波乱の人生の初まり~わたしの祖母の物語④
母の家に付いて妾しの見た物は、母のひざにの上で、乳房をふくんだ小さな子、そしてかたにもたれて不思議そうに妾しを見てゐる男の子、母に逢ったらすがりついて力一はいだきしめてもらへると思った。
妾しのだきつく所はどこにも有りませんでした。
母の家は日の出湯と云って浴場でした。
二階建の大きな家で、二階にわ母の●と(しうと)にあたる祖父母と、先妻の子(母は二度目でした)で利光と云ふ、あまり利効そうでない父の長男が居りました。
妾と祖父は下の六丈間でした。
朝食●がおわると、