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レトロな日々 03-お尻拭くのなんて、みんな木の葉よ。


令和元年おめでとう。時代は平成から令和へと変わりました。みなさんから昔の話を聞きながら、「わたしもいつかこうやって、自分の生きた時代を聞かれる日が来るんだなぁ」なんて想像すると、楽しみでありつつも「もう少し無い頭を使って勉強しておかねば、 おばあちゃんになった時に恥ずかしいっ」と思う最近であります。硯のカッコよさ、東京タワー、木の葉でお尻を拭くはなしは、ここでしか聞けません!全3回よろしくお願いします。

MONOGATARI KAIGI @DAIKON no KAI
#49GIJIROKU

ストーリーテラー  
だいこんの会 
・ガチな美術マスター 上さま(85歳) 
・江戸っ子オーガナイザー かとちゃん(78歳) 
・言葉のファンタジスタ スーさん(80歳) 
・精巧な折り紙職人 ぐっさん(77歳)

ナビゲーター
元ギャルバン娘 まるこ(38歳)


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03 
おまけのオフレコだよ



上さま 
僕は、いつもの甘くない紅茶ちょうだい。

スーさん 
俺は甘いのね。

まるこ
あ、じゃあわたしはアイスラテください!

店員 
はい、かしこまりました〜!

上さま 
しかしさ、クラス会でドレスコードって珍しいねぇ。

スーさん 
ダークスーツで来いって。

まるこ 
へー、カッコいい!

スーさん 
だから、断っちゃった!「ジーパンしか無いも〜ん」って(笑)。

上さま まるこ 
(笑)

上さま 
でもドレスコードのあるクラス会なんてさ、凝ってるよねぇ、凄い高校だねぇ。

スーさん 
凄くないですよ、貧乏人が行く高校でしたよ。

まるこ
クラス会は定期的にあるんですか?

スーさん 
年一はあるね。そういうこと好きな奴が仲間にいるんだよ、そいつがいつも幹事役で集めてくれてさ。

上さま
スーさん、小学校は東京?

スーさん
疎開から帰ってきて、中途で4、5年の頃に入りましたね。

店員 
はい、お待たせしました〜。

一同 
ありがとうございます〜。

上さま
小学校かぁ、俺が小学校の頃なんて、まだ戦争中だもんなぁ。

スーさん まるこ 
あぁ〜。

スーさん 
わたしと上さまの6年の差って、凄いですよね。学校行くのも命がけなんだもんね。俺、疎開から東京に戻ってきた時、「東京ってこんなに明るかったのか!」って思いましたよ。やっぱ、東京ってあの当時から明るかったですよね?

上さま 
そりゃあもう、あの頃の田舎と都会とじゃ、比較しようがないくら違うもんね。

まるこ 
え?うちの実家なんて、夜7時くらいになると、いまだに真っ暗だし、シーンとしてますよ(笑)!

スーさん 
千葉の突っ先だっけ?

まるこ 
はい、館山です。

スーさん 
千葉県ていえば、早場米とか、菜の花だよなぁ。春に食べる最初の菜の花って美味いねぇ。

まるこ 
あー、美味しいですよねっ。

上さま 
う〜ん、俺には食べるもんとは思えないけど・・・・。だってさ、菜の花っていうと菜種でしょ。昔はさ、菜種の油を絞って、それで一般の家庭でランプとかに使ってたんだからさ。

スーさん 
ランプって、鉱石油じゃないんですか?

上さま 
一般の家庭じゃ高すぎるでしょ、だからそうやって聞いたな。終戦後昭和30年くらいまで、田舎に住んでて小屋でランプ生活だったよ。テレビなんか関係ない生活でさ、掘っ建て小屋みたいな家だったからねぇ。だから菜の花畑もさ、元は観賞用っていうよりは、菜種油を取るためとかに植えられたのが始まりなんじゃないの?大元はさ。

スーさん 
なるほどね〜。まぁ、でも菜の花はランプよりも食べるほうがいいですね(笑)!東京だと、菜の花をからし和えで食べますよね。

上さま 
そんな洒落たもん、田舎では食べなかったなぁ、山菜くらいしかなかったなぁ。

スーさん 
いやいや、山菜のほうが贅沢ですよ。そうそう、こないだ頂いたフキの葉っぱの煮付け、美味しかったですよ〜。あと一緒に頂いたお菓子も、家帰って食べたら美味しかったです。上さまが、箱から出してきた時はさ、「あ、日が経ってるやつだなこりゃ。期待できないな(笑)」ってぼんやり見たけど、うち帰って食ったら美味かった(笑)!

まるこ
あはははっ!

上さま
はははは、美味しかったなら良かったよねぇ!話戻すけどさ、菜種っていうのは生活必需品だったんだよね。

まるこ
昔使ってたランプっていうのは、理科の実験とかで使うようなアルコールランプみたいなものですか?

スーさん 
違う違う(笑)。天井から吊るしてさ、なかに油の芯があって、それを吸い上げて火を付けるんだよ。キャンプとかでも使ってるじゃん!それで山小屋の灯火って言うでしょ、ランタン型のやつね。そんなんでも慣れれば、新聞も読めるっていう。

まるこ 
あ〜!あのランプですね。

上さま
僕なんか勉強する時なんて、まあ暗かったよね!やらざるおえないからやったけどさ、よくやったと思うような暗さだよ。

スーさん
あれ、周りが暗いとこで見るから照らされてるように見えるけど、結構暗いからねぇ。

まるこ 
そんなに照らせる範囲は広くないってことですか?

上さま 
そうだよ、今の電気と比べたらねぇ。しかもあん時なんて、書き物するにも、ノートも紙も無かったからねぇ。

スーさん 
紙は無かったですよねぇ、お尻拭く紙だって無かったもんね!

上さま 
お尻拭くのなんて、みんな木の葉よ、木の葉。

スーさん 
ふふふっ。

まるこ 
えっ!!そうだったんですね・・・・。

上さま 
木の葉を揉んで使うんだけどさ、田舎行った時は、そりゃあ驚いたよ!便所だって、便所小屋って言ったらいいのかなぁ、大きな穴があって、そこに板が二本渡してあってさ。

まるこ 
なんか、危な〜い(笑)。

上さま 
まあ、穴はそんな深いわけじゃないけどね。で、前にカゴみたいのがあって、そこに木の葉があってさ(笑)。

まるこ 
スーさんは、そういう木の葉は体験してないですか?

スーさん 
わたしは新聞紙だったね。

まるこ
新聞紙!?それも痛そうですが・・・・木の葉から比べると大進歩ですねぇ。そう考えると、やっぱスーさんと上さまの6年の違いは大きいですね。

スーさん 
そう、昭和20年と26年でしょ?26年なんて、もう凄い活気のある時代だったからねぇ。まさに日本中に火が着いたような、何も無いとこから「復興、復興」でね。

上さま 
なんで復興出来たかって考えると、朝鮮動乱っていう戦争の要因は大きかったよね。

まるこ 
朝鮮動乱?

スーさん 
そうそう。

上さま
ロシアとアメリカが朝鮮半島の主権を争ったんだよね、今も結局は休戦中だけど。で、朝鮮動乱の時に特需って言って、在日アメリカ軍から物資とかを色々発注受けて、それでかなりお金を稼いだんだよね。

スーさん 
そのあと、ベトナムでも儲かってるもんね・・・・。

まるこ 
なんか複雑な気持ちですね・・・・。

上さま 
僕なんか、小学生の頃とか「朝鮮は日本だ」って、学校で教わったもんね。やっぱり戦争といい、その頃の教育といい、恐いよ。今思うと。でさ、その頃なんて友達の間で「台湾には人喰い人種がいる」って話があってさぁ。

スーさん
・・・・いきなり、すんげえ話が出てきたなぁ(笑)。

まるこ
え〜!そうなんですかっ(笑)?

上さま 
いや、本当かどうかなんてわからないよっ!俺も小さい頃の話だからさ。でもなんかね、南側のほうに居たらしくて、そんな噂が流れてたよね。

スーさん 
子供が好きそうですもんね、そういう話!

まるこ 
ああ、盛り上がりそうっ!

上さま 
アフリカなんかでは、よく聞くけどさ、「東洋でもあったのかなぁ」ってさ。

スーさん 
危うく、うっかり、話題に食いつきそうになっちゃたよ(笑)。

上さま 
じゃあ、18時も過ぎたしそろそろ行きますか!

まるこ 
はーい、おまけの小話ありがとうございましたー!

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2019-09-16-MON
(おわりです)

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