方がいい。」

四六時中、部活動に明け暮れている高校生でも、定期試験等でどうしても練習にブランクが生じることがある。

試験明けの練習の時に言われた言葉だ。

前の感覚を取り戻そうとすると、前の感覚(だと自分が思うもの)と今の感覚を比較して、その差にイライラして思うように練習が進まなかったりする。

おそらく、私が感じていたそんなイライラを察した言葉だったんだろうなと思う。

コーチの言葉を思い出したのは、コロナ前の生活に戻れなくてストレスを感じるという旨のネット記事、SNSの投稿等を目にすることが最近増えたからだ。
勿論、私自身もそんなストレスを感じることはある。

部活動とレベルが違うことは承知の上で、それでも、コロナ前の生活を取り戻そうとするのではなく、新しくこれからの生活を0から作り上げていく必要があるのだろうと思う。

過去とは状況の違う今、過去の状況で営まれていた生活を営むことはできない。
今の状況でできる生活を営むしかない。

今を生きるというのは、多分、そういうことだ。

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