ともぞうの性別放浪記 その6
お久しぶりです。ともぞうです。
と、いってもメルマガ読者の皆様には、ご無沙汰しすぎて「誰?」と思われているかもしれませんので、改めて、簡単な自己紹介からさせていただきますね。
名前はともぞうと申します。40代前半のFTMで、今はフリーターをしながら、ボランティアでセクシャルマイノリティの支援活動を行っています。
ともぞうという名前は、言うまでもないですが戸籍上の名前ではありません。本当はこの名前を戸籍上の名前にしようと思っていましたが、色々と制約があり断念しました。戸籍上の名前は生まれた時に付けられた「朋子」から「子」を取って「朋」と言います。
FTM(?)と思われる方も多いと思いますが、『Female to
Male(女性から男性へ)』の略です。わかりやすく言うと、いわゆる性同一性障害の人の中で、女性として生まれて身体的及び社会的な取り扱いを男性にしてもらいたい人、または戸籍上も男性として過ごしている人のことを指します。
とは言っても、私の場合は何も身体的な治療(ホルモン療法・胸の切除など)をしていませんので、社会的には女性として扱われていますし、女性と扱われることについては今のところは自分自身も仕方がないと思っています。
親しい友人などには自分のことを話していますが、会社などには一切カムアウトせずに女性としてずっと仕事をしてきました。最近それが辛くなってきており、この先どうしようかなぁ・・・と思案中でございます。
10年以上前から、性別に何らかの違和感を持っている女性、FTMではないか?と思う方、すでに治療を行っている方、戸籍上の性別変更もすんだ方、を含めた方達を対象にした『FT/MX』という自助グループを月1回開いています。
その経験を生かしつつ、自助グループの立ち上げや運営をサポートする団体を立ち上げようとただいま奮闘中です。
今までのメルマガでは、ざっくりと『LGBT』と呼ばれている人たちの直面する問題を自分の視点で書いて参りました。
今回はLGBTのT=トランスを悩ます問題の一つ、トイレについて書いていきたいと思います。
さて、皆さんはトイレはどちらに入りますか?と聞かれて、どちらもなく男性なら男性用、女性なら女性用に入るよねと思われると思います。
では、皆さんは、私(ともぞう)はどちらのトイレに入ると思いますか?
実は、最近はいわゆる多目的トイレに入ることが多くなってきました。前は女性用に入っていましたが、段々他の人から不審がられることが多くなり、かといって男性用に入るのは私の精神的なハードルが高いので、ついつい多目的トイレに入ってしまうことが多くなり・・・。
では、何も事情を知らなければ女性にしか見えない、戸籍上男性の方が女子トイレに入ってきたらどう思いますか?それでも、戸籍上は男性だから男性トイレを使って欲しいと思いますか?
そのトイレの扱いについて、今裁判が起こっています。原告は男性から女性へと性別移行をしたMTFの方。事情があり、戸籍上の性別を女性にすることが出来ずにいますが、職場では女性として仕事をされています。そんな方が、戸籍上男性だからという理由で、女子トイレの使用を制限される事態になっており、その扱いを不服として訴訟を起こしました。ただ、その方が訴訟を起こしたのは、トイレに関しての問題だけではなく他にも理由があるのですが・・・。
一般的に『LGBT』の直面する問題というと、パートナーシップについてのことがメインになりがちです。ですが、LGBとTは抱える問題が少しずつ違ってきます。
ゲイ・レズビアン・バイセクシャルは性愛の対象が同性、もしくは両性であるからこそ異性愛至上主義のこの社会では困ってしまうのですが、トランスジェンダーの場合、自分の頭の中で理解している性別と、身体的/社会的な性別が違うために自分が理解している性別で生活を行おうとすると、社会との衝突を生じて困ってしまうのです。
ついつい、『LGBT』と当事者もひとくくりにしてしまいますが、困っていることは実は違うんだ、ということを頭の片隅に入れておいていただけるとうれしいです。
最後に宣伝?になりますが・・・
大阪にあるQWRC(http://qwrc.jimdo.com)というLGBTの支援団体が、
『LGBTと医療・福祉』についての冊子を作成しました。
無料でPDFファイルを公開していますので、是非一度目を通していただけたらと思います。
http://qwrc.org/2016iryoufukushicmyk.pdf
次回からは、少しずつ自分のことを話しつつ、自助グループについてもお話出来ればと思います。
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