小樽にやってきた~わたしの祖母の物語②
小樽におちついた祖父は、築港の仕事にかり、はたらく人が方々からあつめられて来ました。
其の人々の中に、野付牛(今の北見)から来た楯身友蔵と云ふ若者がゐました。
友蔵は、野付牛で〇玉と云ふ大きな工場の小分でした。
祖母と母は大ぜいの食事の仕たくをし、弟の武士は床屋に弟子入りをし、妾もすくすくと大きくなり、四才になったある日、突然妾しが見えなくなりました。
家は水産學校の下にありましたので、妾はいつも學校のまわりで遊んで居たのです。
母は食事もノドに通らず、くる日もくる