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1300年前の智慧と技術を伝える、薬師寺の心柱

コロナが流行し始めた頃から何故か「奈良の薬師寺」が気になり出し、これはいつか行かなくてはと思っていました。
しかし流行が拡大するなか、医療従事者としてその片棒を担ぐわけにもいかず、なかなかタイミングが掴めずにいました。

そんな中、このゴールデンウィークに薬師寺の心柱の最終公開があることを知り、これは見なくては!!と行くことを決めました。
緊急事態宣言も解け、ベストなタイミングでした。

当日は曇り空で、薬師寺に着く直前に柔らかな雨が降り出しました。
薬師寺を取り囲む回廊の庇からポツポツと等間隔に落ちる雨粒に光が差し込み、その雨粒越しに見える東塔は雨を含んだしっとりとした空気に包まれていました。

雨のせいか見に来ている人は少なく、私たちと他に2組ほどしかいらっしゃいませんでした。
心柱を見るために並ぶのではと覚悟していたので、ちょっと拍子抜けしました。

回廊をゆっくりと歩き東塔に向かい、心柱とご対面しました。
見ているのは私たち家族だけでした。

「おぉ、すごい」息子が思わず声をもらしました。
私は、空に向けて真っ直ぐに力強くどっしりと立っている心柱に圧倒され声が出ませんでした。
柱の表面は艶々としていて、木目が美しく、凛として真っ直ぐに立つ力強さと、艶のある美しさが光を放っていた。
しばらく声が出ず、ただ手を合わせ祈ることしかできませんでした。

1300年前の高い建物などなかった時代に、作ってみようと考えた人達の智慧と、それを実際に作った人達の実行力と技術力の高さに尊敬の念が湧いてきました。
「そんなのできるわけないじゃん」って言う人達もきっといたと思うのです。
でも作った人達は必ずできると信じて、智慧と技術を出しあい、努力を重ね成功させたのです。
人間の力の素晴らしさをを感じました。

「自分が考えたことは、必ずできると信じていれば全て実現するよ」
心柱からメッセージを頂いた気がしました。

公開を終えた後この心柱の周りには、釈迦四相像が安置され、心柱を見ることはできなくなります。
見ることはできなくなっても、東塔の中心で力強く、艶やかに東塔を守っています。

釈迦四相像が安置されてから、隠れてしまった心柱を見るのではなく感じに、また来ようと思いました。

#奈良 #薬師寺 #心柱 #智慧 #ゴールデンウィーク

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