伺かという存在について

 小説のような物を書いていました。ストーリーはともかく、自分の書く文章は、どれを見ても誰が見ても、多分決まった感想になると思います。
「これ、小説……なのか?」
 中身はまあ、読む人の感覚に左右されると思いますが(自分はおもしろいと思って書いてるつもり)、内容と言うより構成。構成の問題です。
 自分の文章は、ほぼ説明というものが無かった気がします。ていうかありません。キャラクターになんとなく、説明口調にならないように説明させるのが常でした。主文はほぼ会話で進み、本文……というより、ほぼナレーションが入るような物でした。
 今から考えてみれば、これは小学生の時の読書ジャンルにかなり影響されています。そのジャンルは、「落語」です。

 小学3年頃、忘れもされない「蒟蒻問答」の本を図書館で借り、落語の面白さにどっぷりとハマり、毎週末に欠かさず笑点を見る小学生になりました。で、落語といえば、噺家さんが上下に人を据え、会話とナレーションで進んでいく形式、まさに自分の文章の基と言えるものです。そうなんです。そうですとも。
 とにかく、キャラクターの喋りでストーリーが進み、擬音もほぼ使わず、状況描写も最低限……書いてる本人はそれでいいと思ってたんですが、まあ、なんだかんだあって小説っぽいものは、なんとなく書かなくなりました。

 その原因の一つに、「伺か」があったのは間違いないところです。キャラクターが1~複数立ち、掛け合いトークを連連と繰り広げていくだけの、当時(今のPCスペックなら何てことはないと思うんだけどどうなんだろう)PCに負担をかけるだけのものを作ることにハマったのです。会話を書くことは慣れている、漫才も落語も好き、これは作れる!と思い立ち作り始め、初年度で二桁のゴーストを作ったのは懐かしい思い出になってしまいました。もう10年以上前なんだもの。時の流れって残酷。
 まあ、自分の作品群なんてえのは今更なのでここにゃ出しません。いろいろ当時のグチだの、叩かれる原因になった事だのは、言ったところで当時の自分の精神状態がもとに戻るわけでもなし。ただ未だに、某氏だけは絶対に許さないと思ってますよ。

 まあ、良きにつけ悪きにつけ、自分の環境を変えたのが伺かである事に違いはないのです。未だに当時の仲間やししょーと交流ありますし。あの世界に踏み込んだのは、間違いじゃなかったと思ってます。

 ちなみにメインストリームであるところのベースウェア「SSP」は、C.Ponapalt氏の手により、未だに絶賛エンバグ……いや、更新中。興味のある方は、一歩踏み込んでみてもいいんじゃないかな。

自分の持ち場が一段落して、なんとなく気抜けした晩秋に。

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