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夢の職業 06.それをヨイトマケっていう言うんですか。


ここ数年、「好きなことを仕事にしよう、好きなことで生きていこう」って風潮がすごいですね。

生活をしていくための手段から、生きる目的として仕事を捉えるようになってきたのかなと思っていますが。そんないま、みなさんはどうやって職業を選びましたか?いまとは全く違った時代に生きたVi男子のみなさんは、いったいどんな風に職業を選んだのか。それからもし戻れるとしたら、なりたい職業について聞いてみました。これからを考えるひとの参考になれば嬉しいです。全6回よろしくお願いします。

MONOGATARI KAIGI @DAIKON no KAI
#28GIJIROKU

モノガタリテラー 
だいこんの会 
永遠のギタリスト ナギー(75歳)
ガチな美術マスター 上さま(85歳)
江戸っ子オーガナイザー かとちゃん(78歳)
言葉のファンタジスタ スーさん(80歳) 
精巧な折り紙職人 ぐっさん(77歳)

ナビゲーター
アトリエクロック
いまちゃん(36歳)
さそんさん(仮45歳)

・ ・ ・

06 
それをヨイトマケっていう言うんですか。



いまちゃん
さあ、ちょっと話題を戻しまして(笑)。

上さま
ニコヨンってさ、

スーさん
254円。失業対策で国が雇って道路やなんや工事するのに、職のない人たちは行くわけね。職業安定所からニコヨンに。

ナギー
いわゆる日雇いでしょ?

かとちゃん
日雇いですよね。要するに1日いくらで雇うっていう。

スーさん
最低保証金額があって。

ぐっさん
美輪明宏が唄った「ヨイトマケの唄」ってあるでしょ?あれがそうですよ、ニコヨンの。

スーさん
ああそうそう。だけど、美輪明宏さんのあれは女のひとの唄だから。 女の辛い仕事を唄った歌なんだよ。

いまちゃん
へえ〜。

スーさん
あれ、どこでもいいわけじゃないんですよ。「戦前ここに井戸があった」とかいう、下に水があるようなところ行ってやるんですよ。細い櫓があってね、鉄砲の頭みたいな重いやつを上にギューっと挙げて、パっと落とす、ストーンっと!それを「よいとまぁけ」つって掛け声かけて、巻くわけね。

上さま
それは戦争中からやってたよ。

スーさん
あれヨイトマケって戦争中もあったの?

上さま
昔っからあった。むしろさ、江戸時代からの習慣じゃないの。

スーさん
そんな昔からあったの?

上さま
ぼくもねぇ、この辺のどこだか覚えてないけど、例えば家を建てるのに下を固める時とか、あるいは井戸を掘る時とかにね、みんな女のひとが樫の着物着て円になるんだよね。でぇ、赤い柱っていうか滑車が上に付いてるのを立ててね、重りでドンドンってやってるの見たよ。どこ行っても「エ〜ンヤコラッ!」ってね、あっちこっちでやってた。あれ、風物詩的になるんだよね。

ぐっさん
あれは基礎を造るためにやるわけでしょ?

かとちゃん
ようするに地面を固める、石かなんか敷いて。固めるために丸い物を持ち上げてドンっと落とす。それをヨイトマケって言うんですよ。

いまちゃん
それをヨイトマケっていう風に言うんですか。

上さま
それでいま考えると、「エーンヤコラッ!」って掛け声が唄になってたんだねぇ。あの習慣は明治、江戸に遡ってあるんじゃないかな。

スーさん
それは兵隊で男が何百万か死んじゃうわけだよ、だから女の人が残される。でぇ、女の人たちが食べていくために色んなことやったけど、如何わしい事以外はそれしかなかったの。だから、いっぱいやってるひとが居たんだよね。裾をヒュっとやってさ、裾は赤い、それを裳裾って言うんだよ。

かとちゃん
よく仕事唄ってあるでしょ、仕事しながら歌唄う、それと同じ。それが「ヨイトマケ」んになったり、「エンヤコラッドッコイショ」とかの掛け声になったり!そういうことだと思う。

上さま
掛け声、それが唄なったんだなぁと思うと、ねぇ、しみじみね。

かとちゃん
多分黙ってやるよりかも、掛け声あげながらやると力が湧いてくるでしょ!

ぐっさん
結局みんなで息を合わせるでしょ。全体の呼吸を合わせないと、上手くいかないから。

いまちゃん
「いっせーのせっ!」みたいな。

ぐっさん
そうそうそう。

上さま
昭和20年代はやっぱり力仕事が一番お金になったのかなぁ。
 
いまちゃん
最初の方にナギーさんから、どんどん仕事が機械化されていって、仕事がなくなっちゃうんじゃないかって話もありましたが、その辺りはどうですか?

スーさん
人口が減るからいいんじゃない?

ナギー
だから生まれ変わったらバスの運転手になろうと思っても、その頃にはバスの運転はもう無人でなかったりね(笑)。

スーさん
無人は早くくるねぇ、きっと。

ナギー
そうそうそう。

上さま
みんなやることなくなっちゃうよね。

いまちゃん
洗濯とかも洗濯機があって、掃除もルンバがやってくれますからね。

ナギー
家事もどんどん家電がやってくれちゃってね、ご飯だってチンすればなんでも食べられる。

かとちゃん
お茶碗もセットすれば洗ってくれるしね。

スーさん
昔のスピードより進化が早いよね、全然。

ナギー
早いですねぇ。

スーさん
ねぇ、ラジオからテレビに移った、あんなスピードじゃないよね。スマホだって分かんないことばっかりだもん。どうして変な音が出ちゃうんだか(笑)。ひとりだからいいもんだけど、Youtubeなんか見てるとさ「ガーガーガー」って、いうのが直せないんだよねぇ(笑)。

これからどんな職業が流行るかってのは、テーマとして残るよね。

いまちゃん
うーん。

スーさん
以外にさ、手相見るとか、そういうのが残ってたりしてね。

ナギー
手相なんて一番なくなっちゃうんじゃないですか、データ分析で全部できるんだから。

スーさん
あれデータかぁ。

いまちゃん
守護霊とかは分からないかもしれないですけどね(笑)。

スーさん
だけどさぁ、空想する部分があるからね。
まあでも将棋も囲碁もね、機械が強くなってね、ダメだもんね。

上さま
銀行がいまどんどん機械化されてひとが余ってきて、縮小傾向にあるじゃない。ぼくは区役所はあんまり知らないけど、住民サービスってのは増えてくかもね。

ナギー
でも、住民サービスもいま頃変わってますよねぇ。いままでは何でも役所のほうに頼みゃいいって言ったけど、最近は大きな災害になると「役所は手え出せませんよ、みなさんがどうやるかってことを考えて下さい」って、だんだん手ぇ放しちゃってきてるからね。

スーさん
これ(お金)だからね。予算で絞られちゃうからね。

上さま
ぼくは逆に予算がいっぱいあるとこばっかり行ってたから、それを反対の立場で考えると、

スーさん
だって都庁一番緩いんだもん、自分がお金持っちゃってるから(笑)。

ナギー
一番お金持ちは分かるけど、緩いかは(笑)。

スーさん
だって、埋め立てた土地の分は無条件で都のお金ですよ。ゴミを入れて金とってね、できた土地が東京都の土地で。

ナギー
でも江東区になっちゃったじゃない。

スーさん
とられちゃった(笑)。

ナギー
大田区はこんなちょこっとで(笑)。

スーさん
大田区広いもんね、江東区あたりはやっぱり可哀想だよ。大田区がこんなのうのうとしてられるのは、埋め立てのお陰ですよ。

ナギー
「羽田があるから、それと中小企業があるから」って言ってましたね。だけど「羽田ほとんど都にいっちゃう」とかって言ってましたね。

スーさん
(笑)

いまちゃん
職業の話は幅がありますね、ちょっとテーマを絞ってお話してもらった方が良かったですね。

上さま
そうそうそう幅が広いですよね、公務員だって幅が広すぎて簡単にね。

スーさん
公務員は全ての職業見てるわけだから、それだけの専門家が居るってことだよ。

スーさん
こんど自分の職業をさ、みんな書いてみたら。

ナギー
まず一番考えるのは、いかに労力使わずにお金が入ってくるかと。

一同
(笑)

ナギー
そういう職業が救いですよ(笑)。

スーさん
いやいやそうじゃなくて、いままでの自分の職業を書いてみて、そして、次生まれ変わるとしたらこんなことしたいって。

ナギー
サンプルちょっと書いてきて下さいよ(笑)。

スーさん
おれか!だってさあ、盛っちゃうからね!面白くしようと思っちゃうんだよね、修正して(笑)。

ナギー
そういうとこ盛れないひとも居るんですよ、なかなか(笑)。

スーさん
あれやってると面白くなるんだよね、どんどん盛っちゃって違うとこ行っちゃうんだよな(笑)。

ナギー
盛った上にまた想像するから、土台と全然違っちゃうってね。

スーさん
酷いのは名前が変わるひと居るんだよね。前にさ「原稿読んでくれ」つって読んでたら、途中から「なんだこれ、わけ分かんねぇ」って思ってたら、「ああ、名前変わってたぁ」って(笑)。

いまちゃん
ざっくばらんにお話頂いて、職業に絡めて昔の戦争のお話なんかも聞かせて頂いてですね、「ああそうだったんだなぁ」って感じることもありました。

上さま
みんな関連して話してるから、当然関連してくるんだよ。

いまちゃん
すごく勉強になりました。お時間もいいとこですので一旦ここで切ります。ありがとうございました!

・ ・ ・

2019-10-08-TEU
(おしまいです)

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