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私は『僕たちの嘘と真実』の感想が書けない

先日、欅坂46のドキュメンタリー映画「僕たちの嘘と真実」が公開された。私は映画の公開日から3日後に行く予定だったのでSNSでネタバレされないように気をつけつつも雑誌等である程度欅坂46の現状を情報収集し理解した上で映画館に行った。事前に情報収集をした理由としては、現時点のメンバーたち自身の心境を知ってからこの映画を観たかったからである。欅坂46は7月にオンライン配信のライブにて改名することを発表した。私はそのライブを見る前からファンの噂で改名するのではという声を耳にしていた。また配信ライブ当日にメンバーたちが一斉に意味深なブログをあげたことからもなんとなく察していた。いざ改名発表を菅井友香の口から聴くと頭の中が真っ白になった。ライブ後数日は虚無感に襲われた。今も虚無感が全くないかと言ったら嘘になる。この虚無感が残る中、映画館へと向かった。映画が始まる前から観終わったら即座に感想を書きたいという理由から内容を隅々まで詳細に覚えてなければとソワソワしていた。(ある程度辛い内容であることは覚悟していた)しかし始まってみると、映し出される映像が予想以上に辛く、目を背けたくなるほどの内容で冒頭の東京ドーム公演の舞台裏の映像の平手さんの姿が私には同じ人間とは思えなかった。上映中はメンバーのインタビューシーンを除きライブ映像が流れる度に涙を流していたので正直あまり記憶がない。他のファンの人の感想を見れば映像と内容は思い出せるので全く覚えていないわけではない。私も他のファンの方のように感想を書いてみたいと思い書き始めたが、どう書いたら良いか全く分からなかった。私は最初自分の語彙力がないから書けないのだと思っていた。確かに私は普段から語彙力はない。しかし何か文章を書こうと思った時にここまで言葉が纏まらず、言葉に詰まる経験はなかった。そして、私はある結論に至る。私は他のファンの方より欅のことをよく知らず、たった一本のこの映画を観ただけで語れることは何もないという結論に至ったのだ。私は2016年の夏、『世界には愛しかない』を初めて聴いて徳誰を知り、そこから欅のファンになった。それ以来有明コロシアムのライブから東京ドームのライブまで各ツアーや各アニラには最低でも1公演ずつは参戦した。どのライブも他のアイドルグループとは違うアーティスト性とクオリティの高さがあり、毎度圧倒され驚かされた。しかし私は時に平手さんを批評したりした。平手さんが私情を理由にライブに出たり出なかったりという行動が当時の私には理解できなかった。確かにライブパフォーマンスを見れば平手さんがどれだけ高いポテンシャルを持っているのかは分かる。欅はアイドルというジャンルの中では異彩を放っている。その欅の中でも平手さんが一味も二味も違うことも分かっていた。しかしそれでも私情を理由にライブを休む理由が当時の私には理解出来ず批評してしまったのである。この平手さんを批評してしまったという後ろめたさが原因で上映中は、未熟な自分のSNS上での発言を悔いる気持ちと申し訳なさとで胸がいっぱいになり、涙が止まらなかったのだと思う。過去に失言をしてしまった以上、この映画を観て私が書ける感想などないという結論に自分の中で至った。書く権利がないという言い方のほうが正しいかもしれない。いつかしっかりとこの映画について語れるその日まで私は聞き手に徹しようと思う。


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