見出し画像

映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」

「なぜ君は総理大臣になれないのか」のオンライン上映会+スペシャルトークを鑑賞した。twitter上で以前から話題になっていたことや、日本語字幕、音声ガイド付きのバリアフリー版オンライン上映というところにも関心があった。

主人公、被写体である小川淳也議員の初出馬から当選5期を経た現在までの17年間を追ったドキュメンタリー作品。

一言では言い表せない混沌とした思い。個人として、現在の日本の社会や政治に対して感じる憤り、むなしさ、諦観、失望の思いと、裏腹に、権力闘争、既得権益、対面を保つことにしか関心のない政治家の姿がある。一方で、小川さんのような、愚直でかつ説得力のある議論ができ、見識のある政治家がなぜ権力の中枢にいることができないのだろう・・。国民からの共感の持てる、尊敬される政治家の台頭を阻む、与党の硬直した政治家の姿に落胆と失望の思いがした。誰もが政治家になろうだなんて思わない、政治なんて尊敬されない、期待なんかしていない、こうして避けられるのは、現在の権力者の怠慢、人災としか思えない。

小川さんが述べる「国民が選択肢を手にしている状況」「(自民党ではない)もう一つの受け皿」、私も見てみたい。どこかの国のように若い官僚や大統領が実力を行使できる政治の世界を見たい。

なぜ日本はここまで保守的なのだろう。一般市民は誰もが身近なことで精いっぱいだ。政治なんて分からない、関わりたくない。自分事として捉えられない。なぜだろう。変わらないことを好む、変わることを怖れるのはなぜ。
ここ数年で、SNS上で政治に対するいろいろなムーブメントが起こっているにもかかわらず、結果はいつも現状維持だった(それに類するものだった)。都知事選の結果に失望した。したたかさ、なのか。結局、このままがいい。日本にいると多くの人がそんなふうに思ってる気がする。気付かぬうちに、見えないところで、腐食が進んでいる気がする。いや、変わり続けている、変革の夜明け前という感じ。

「政治は政策で動くのではなく、人間関係で動く」のだそうだ。
上映後トークの田崎さんは全くもって説得力がなく、議論が弱く、言い負かされてる感じに私には見えた。発想が昭和、なのだ。outdatedな発言。
だからこそ、小川さんの真っ直ぐさ、説得力が際立ったように思えた。

カリスマリーダーなんて要らないと、「21世紀の資本」を見て思ったけど、社会はそれを求めるのかもしれない。リベラルさ、強烈なリーダーシップ、ストーリー、変革こそ、ポストコロナの時代にあるべき、と。
また思い出す、「死の前に人は平等」という言葉。結局、権力者も、かくいう私も、人間誰もが死ぬのだ。権力者の刹那、負の遺産を前に、やはり諦めてはいけないと思う。自分なりに、強く、たくましくありたいと思う。

(2020.8.2)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?