見出し画像

選択はあなた次第です

自分が見返すためにも何年か前から店のことをnoteにまとめていこうかと考えてアカウントを作ったものの結局手をつけずにいたのですが、CIYオフィシャルLINEアカウント開設をしたタイミングで友達追加していただいた方々へ向けてCIYをより知ったり楽しんでもらえることを書いていけたらと思って重い腰を上げました。

自分たちなりの理念というのかこだわりというのか、CIYはこれまで情報発信を最小限の量でお伝えするようにしてきましたが、ここでは例えば空間作りだったり、スタッフのことだったり、CIYのことをもう少し掘り下げた内容を発信していきたいと考えています。

ここ数年、ご来店くださるお客様の年齢層が若くなっていることもあり、現在のCIYしか知らないという方がとても増えました。なので今回は今までのCIYを振り返ってみたいと思います。

先月末に11周年を迎えたCIY。当初、店名はApartment(アパルトメント)、場所は菜園の裏路地、さらには狭小物件でのスタートでした。

画像1

画像2

数少ない当時の写真をかき集めて見返すと服屋というには混沌としすぎていることに自分でもびっくり、こんなニッチな品揃えで良く店続いてるわって感じです。。。

今のCIYしか知らないお客様にとって、店名が Apartment から変更して CIY に至っていることは驚きかもしれません。2014年のとある日、一通の物々しい書類が届きます。差出人はジャ○ナルスタンダ○ドなどを運営する大手アパレル会社の代理人でした。恐る恐る封を開けるとそこには「我々の運営するショップ○○○と店名が類似するため○月○日までに店名を変更しなければ裁判を起こす」というものでした。あまりに急な訴えに狼狽えはしましたが、同時に"類似(まったく一緒の店名ではない)"という曖昧かつ理不尽な要求に憤りを覚えさっそく代理人に電話で連絡したものの「戦いたいならそっちも法的に代理人をつけないと話はできない」と一蹴されました。知人の紹介で弁護士さんの無料相談にも行ったのですが「岩手で前例のない事案で調べると無料相談の限られた時間では難しい。費用がかかってしまう。」と全ての道を断たれこちらが折れる形で店名の変更を余儀なくされました。

20代の時、自分はその会社の運営する店で働いていたことがありました。その会社にまさか自分の店が訴えられるとは、逆「飼い犬に噛まれる」状態。

一時はかなり落胆したものの落胆もいくところまでいくと一周回って楽しくなってきてえらく前向きに新たな店名候補を考え初めました。迫り来る期限までに店名候補をリストアップしたのですが決め手にかけて難航。投げ出しそうなタイミングで降ってきた言葉が "The Choice is Yours"でした。

自分が90年代に聴いていたヒップホップグループ Black SHeep の代表曲名でそれがなぜだか急にふと降ってきました。

「選択はあなた次第」という意味なのですが、「あ、これ訴えてきたあいつらに向けてうってつけの言葉じゃん」ってテンションが上がったことを今でも覚えています。お金がなくて勝負できなくても違う方法でやっつけてやった感が味わえたらもうそれで良し。ビーフっす、ビーフ。

ちょうど店名変更のタイミングで写真家 横田大輔くんと滝沢宏くんの展示を企画していて、それに合わせてZINEを作る予定だったので彼らにお願いしてZINEのタイトルを新店名 "CIY" にして来てくれたお客様に初お披露目。

画像3

東京から岩手の道中と盛岡周辺で彼らが撮影した写真をコンビニで大量にプリントして夜中までお客様も巻き込んで手作業で本にしたのはとても良い思い出です。

そんなこんなで怨念たっぷりのネーミングですが、ファッションにおいても自分たちはトレンドにいつも疑問を感じていて、皆んな一緒じゃつまらない、同じ服でも着る人が変われば違って見える、それこそファッションの醍醐味だと思っています。そういう意味でも「選択はあなた次第」という言葉が店名としてもCIYのスローガンとしてもうってつけで今ではこの名前になって良かったと思っています。

これまでのCIYを書く上で移転も大きなターニングポイントなのですが店名の件だけで長くなってしまったので移転の話はまた今度書きます。

改めて11周年を迎えたCIYを今後ともよろしくお願いいたします!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?