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組織デザイン論

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多角化経営における、事業促進のための組織デザイン論
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#事業

“50人の壁”から“大企業病”まで。企業が直面する組織課題を「5段階」に分けて徹底考察する

30人の壁、50人の壁、100人の壁、そして「大企業病」……企業成長に伴い、組織課題は次から次へと現れます。 こうした組織フェーズごとに生じる課題には、ある程度の法則性もあります。 その法則性を解き明かしたのが、ラリー・E・グレイナーが1979年に提唱した、企業の発展段階を示す「5段階企業成長モデル」です。やや古い理論ではありますが、現在でもその有効性は失われておらず、組織デザインの基礎をなす理論の一つとされています。 先日出した記事で、現代企業が直面する厄介な難題、「

事業は増やせど組織は放置、人は多様でも事業は伸びず……現代企業が直面しがちな、厄介な難題について

21世紀の企業が成長・存続していく上で、最重要ファクターの一つである「組織デザイン」。一言でいえば「『分業』と『調整』を設計すること」とも表せるこの営みの可能性と奥深さについて、少し前に解説させていただきました。 ただ、率直に言うと、こんな疑問を抱く方もいらっしゃるかもしれません──「組織デザインなんて面倒なこと、本当にやる必要あるの?」。 外部環境は刻一刻と変化し、たった数ヶ月前の「常識」が「非常識」となることも珍しくありません。 「いくら緻密かつ巧妙に『組織デザイン

「組織デザイン」とはなにか?──21世紀の企業に不可欠な、「分業」と「調整」の設計術

組織崩壊、組織の成長痛、●●人の壁……スタートアップをはじめとする、急速な事業成長に挑む企業から、こうした言葉を耳にすることは珍しくなくなりました。 「事業成長=企業として順風満帆」というわけではないと認識している経営者やビジネスパーソンは、増えてきているのではないでしょうか。そして、こうした組織課題の解決策として、スタートアップなら例えば「1on1」や「カルチャー醸成」、そして「採用広報」などが広まっています。 しかし、組織課題の抜本的な解決策は、未だ十分には普及してい