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#40 人生逃げ場なし
2月14日。石川 洋さん。
「1日1話 読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」より。
石川 洋さん(1930年~2015年)
托鉢者。
托鉢…僧侶(修行僧)が街を無心に歩き
布施(ふせ)(喜捨(きしゃ))したい人が現れれば
ただそれを受け取る修行のこと。
欲しいと言うこと
もらってお礼を言うこともないんだそうです。
昔よく駅前で見かけた気がする。
この人は一体何者?と思ったけれど…なるほど理解。
「人生逃げ場なし」という言葉は、自分を正すために心に刻んできた言葉の一つなんですが、私はそんなに強い人間ではございませんので、逃げたくなる時もある。どこかに逃げ場がないかと追い求めてきた一人の人間でもあります。
こういう風に、弱さを言える人って
それだけで信用できる。
ありのままの自分を受け入れることが
出来ている素晴らしい人って思う。
石川さんは
一燈園の西田天香さんを師匠としていて
修行中に原因不明の病気で体調を崩し
実家で療養中。
そこへ師匠が様子を見に訪ねてきた時のエピソード。
容体を聞かれたときの
お母さまの返答がすごい!
「私の息子は神経衰弱でございます」
と答えたんです。耳を疑いました。
私は神経衰弱などではないのに、どうして母はそんなことを言うのか。
(中略)
私は天香さんが帰られてから母に、「なぜ私を神経衰弱だといったのですか」と聞きました。
しかし、いくら聞いても答えてくれません。
でも、とうとう重い口を開いて言うことには、「私はあなたを産んで、体は育てることができたけれど、心を育てることはできなかった。そのあなたの心を育ててくださっている師匠は私の師匠。そのお師匠の前で、息子は疲れて帰ってきたと言えますか」と。
私は、布団をかぶって涙がかれるくらい泣きました。
悲しい涙でもなけりゃ、辛い涙でもない。母親の心情を思うと、涙がとまらなかったんです。
こうしてまた、修行に戻っていかれる訳ですが
お母さま…かっこいい!!
人生逃げ場なしとはまさに!
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