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【入門編】市場分析のやり方:まず押さえたい基本3項目

「市場分析を任されたけど、右も左もわからない!」という方のための記事です。
ここでは市場分析でまず押さえたい「基本3項目」についてお話します。

①市場規模

商品・サービスが「年間でいくら売れているか」を表す数字です。
「XX産業の市場規模は〇〇億円」のように経済系のニュースで取り上げられることも多いので、馴染みがあるかもしれません。

「年間XX億円」のように販売金額で示されることが多いですが、数字によっては販売台数だったり、生産金額(台数)だったりすることもあります。
大きければ大きいほど世の中に求められている製品・サービスで、魅力的な市場と言えます。

例えば、外食産業の市場規模は約25兆円と言われています。(日本フードサービス業界調べ)
http://anan-zaidan.or.jp/data/2018-1-1.pdf

飲食店や居酒屋など、さらに細かく分かれています。
最大の食堂・レストランでは、ざっくり10兆円です。

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食堂・レストランの客単価をキリよく「1,000円」と考えると、利用人数は・・・

市場規模10兆円÷客単価1,000円≒年間のべ利用100億人
年間のべ利用100億人÷365日≒2,740万人/日
1日あたり利用人数2,740万人÷1.3憶人(日本人口)≒20%

となります。毎日全人口の2割が、あるいは平均的に5日に1度外食するイメージです。
働いている方々が平日ランチで外食、普段は外食しない人でも家族や友人と週末にというのは一般的だと思いますので、数字として違和感はありません。

「市場規模を見ましょう」というとごく当たり前の話ですが、よくある間違いは「数字の意味合いを考えずに鵜呑みにしてしまうこと」です。
数字を見つけたら、その中身や定義を確認し、大きさに違和感がないかを簡単な計算でチェックしてください。

②成長性

成長性とは、先ほどの市場規模が「これまでどう増減してきたのか」、「今後どうなるのか」を表した数字です。
「EC市場は9.1%増」や「X年後に25兆円規模に成長する見通し」という具合に、これもニュースで取り上げられることもありますね。

例えば、市場規模が大きくてもこれから衰退していく市場はあまり魅力的とは言えません。一方、市場規模が小さくとも、これからどんどん成長していく市場は魅力的と考えられます。
過去トレンドは最低5年間、できれば10年~20年などの長期スパンで見て市場規模の推移を観察し、その時々の経済情勢や業界イベントなど、「どうしてそうなったのか」を分析していくことが大切です。

③競争状況

最後の競争状況は、あまり聞きなれない言葉かもしれません。
上位企業(3社~5社)の市場シェア推移を、「上位企業で市場全体のどれぐらいのシェアを占めているか」と、「上位企業の入れ替わりやシェア変動はどれぐらいあるか」と言う2つの視点で観察します。

例えば、上位3社で市場のほとんどが占められており、その順位が長年変わっていないような市場は、上位プレイヤーにとっては安定的に稼ぎやすい魅力的な市場である反面、下位プレイヤーにとっては厳しい市場です。
逆に、シェアが多くのプレイヤーに分散していたり、順位の逆転が頻繁に起こっていたりする市場は、上位プレイヤーにとっては気が抜けず、下位プレイヤーにとっては逆転のチャンスや成長余地が転がっている市場と言えます。

最後に

ひとつ注意いただきたいのは、ここで書いたことは一般論であり、すべての市場に当てはまるとは限らないということです。
重要なのは、これらの基本項目を押さえて「当たり」を付けることです。

そうすることで、どういう情報を重点的に調査・分析すればよいかの見通しが立ち、仕事の質やスピードが格段に上がります。
「一般論が当てはまらないこと」を見つけたら、そこに何か大切な情報が眠っている可能性が高く、発見のチャンスです!

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