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軽トラで全国を駆け巡り、地下水と人との距離を伝える「西田方式水脈探し」西田稔さん

こんにちは! 感じるサロンPramana(プラマーナ)です。感じるサロンが敬意を込めて注目する、唯一無二の人をご紹介していきたいと思います。

西田 稔さんと出会ったのは2021年秋のこと。当時私は浄水器メーカーの会員誌を制作するため、「水」関連の仕事をするさまざまな方にアプローチしていました。ある時友人が、Facebookで井戸掘りイベントを紹介していたので連絡すると、とにかく面白いから取材に来いと。そこにいらしたのが、西田さんでした。

左が「西田方式水脈探し」の西田さん、真ん中は「いのちの地下水をつむぐ会」の石井さん、右はお二人を紹介してくれた深堀さん。2021年秋、福岡県大刀洗町にて

西田さんは10代の頃からトンネル工事の世界に入った、生粋のトンネルマン。今は引退なさっていますが、現役時代は数々の工事に携わり、全国を渡り歩いてこられました。

トンネル工事で掘削を進めると、軟弱な地層や硬い岩盤、破砕帯(はさいたい:断層などに伴い岩石が破壊された帯状の部分)のほか、大量の湧水帯(層)にもぶつかるそうです。硬い岩盤は、熟練の坑夫さんの技術とダイナマイト量で解決できるらしいのですが、最大の難敵は「水」なんだとか。

「その湧水が破砕帯と共にあると、難儀の極みとなり、トンネルマンの真価が問われます。私たちにとって、水こそが相手です」

水は地下で、縦横無尽に走っているそうです。災害時のニュースなどで避難所で水の配給に行列ができているのを見るたび、皆さんが並んでいるその下に水があるのに…と、もどかしく感じるとおっしゃいます。

そんな西田さんご自身も、2011年3月の東日本大震災で被災。それまで福島県でトンネル工事会社などを経営されていましたが、家族を隣の山形県へ避難させ、しばらく福島に留まった後、現在は家族と一緒に山形でお暮らしです。

山形の人たちが、福島からの避難者を温かく迎え入れてくれたことが、涙が出るほど有り難かったとおっしゃいます。恩返しをしたいと考えていた時、除雪で苦労している高齢者が多いのを知ったそう。

「幸い私には、簡単な道具で井戸を掘る知識があります。自宅に井戸があれば、散水ホースを使って屋根から水を流し、融雪できます。地下水は年間を通して水温が安定しているし、水道代もかかりません」

それからホームセンターで鉄パイプなど必要な部材を揃え、溶接してシンプルな道具を作成。井戸掘りとそのやり方を教える活動を、ボランティアで開始しました。「西田方式水脈探し」と名づけたその活動をNHK山形放送局が取材、東北6県で放送されました。

西田さんが支えているのがお手製のパイプハンマー。これで地中に鉄パイプを打ちます。仕事で鉄材を扱う屈強な男性陣も注目。2022年夏、福岡県大牟田市にて

この西田さんの活動に、福岡で水環境事業を行う石井清輝さん(「自分で体軸を整える健康体操」の方)が共感して、「いのちの地下水をつむぐ会」が誕生しました。すぐに数人のメンバーが集まって、「西田方式水脈探し」を福岡県内8カ所で実施。全て成功し、ある所では地下21.2mまでの施工を、2日程でやり遂げたそうです。

「地球は水の惑星と言われるように、海や川だけでなく地下にも広大な水脈と保水層が存在します。私たちは水の上に立っているのです」
くーっ! 格好良くないですか? 

「西田方式水脈探し」最年少スタッフの豊くんと

活動は水が浸透するように全国へ広がり続けています。「西田さーん」とお呼びがかかれば、全国ほぼどこへでも最強の軽トラで参上。ちなみに今年の遠征先は…

軽井沢(西田さんのFacebookより)
佐渡島(西田さんのFacebookより)
四国、徳島(西田さんのFacebookより)

福岡へも山形から軽トラで、途中いろいろな地域で水脈探しを伝えながら、来られます。そのパワフルさには本当に脱帽、そして尊敬します。

山形の雪の季節以外はフル稼働なさっているので、もしお近くで「西田方式水脈探し」の開催があったらお見逃しなく! 石井さんの「いのちの地下水をつむぐ会」でも「西田方式水脈探し」を随時行っているので、ピンときたらお問合せください。

今後ますます知られていく方であり、活動だと思います。西田さんも「若い人の力で全国へ広がることを願います」とおっしゃっています。ぜひご注目ください。

西田さんの相当ヤンチャだったらしい(笑)若い頃のお話を聞くのも楽しいですよ!  トンネル工事で大きな事故や、大切な仲間を幾人も亡くされたご経験も…。水脈探しのイベントと絡めて、お話を聞く会もできるといいなと思っています。

真ん中が西田さん。2022年夏、石井家にて

@inochinochikasui
https://www.facebook.com/inochinochikasui

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