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初めての公的健康診断で考えたこと

5年ぶりの健康診断

離婚が成立して旧姓に戻り、まだ就職していないので国民健康保険に加入してしばらく経ったある日、市民健康診断のお知らせが届きました。
今までは、元夫が所属する会社の健康保険組合が、扶養家族分の健康診断も管理してくれていたので、そちらの提携健診センターで受けていました。

離婚する何年か前、コロナ禍になり始める少し前に『稼がない人間に健康管理なぞ無駄』と元夫が言い出して以来、健康診断を受けないまま。
5年の歳月が流れていたんですね。気づかないうちに。
その間も市民健康診断のお知らせは来てはいたのですが、許してもらえず(無料なのに)離婚してやっと自由に健康管理ができるようになったという訳です。

市民健康診断には受診方法が二通りあります。
① 市の健診センターで集団健診
② 提携医院で個別健診
どちらを選んでも無料(がん検診以外)なのですが、私はまだ、土地に慣れていなかったので、一箇所でがん検診も含めて全部受診できる『集団健診』を選びました。
健診内容は、身長・体重・血圧・尿検査・血液検査など一般的なもの、問診の既往症などの関係で必要と判断された心電図や眼底眼圧検査、オプションでがん検診(有料だけど安価)がありました。

私は一般健診に加えて、大腸がん・胃がんリスク・乳がんの三つのがん検診に申し込みました。
子宮頸がん検診は、かかりつけの婦人科で受けていて、市民のがん検診クーポンを使っていたので、申し込みませんでした(結果は異常なしでした。ホッ)
健診の10日程前に検体キットと問診票が届き、問診票を書き込んだり、検体を取ったりして準備しました。

あれ?こんなんだったっけ?

健診当日、予約時間が9時半だったので、15分前には健診センターに到着しておこうと出かけました。
健診センターに入ると、案内のスタッフさんがいて『何時の予約ですか?』と聞いてくれて待合へ連れて行ってくれました。
ごく普通の会議室みたいな場所で、提出物の準備をしながら待っていると、全体の流れの説明や諸注意などがあり、その後受付に保険証を提示して健診がスタートしました。

まずは2階へ行ってください、と言われたので、階段で2階へ。
私は問題なく歩けるので何とも思わなかったのですが、私の後にいらした年配のご婦人が杖をつきながら息を切らして上がってきたので『え?エレベーターないの?ここ』とびっくり。そのご婦人が『エレベーターに乗らせてくれないの〜』とフラフラしながらいらしたので、椅子のところまで身体を支えて座るのをお手伝いしました。
エレベーターあるんですよ、立派なのが。でもスタッフが足りないせいなのか、動かしていなかったようなんです。

しばらくして名前を呼ばれたので中へ。病院での検査に慣れっこだったので、フルネームと生年月日を言って、お願いします、と言った途端

『は!?何言ってんのか聞こえない!』

と強めの口調で言われたので、あ〜周りがザワザワしてるしマスク越しだから、一層聞きづらいよな〜と思い、もう一度ゆっくり伝えました。
そばにいたスタッフさんが聞き取ってくれて伝えてくれたおかげで伝わりましたが
『ハッキリ喋りなさいよね!』と怒られてしまいました。
あれれ?問診票に舌癌手術したのでハッキリ喋れないって書いたよな〜と思いながら血圧測定。担当の看護師さんは
『まず深呼吸して気持ちを落ち着かせましょうね』
と私の肩を優しくトントンしてくれました。そりゃ怒られた後に血圧測ったら高く出ますもんね(笑)
その後はスムーズに進んで、最後に乳がん検診。
案内された場所に行っても受付に誰もいない。
あれれ?患者さんが一人もいない場所で、たくさんのスタッフさんがお喋りしてたのに、専門が違うからここには来れないのか?と思いつつ待っていたら、私と同じ年代で白衣を着た女性がやってきました。

常識でしょ?と言われましても

乳がん検診(マンモグラフィ)は市の検診を受けられるのは2年に一回ということは知ってました。
5年間健診自体受けていない訳ですから、受ける権利があると思っちゃいます。
もちろん受診はできるんですが、違うことで説教が始まりました。
『あのね、普通はお誕生日後に乳がん検診は受けるものなのよ。5年以上も乳がん検診してないって言うし、今まで何見て暮らしてたの?お誕生日後に受診するなんて常識中の常識でしょぉ?何考えてんの?』
受付で長々とお説教が続いた後
『手が足りないから、一人出てきたら自分で中に入って名前言って支度してね』
と放置され、一人出てきたので中へ入りフルネームを言ったら、再び
『は!?ねえ、なんでモゴモゴ喋るの!?イラつくんだけど』
と暴言が降ってきました。
『舌がんで舌を取ってしまったので、ハッキリ喋れないんです』
と問診票の文字を指差しながら説明したら
『あっそう、はいはい(ため息)』と一言。

検査が始まってからも
『え?やりにくいなぁもぉ』
『痛かったらキチンと声出してね』
とイライラをぶつけられ、モノっすごく痛かったので『痛いです』と言ったら
『これくらい我慢我慢』と放置。胸に少々アザができてしまいました(すぐ消えましたけどね)

公と民の差?

終わって帰る頃にはグッタリ・・・
帰り道、なぜこんなに怖い思いしたのかと考えたら、今までは会社の保険組合提携の健診センターで受診していたんですよ。
『公』ではなく『民』なんです。
民間の健診センターですから、人間ドックに正規の金額を支払う人も来るし、提携企業から検査費用も入ってくるから、施設も立派でキレイだし、スタッフさんもホテリエレベルの人材を揃えてるんですよね。
受診する人の言葉が多少聞きにくかろうが、行動が遅かろうが、笑顔で接してくれます(少なくとも私が受診した民間の健診センターは)。

公的な健診センターは、そこを専門にしているスタッフはほぼおらず、普段は他の病院で勤務してる方々が持ち回りで担当してるか、短期バイトさんですよね。
想像ですが、お給料もそんなに高くないのだと思います。
人が少ない、忙しい、収入も少ない・・・じゃ確かにモチベーションも上がらないと思いますけど、公的な健診センターだからこそ、様々な事情を抱えた人が来るわけで、イライラをぶつけるなら国にぶつけろ!と言いたくなった体験でした。

次回からの市民健診は『個別健診』にしようと思います。
就職が決まれば、企業の提携センターに行けますけど、まだ未定なので。
同じ市民健診でも、かかりつけ医さんをハシゴした方が、私の体の事情も性格も分かってくれているから、説教されたりしないと思うので。

今回の経験で感じたこと。
もしかして、我が国は豊かな国ではない?

今回はここまで。

読んでくださってありがとうございます!



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