父が探している~わたしの祖母の物語⑤
妾しが心配な祖母は小樽の家を売り、叔父を呼んで東三丁目に床屋の店を出してそこで暮らす事に成り、妾しが七才になった時、警察から捜索願いが東京の石坂幸益と云ふ人からだと○○でした。
秋田で母と妾しをおいて大學にもどつた父は、母一人子一人の人でした。
卒業して本所、柳島、柳島病院の院長と成った父は妾達をさがしましたが、秋田から北海道にわたり、又、野付牛に来たのでわからなかったのです。
また其の後も度々の話しにも女の人をむかいによこして○祖母は「何も不自由はさしてゐません。學校