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花粉症対策にヨーグルトが良いってホント?

ヨーグルトの乳酸菌には、花粉症の症状を緩和させる働きがあるとよく耳にします。なぜこのようにいわれるようになったのでしょうか。

花粉症になると、体の免疫反応が花粉に過剰に反応して、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状があらわれます。このため、ヨーグルトに含まれる乳酸菌の、腸内環境を整え、免疫力を高める作用が注目されるようになったようです。

ちなみに、下記の厚生労働省の資料には、「ヨーグルトが花粉症を治すことは難しいかもしれないし、実際の効果の程度は不明」とされています。

Q. ヨーグルトは効果がありますか?
A. 腸内細菌を変化させると体内の環境がアレルギーを抑えるようになると考えられています。しかし、ヨーグルトを毎日食べるブルガリアの人でもアレルギーの病気はありますので、花粉症を完全に治すことは難しいかもしれませんし、実際の効果の程度は不明です。

花粉症Q&A集(平成22年度)|平成22年度花粉症対策 厚生労働省 

食べものは薬と異なり、特有の病気に効果があるものではありません。そのため、ヨーグルトをたくさん食べたからといって、花粉症が治るわけではありません。

一方で、ヨーグルトに含まれる乳酸菌の健康効果として、腸内環境を改善し、免疫力を向上させることはさまざまな研究で明らかになっています。今回は、乳酸菌の健康効果と、市販のヨーグルトの選び方を解説したいと思います。

1 乳酸菌の健康効果

乳酸菌は、腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整えることで知られています。腸内環境を整える微生物のうち、生きて腸に到達できる有用な微生物のことをプロバイオティクスと呼んでいます。

プロバイオティクスの持つ"有益な作用"としては、下痢や便秘を抑える、腸内の良い菌を増やし悪い菌を減らす、腸内環境を改善する、腸内の感染を予防する、免疫力を回復させる、などが挙げられます。

引用:プロバイオティクス|健康用語の基礎知識|ヤクルト中央研究所

乳酸菌を含む食べものとして、ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、漬物などがあります。これらの菌は腸内にある程度の期間存在しても、長く住み着くことはないとされています。そのため、毎日続けて摂取し、腸に菌を補充することが必要といわれています。

ヨーグルトの摂取量の目安は1日あたり100g程度で、市販のヨーグルトは、1人分あたり80〜120gが一般的です。1日1回、適量のヨーグルトを摂ることが望ましいといえるでしょう。

2 市販ヨーグルトに含まれる乳酸菌の選び方

最近いろいろな種類のヨーグルトが市販されていて、どれを選んだらいいのかわからなくなることはありませんか。東京都内のスーパーで市販のヨーグルトについてリサーチしたところ、23種類もの商品が陳列されていました。今回は、特に免疫機能を高めるといわれる種類のヨーグルトをいくつか紹介します。

1)R-1(1073R-1乳酸菌)

「明治プロビオヨーグルトR-1」は、免疫力を増強させる効果がある1073R-1 乳酸菌が含まれています。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)免疫機能を活性化し、風邪やインフルエンザを防ぐといわれています。

2)プラズマ乳酸菌

小岩井乳業株式会社の「小岩井 iMUSE生乳ヨーグルト甘さ控えめ」はプラズマ乳酸菌が含まれ、免疫機能の維持に有効であるとされています。

一般的な乳酸菌は、一部の免疫細胞のみを活性化します。一方、プラズマ乳酸菌は「免疫の司令塔」である「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」を直接活性化することができます。活性化された司令塔の指示・命令により、免疫細胞全体が活性化され、外敵に対する防御システムが機能します。

小岩井乳業株式会社|iMUSE誕生

市販ヨーグルトの大半は「腸内環境の改善」(善玉菌を増やすこと)に有効であるとしていますが、最近ではその他の健康効果をもつ商品を入手することができます。

3) PA-3

「明治プロビオヨーグルトPA-3」に含まれるPA-3は、尿酸値の上昇を抑える効果があるとされています。

4) ガセリ菌SP株

雪印メグミルクの「ガセリ菌SP株ヨーグルト」は、脂肪の吸収を抑え、内臓脂肪を減らすのを助けるとされています。

まとめ

「ヨーグルトをたくさん食べたからといって、花粉症が治るわけではない」ですが、ヨーグルトに含まれる乳酸菌を日常的に摂ることは、腸内環境を整えることや免疫機能の強化、その他さまざまな健康効果があることが分かっています。

まずは、毎日の食事にヨーグルトを適量取り入れることから始めて、免疫力を高めてゆきましょう。

参考文献・資料

・牛乳・乳製品の摂取量の目安|健康長寿ネット

・乳酸菌|e-ヘルスネット

・花粉症の民間医療について|厚生労働省


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