ケンタッキーダービー2022 所感

海外の馬は当日の状態を見るまでは状況がわかりづらいので前情報で書いてみる。

アメリカでブリーダーズカップクラシックと並ぶ祭典、今年も20頭の大賑わい。
全馬見ていくとレースが終わってしまうので評判馬中心にいこう。

エピセンター
GI勝ちは無いものの、早くからケンタッキーダービー有力馬の一頭に挙げられていた。
前哨戦のGIIも最後斜行で内にモタれたが危なげなく勝利。
チャーチルダウンズでは未勝利戦を勝っただけなのと斜行リスクが懸念点。
新進気鋭の種牡馬ノットディスタイムの現代表産駒。ヤダヤダという馬が血統表にあるのが面白い。
母系のひとつまみのサドラーが効いてれば2000mは問題ないはず。

ゼンダン
リズンスターSではエピセンターとスマイルハッピーにやられたものの、ブルーグラスSでは砂をかぶりながらも直線での強烈なぶつかり合いをものともせずスマイルハッピーを差し切った。
なかなかに強烈なパフォーマンスで、本番でもこれが発揮できれば勝ち負けは間違いないが、キャリアが少ないだけにどこまで信用がおけるか未知数。
ブルーグラスS勝ちがケンタッキーダービーの勝ちに繋がらないのも懸念点。
こちらはエーピーインディ系の気鋭の種牡馬アップスタート産駒。
別系統でのシベリアンエクスプレスのクロスが興味深い。

テイバ
なんとキャリア2戦2勝。
前走では強豪メッシェーを交わしての勝利。3着以下には大差をつけている。
パフォーマンスは派手だったがキャリアが少ないのがどうでるか。
キャンディライド×ジャイアンツコーズウェイのガンランナーにフラッターの肌馬という血統構成は上記2頭の中間のようなイメージ。

モードニゴール
やはり本番と勝ち馬が繋がらないウッドメモリアルステークス馬。
(モー・ドネガルの方がしっくり来るが)名前の通りアンクルモー産駒。
個人的にはエスケンデレヤやヴィーノロッソに比べるとイマイチ凄みに欠ける気がする。
米国にはよくある血統構成とは言え、親父と同じように3歳の早い時期で下降線とならないと良いのだが。

メッシェー
サンタアニアダービーでテイバにかわされた馬。
しかしロバート・B・ルイスステークスでは後続を15馬身離して勝っており評価は高いようだ。
サンタアニアダービーでも3着には10馬身差つけており、かわされはしたものの調子や展開次第では逆転もあり得ると思う。

ホワイトアバリオ
フロリダダービー馬。
直線に入る前から仕掛けてそのまま振り切ったのはなかなかに力強く、評価したい。ニックスゴーの後を継ぐ大物芦毛になれるか。
2代前まで2000年代の馬で結構フレッシュな血統だが、日本ではメジャーな血がほとんど無いし種牡馬として導入しても良いのではないか。

チャージイット
そのホワイトアバリオを最後まで追い詰めた馬。
最後なかなか良い脚を見せたが一歩及ばず。
ホワイトアバリオが本物であればこの馬にもチャンスはあるはずだが、マイルあたりが適距離な気がしないでもない。

サイバーナイフ
勝ち上がりに苦労したようだが、徐々に本格化してきたのかアーカンソーダービーをなかなかのパフォーマンスで勝った。
相手関係の問題か、いまいち高く評価はされていないようだが。
父ガンランナーだが母系がなかなか面白い。
フラワーアレーとか昔いたなそんな馬って感じ。

シンプリフィケーション
フロリダダービーではWアバリオとチャージイットに遅れを取ったが、早め抜け出し粘りきってさほど差がないし、重賞ではホワイトアバリオにしか敗れていないあたり地力はありそう。
エピセンターと同じくノットディスタイム×キャンディライド肌という配合。
母系がエピセンターよりはアメリカ的。

スマイルハッピー
2歳時のケンタッキージョッキークラブ(GII)ではクラシックコーズウェイとホワイトアバリオに相手に完勝しているが、前走・前前走ではエピセンターとゼンダンにしてやられている。
といってもきっちり2着は確保しているので早枯れというわけでもなさそうだ。
父ランハッピーはマリアズモン系でアンブライドルドとノーザンダンサーの一風変わった系統を持っている。この馬の母系もプレザントタップ、リローンチ、グロースタークと渋い系統を重ねている。

サマーイズトゥモロー
今回唯一のUAEの馬だが生産国はアメリカらしい。
UAEダービーではクラウンプライドの2着に来ている。
どう評価して良いのか微妙なところだが、勝ち負けに持っていけるほどの地力があるかというと?
日本でも流行らせようとしているウォーフロント系で父はアメリカの裏街道で善戦マンをやっていた。欧州の芝とかでもそこそこ走りそうな血統。

クラウンプライド
今回唯一の日本馬。
UAEダービーで余裕のパフォーマンスを見せつけて勝ったので自信をつけての参戦というところだが、今回はまるで相手が違うのでどうなるのやら。
2016年のラニと似たようなコースを辿っているが、ヘヴンリーロマンス産駒とはいえほとんど海外血統だったラニと違って本馬はかなり日本馬の血が入っている。
親父は大一番で弱かったけど母父シアトルスルー譲りのダート適性があったのかもしれないし、他にも米国で競走馬・繁殖馬として活躍している馬が血統中にゴロゴロいるので適正がまるで無いということは考えづらい。
個人的にはベルモントステークスの方が向いてそうな気がするが。

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