見出し画像

80歳のきもち「唄いたい弾きたい踊りたい」(後編)

" No Music No Life "とはよく言ったものです。音楽ってなんでこんなに、ひとを惹きつけて魅了するんでしょう。カラオケ、演奏、踊りの音楽ネタ談義です。とにかく、「唄いたい、弾きたい、踊りたい」気持ちを熱く語って頂きました(笑)。前編・後編ともよろしくおねがいします。

MONOGATARI KAIGI @DAIKON no KAI
#35GIJIROKU

ストーリーテラー

永遠のギタリスト ナギー(75歳)
ガチな美術マスター 上さま(85歳)
江戸っ子オーガナイザー かとちゃん(78歳)
言葉のファンタジスタ スーさん(80歳) 
精巧な折り紙職人 ぐっさん(77歳)  

ナビゲーター
いまちゃん(36歳)
さそんさん(45歳)

とくに徳島の阿波踊りは、日本の代表的ないい踊りじゃないかなぁと思うじゃない。 



かとちゃん 
盆踊りもいろんな曲があるでしょ、炭坑節はベタだけど。

ぐっさん 
炭坑節だよねぇ〜。

ナギー 
そういう踊りだとね、ゆうゆうクラブ行けば、おばちゃんたちが踊ってるから、「ちょっと仲間入れてくれ」って言えばね、すぐ入れてくれますよ!

上さま 
炭坑節なんかさ、やったってさ、踊る気しないよぉ!

一同 
(大爆笑)

上さま 
「押して〜押して〜、チョチョンがチョン」なんてってのはさぁ。

かとちゃん 
それ以外もやってるから!

スーさん 
上さまはどういう踊りがやりたいの?

上さま 
沖縄の「ペンペン」って、あの雰囲気も好きなんだけども、やっぱし四国のヨサコイ。

かとちゃん
阿波踊りだ。

スーさん 
東京音頭じゃだめなんだ。

上さま 
踊ってみたいなって、みなさんそう思わない?

スーさん ナギー 
思わない(笑)。

上さま 
ああ、思わないかあ・・・・(笑)。

ぐっさん 
なんか夏んなると、御嶽山とこでも阿波踊りのなんかやるじゃない?こないだ看板出てたよ。

上さま 
ああやってた、やるよ。蓮がひとつ来るんだよ。「やってみな」つって、やったけどね、全然さぁ、ちょっとやるだけでさぁ、やったうちに入らない、あれ。

一同 
(大爆笑)

スーさん 
少しワガママなだけよ(笑)。

上さま
ワガママっていうかさ、やるんなら中途半端に年に1回行って30分やるんじゃなくてさ、ちゃんとやりたいよね。

スーさん 
沖縄の例のやつやりたいんでしょ?でも、とっても激しいよね、沖縄のは?

ぐっさん 
沖縄ひとは家族が集まると自然発生的にみんな踊るんでしょ、三味線弾いて。行くとみんなやってるじゃない。

スーさん 
そこにもちゃんとした決まりがあるんじゃないの?

ぐっさん 
ないんじゃないのかなぁ、誰でも入ってってやればいいんじゃないの。

上さま 
あのリズムは「いいなぁ」と思う、踊りたくなるリズムだよね。たとえばワルツなり、スローなりかかるとと踊りたくなるともんね。だからそれと同しように、あれはいいなぁと。

かとちゃん 
たぶんそういうサークルあると思うよ。

ぐっさん
上さまダンスやるから、踊りにすごく興味があるんだね。

いまちゃん 
さそんさん、サークルないんですか?

さそん 
ありますよ、こういうのに載っかってるんじゃないかな?いくつか。

上さま 
いやぁ、実はこの前ダンスの会に行ったけど、座ってやるんだもん。そういうの行ってもなぁ・・・・。

いまちゃん 
ああ、座ってやるんですか?

スーさん 
体悪いひとも?

上さま 
体悪いひとも入れるための、ダンスの会なんだよ。

さそん 
ああ、あれだ、フラダンスやってますよね。

上さま 
社交ダンスもやってるよ。

スーさん 
年寄りのフラダンスなんて誰も見ないよね(笑)。

ナギー 
やってればいいじゃない、自分たちが楽しみでやってんだから(笑)。

スーさん 
もうすっごい、シワシワのやつが出てきてさ(笑)。
いいか!それはそれでいいか!

ナギー 
ひとに見せるんじゃなくて、自分のために踊ってるだけなんだから。

スーさん 
鏡のとこくるとゾッとするよ。「あ、いっけねぇ!」なんて(笑)。

上さま 
まあ、でも、それはそれで、踊りたい気持ちんなるくらい、日本の民謡っていいなぁと思う。とくに徳島の阿波踊りは、日本の代表的ないい踊りじゃないかなぁと思うじゃない。 

ギターじゃ民謡はやらないですよね?民謡はギターで、できるんですか?

ナギー 
編曲して自分で弾くのはありますよ、踊りはついてこれないですけどね。

スーさん 
「オレェ!」なんてやってるの、あれもギターでしょ?

ナギー 
あれはフラメンコギターって、またちょっと違うんです。

スーさん 
あ、フラメンコね。おれスペイン行ったとき友達にさ、フラメンコ観たいつったら、「スーさんそれは勘弁してよ!フラメンコなんてとってもじゃないけど、おれ我慢できないよぉ」って。3時間くらい掛かるもんね、お金払ってね。おれ「残念だなぁ」って思って。

上さま 
観てるのが我慢できないっての?

スーさん 
そう。我慢できないから、代わりに「闘牛観たい」っつうんで「あんな残酷なもん観たくねえよぉ、バカヤロー!」つって(笑)。

上さま 
ようするに、ふたりで行って、気が合わなかったわけね(笑)。

ナギー 
東京でもやってますよ、フラメンコは!

スーさん 
別に・・・・フラメンコ、忘れて下さい!

一同 
(大爆笑)

ナギー 
そこの場所、本場行って観たいわけね!

スーさん 
あれはスペイン独特なものだもんねぇ。でぇ、笑っちゃうのがね、もう40年も50年も前の話だけど、サクラダファミリアの存在知らなかったの。だからその現場行ってないの、安いホテルにダラダラ泊まってたのに(笑)。

ぐっさん 
もうその当時、工事やってたんだもんね。

上さま 
イタリア、ミラノのあれだって、700年掛かったってんだもんね。だからむこうの工事ってさ、よっぽど気が長いんだねぇ〜。

スーさん 
そうですねぇー、何代にも渡ってね!

上さま
その代わり簡単につくれない、すごいものができるけど。サクラダファミリアってすごいじゃない。日本人もかなり参加してるよね。

ぐっさん 
らしいね。

スーさん 
あれ、棟梁は日本人だもんね。

いまちゃん 
ああそうなんですね!

スーさん
「サクラダファミリアなんて、こんなところあったんだ」って帰ってきてから、分かってさぁ・・・・。

いまちゃん 
海外は、けっこうみなさん行かれたことあるんですか?

スーさん 
わたしは仕事中はけっこう行ったよ。

コマーシャルっていうのはさ、夏オンエアするやつは南で撮ってきててさ、だから半球またぐ仕事ってたくさんあったの、特にテレビは。

でぇ、わたしのチームじゃないけど、オーストラリアから帰ってくるときにね、自分たちだけだから脅かしてやろうつってね、スタイリストからタイツ借りて首をキュッてやって脅かしたんだって(笑)、同じチームのやつを。

そしたら「ギャアっ!」つってね、ほっんとに緊急無線かなんか飛んじゃったりして、途中、予定外のとこに降りる寸前までいったっていう(笑)。

会社戻ってきて、怒られて酷かったよねぇ。「この何名は・・・・」なんて紙貼り出されてさ、以後、ロケは必ずこういうことがないようにっておふれが出て。ボーナスも一回分なかったんじゃないかなぁ、可哀想に(笑)。

ぐっさん 
始末書書かなきゃ(笑)。

上さま 
海外行くのもさ、プライベートで行くのと仕事で行くのと、ちょっと全然違うよね。

スーさん 
年の1、2回は家内が怒りだすからね、わたしだけ遊んでると。

上さま
じゃあプライベートで奥さんと行くわけ?

スーさん 
そりゃあ行きましたけど。

上さま 
じゃあ奥さんも楽しい思いさしてあげたんだ。

スーさん 
すいません、ユルい話をしまして(笑)。

上さま 
でも奥さんが「行きたい」って言って行くんじゃ、いい生活じゃないですか。

スーさん 
家内はね、料理が好きでフランス大使館の奥さんと仲良くなって、すっかりあっちのファンになっちゃって。

上さま 
ああ、なんかフランス料理が上手だって言ってじゃない。

スーさん 
だけどねぇ、料理家の亭主なんて酷いもんなんだよね。失敗したやつ食わされるんだよ!「これは材料がいい」とかさ、「バターをこんだけ使ったんだから食べろ」たって、「おまえこれビスケットじゃなねえか!?ケーキつって言わなかった?さっき、これビスケットでしょ!」つったら、「味は同じなんだから、噛んでれば!」って。そういうもんじゃないもんね!噛んでりゃ同じだって、違うよー(笑)。

上さま 
菅井さんも楽しかったんだ、奥さんにいろいろ作ってもらって(笑)。

・ ・ ・

あの響きがいいんじゃない、ギターって!哀愁があって!



いまちゃん 
カラオケの話からだいぶ飛んできましたね(笑)!

上さま 
カラオケと音楽とは関係が深いから。いやさ、カラオケをやるときさ、彼に(ナギー)リードしてもらおうなんて話を居ないときにしたんだよ。

いまちゃん 
ああそうですね、たしかに。

上さま
ぼくはね、いまから30、40年かな、カラオケができるに前さ、カラオケと同じ雰囲気でギターで弾いてくれて、それに合わせて唄ってさ。こっちが間違って唄ってもちゃんとギター合わせてくれたりしてさ。

ぐっさん 
ああ流しのひとね。

上さま
その道のプロのひとだったよ。

スーさん 
流しって600曲覚えてるとできるってね。

上さま 
それがカラオケの始まりかなぁと思うけど、ギターで上手にリードしてくれて、流行歌っていうかラジオ歌謡的なものを唄った覚えがあるけどね。

ナギー
当時フォークソングが流行ってって、コード進行だけでギター弾いて歌唄えてたんですよ。だからそういうリードの仕方はありますよね。でも、それまたべっこの弾き方になるわけ。

スーさん 
キーは唄いたいひとに合わせるってすぐできるの?

ナギー 
それはカポタストってのがあって、それを動かすことによっていくらでもできるわけ。

スーさん 
いくらでもできるの!?コードは同じなの?

ナギー 
そう同じです。

上さま 
音程のこと?うまく合わせてくれるもんね。

スーさん 
あれ不思議な技術だね、音楽ってのはね。

上さま 
勤め先、朝日新聞社すぐそばだったから、朝日新聞の友達のとこいつも行ってたんだけど、うまぁくみんなリードしてくれて唄ったよ。ピアノよかいいね、ギターでリードしてもらうの!

スーさん 
ギターの方が弾きがながら、下手なひとに次の歌詞教えてくれたりする(笑)。

かとちゃん 
あの響きがいいじゃない、ギターって!哀愁があって!

スーさん 
そうね、けっきょく生音っていいんだよね。テレビやレコードのギターの音に比べて生の音ってすごくいいよね!

かとちゃん 
いいですよ!

上さま 
だからスーさんのしゃがれ声もさ、上手くリードしてくれると思うよ。

一同 
(笑)

スーさん 
コンサートやりますかぁ〜(笑)?

一同 
(笑)

スーさん 
ここのひとしか来てくんない(笑)、5人。

上さま
でもカラオケ的な流しで、はば広く弾くってのは難しくないの?

ナギー 
簡単に言えば和音3つか4つか覚えてりゃできるんですよ、あとはリズムですからね。

でぇ、クラシックギターっていうのは弾く指が4本あるわけでしょ、4本の音を弾いていくわけですから、それはもう全部楽譜がないとできないとかね、なってくるわけですよ。

上さま 
クラシックをやってるわけでしょ?

ナギー 
そうです。

上さま 
じゃあずいぶん高尚なんだよね。流行歌、歌謡曲とは違うんだよ、やっぱし。

ナギー 
高尚っていうか分かんないけど。

スーさん 
一番最初クラシックギターが流行ったからね。

上さま
でもぼく、あるガールフレンドの発表会があるつってさ、ブレストンだっけかな、どっかで発表したとき行ったけど、地味だね〜クラシックギターってのは。ふつうの演奏会と違ってね、やっと聞こえるような音でねぇ。

ナギー
そうそうそうそう、派手さはないよね。

上さま 
そこに味がね、あるんだけどさぁ。

スーさん
ご飯なんで食べてたの?

ナギー 
箸と茶碗で食べた。

一同 
(爆笑)

スーさん 
すごいひとと演奏してたの?

ナギー
全然やってないですよ、一時期やったこともあるけど。

スーさん 
ああほんとぉ、一時期でもやったことあるっては大したもんだね。

上さま 
一時期ってのは、その間はプロだったってことだよね。

スーさん 
おれはなんて大したことない人生で終わっちゃったんだろ(笑)!

ナギー 
そんなことないじゃない!

上さま 
こないだウクレレやるっつったじゃない。ウクレレ持ってんでしょ?

スーさん 
持ってない。あれも一切ダメ。音楽ダメなの、小学校の頃から覚えられないの学校でやっても。

上さま 
ぼくもダメなんだ。やっぱし生まれつきリズム感が弱いっていうか、ないっ。

スーさん 
リズム感ないんですよ、日本人は。

小学校の頃、月が変わると新しい歌に変わってもまだ覚えられないの。いっつもなんか3ヶ月くらい遅れちゃうんだよねぇ。

上さま
でも音楽は好きなんだよねぇ。

スーさん 
おれも好き、好きよ。

ナギー
よく知ってるもんね。

いまちゃん 
でもみんなさん、カラオケなんか見ててもほんとお好きですよね。

上さま
ぼくは好きじゃなくても、この人(スーさん)がさ、行こう行こうって!

一同 
それはどうか分からない(笑)

スーさん 
上さまは一番声がいいんだよね!

上さま
なに言ってんのよ〜(笑)、そんなことない。

しょうがないからさ、年代を辿って学校時代の歌だとか、戦争中の歌だとか、地域の歌だとか、いろいろ唄ってるわけ。

いまちゃん 
ぐっさんもけっこう唄われますよね?

ぐっさん 
うん!うん!唄うよ。

スーさん 
あ、そう!このあいだ上手かったね!

上さま 
おれたちよりひとつレベル上だよね!

スーさん 
違う世界だね。師匠!失礼しました(笑)。

ぐっさん 
いやいやとんでもない!

上さま 
あと音楽家のひとがいんだもん、ここに。

ナギー 
いやぁ、そんなことない!

・ ・ ・

あのころは純喫茶ってのがあってね、純喫茶ってのはちょっと怪しいとこがあるんだよ。



いまちゃん
カラオケとか歌とか音楽ってなんでそんなに惹かれるんですかね?

上さま
あのね、関係が深いんだよ生活にね。むかしは軍歌っていうように、時代とか社会背景とかふくめてさ。

いまちゃん 
ああ、なるほど。

上さま
軍歌と音楽って違うけどね。

スーさん 
そのあとは文部省唱歌だからね。唱歌。

上さま 
学校で教わるのは唱歌じゃない。軍歌は国で唄わされたのか。

スーさん 
朝会で唄ったりしたね。

上さま
そういえば学校でも軍歌唄わされたよ、おれ。

スーさん 
わたしはね、学校に入った年に敗戦の年に入ってるから分からない。

かとちゃん 
だいたいラジオで流れてたんじゃない、軍歌。誰も教えてくれなかったんじゃない?

上さま 
うん、流れてた。学校でもたとえば、海軍の歌で「海行けば」ってのがあるんだけど。そんなの唄ってましたよ。

スーさん 
君が代はなかったですもんね?

上さま 
君が代は必ず唄わされたよ。天皇の生まれた日の天長節とか、起源説とか明治節とかは校庭か講堂に並ばされてピアノで君が代。

ナギー 
君が代は国歌だから、なんかんときには唄わされるんじゃないんですか?

スーさん 
敗戦んの年ってのは、唄わされない可能性ってのもあるでしょ?

敗戦の年だったからなかったのかもしれない。どうもやっぱり君が代を小学校1年くらいのときは唄ったような気がしないですよ。進駐軍が怖かったんだろうか。敗戦のときいくつ?

ナギー 
2歳だ(笑)。

スーさん 
敗戦は?

かとちゃん 
5歳。

スーさん 
じゃあまあ似たようにもんだな、ひとつ違いだから。

かとちゃん 
そうでもない!似てないと思う(笑)。

一同 
(爆笑)

スーさん 
そんな若ぶられたって、困っちゃうよねぇ(笑)、ずうずうしいよぉ、それはぁ〜(笑)!

さそん 
そうきたかっ!

かとちゃん 
ひとつの差は大きいと思うよ!すごく大きい!

上さま 
だけどぼくは戦争中育ってるわけだから、学校で唄うのはやっぱし、唱歌もあるけど戦争が詰まってきたころは、けっこう軍歌出てきた。学校でも教えられた。

さそん 
何種類くらいぐらいあるんですか?軍歌っていうのは?

上さま 
100ぐらいはあるでしょ。

さそん 
え!?そんなに。

スーさん 
軍歌って明治時代からあるんだもん、鼓舞するだけだからあれは!

上さま
軍人が出征するっつうと、みんな町会のひとが出てきて、日の丸の旗もって送るんだもん。たとえば石川台の駅とか雪谷の駅行って、そんで軍歌唄いながら、見送られながら行くんだもん。

スーさん 
あれはやっぱり、見送り行くひとは歌でも唄わないと行けないですよね。シーンとしちゃって、気の毒にと思ってね。

上さま 
「勝って来るぞ、勇ましく〜」なんて考えてみりゃ、子どもでも分かる歌い文句なんだけど、ああいう歌で啓蒙させらるんだもんね。

学校で教わらなくても自然と覚えちゃうよね。

スーさん 
童謡とかも戦争の歌詞だったんだけど、負けたあとにね、どんどん変えってったの。

上さま 
替え歌になってたね。

いまちゃん 
そうなんですか!?たとえば?

スーさん
里の秋とか軍歌風の歌詞だったの、それが戦後になって軍歌の部分を抜いちゃって。

さそん 
ああそういうのあるでしょうね。

上さま 
「三国の」とか、「魂とか」って歌詞がいろいろ出てくるわけよね。でぇ、そういうのは自然と抜かざるおえなくなってくるよね、曲はいいから残るけど。

スーさん 
そうそう、メロディーもいいし、詩もいいんだけど。

上さま 
海行かばだって、名曲だつってたよ。

スーさん 
あれは日本全部唄ってんですよぉ!沖縄からずうっとね。

大正時代に大正ロマンシズムみたいな運動が勃興してきてね、藤村とかさ、そういうひとたちが一生懸命、子どもたちに良質な音楽と詩を与えようって本気んなって童謡を作り出した。だからその時代の歌っていい歌がたくさん出てる。

上さま 
あのね小学校ときの話だけどね、おれが2年で戦争始まったでしょ。でぇ、それからは校庭でみんな整列してるとき必ず君が代唄ったあとで、御真影挨拶つって天皇陛下と皇后の写真が出てくんの。

でぇ、みんなしてパチパチだったか、たしか礼するんだな、それで「終わり」つってから他の先生の話やなんかがはじまる。それで校長先生がね、勅語を読ませるの。天皇陛下が書いた宣言みたいな。

さそん 
教育勅語とは違うんですか?

上さま 
教育勅語は明治天皇が発したもので、教育についての勅語としてまた別にあって。勅語ってのは、天皇が国民に対して発する意思表示の言葉のことね。

でぇ、全部暗記させられてさ、やんなくちゃいけないんだよ。いい言葉があるけどさ、結局自分の身は天皇のために尽くせっていうそういう内容だからね。

だからおれ子どもでもそのまま受け入れられなかったけど、そういう教育で駆り立てられちゃって軍歌ってのもみんなそういう目的で内容もそうだから。

いまちゃん 
へぇ〜。

上さま 
新宿なんかでさ、最終戦直後の30年頃まで軍隊酒場ってのあったね。

スーさん 
あ、もしかしたらそれが、あとで歌声喫茶なったのかもしれない。

上さま 
そうだったかもしれない。「ともしび」とか「カチューシャ」とかさ、ロシア民謡を中心にやってたね。

スーさん 
だから軍隊酒場が歌声喫茶になって、カラオケになったつうことだよ。

上さま 
そうだろうね、そういうことだよね。

さそん 
そこではレコードが回ってるんですか?

スーさん 
いや、上手いひとが唄うの。

上さま 
アコーディオン弾いてくれた。

さそん 
あ〜アコーディオン。

スーさん 
あ、そうだ!アコーディオンだ!

かとちゃん 
歌詞カード買うんでしょ?あれ。

スーさん 
配ってくれんの!うん。

上さま 
小ちゃいね、歌詞くれんの。5冊くらい、ね。

かとちゃん 
あとコーヒーかジュース買って。

上さま 
ロシア民謡が半分ぐらいだったから、どっちかっていうと左翼的なんだけども。

スーさん 
だけど、なくなりかけたら、早かったよお!もうバタバタなくなっちゃったもんね!あれカラオケのせいじゃないかと思う。

かとちゃん 
わたしはあんまり行ったことないけど、カラオケとまた違うんじゃない?

上さま 
カラオケとそうとう期間あるよ。左翼的な要素があるから昭和35年代の半ばぐらいまでだったと思うな。

スーさん 
学生運動で切れちゃったのかなぁ。

上さま 
安保の反対があって、昭和35、6年から今度は反戦が出てきて。そうなると時代と環境がだんだん変わってきたのもあるかもね。でもあれは良かったよ!歌声喫茶は、ね!

スーさん 
あのね、ストレス発散できたよね、スカッとして帰れた(笑)。あんとき、いくらしたんだろう?

上さま 
コーヒー飲みゃいいんじゃなかった?あのころは純喫茶ってのがあってね、純喫茶ってのはちょっと怪しいとこがあるんだよ。パイオニアなり、大阪音響のいいスピーカーがあって、大っきないい音でクラシック、ベートーベンなりを聴くわけでしょ。でぇ、2人で座れるダブルシートってのがあの頃初めてできてさ、それで暗いから、ね、何やるかって、だんだんそうなってってくるけど(笑)。

スーさん 
いかがわしい感じ(笑)!

上さま
そういう純喫茶ってのもあって、歌声喫茶ってのは唄うばっかしでさ。新宿の灯火なんてみんなして階段のとこでも唄ったもん。

いまちゃん 
喫茶店と純喫茶はまた違うんですか?

上さま 
いまと呼び方が違うだけで同じじゃないかな。ほんとは、純喫茶ももっとクラシック音楽でも聴いてのんびり休憩できるようなとこなんだろうけれども、それがだんだんさ、変な方にいっちゃったわけよ、暗くなってるから。だから、渋谷なんか純喫茶はずいぶんあったよ。大森の駅前にもどこでもあったけどね。

いまちゃん 
ヘぇ〜、いまとだいぶイメージ違いますね。なんか昔ながらの昭和な喫茶店って言うとコーヒーとナポリタンっていう、イメージです(笑)。

スーさん 
子どもか(笑)!あれ、ナポリタンってさ、どうしてこれが美味しい食いもんなんだろうと思うね。美味いと思って、食ったことないもんね!

かとちゃん 
美味いと思うよ、ナポリタン!

スーさん 
そおかなぁ〜。

さそん 
(爆笑)

スーさん 
おれは、「うまい蕎麦食いてえなぁ」って思ってた(笑)。

いまちゃん 
はやいもんで、お時間がきてしまいましたので、このくらいで終わりに。今日は色々と音楽にひもづいたお話でしたね〜。個人的には純喫茶がむかしにもどったら嬉しいなぁと思いましたね、はぁい(笑)。では、次回もよろしくお願いします!

・ ・ ・

2019-10-29-TUE
(おしまい)

聞いてくれてありがとうございます。いかがでしたか?気に入っていただけたら、ぜひスキ(♡)やフォローをお待ちしています。励みになります。感想やヴィダンシ(ヴィンテージ男子)へのコメント、聞きたい話題などもいただけたら、嬉しいです。頂いたコメントは、ヴィダンシにもちゃんとお届けします。今後の会議の参考にもさせてもらいます。よろしくお願いします!

いただいたサポートは、身近なひとの声を拾い届ける活動、他のクリエーターさんのために使わせてもらいます!