ですが解説hand1のトモレビュー

※記事は初心者~初級者までを対象とする。そのため難しいことは書かないようにする

■hand1まりん視点
①プリフロ25-50-50、5000start
HJ:Q8o オープンレイズ150(オープン=そのラウンドで初めてチップを賭けた、という意味ね。この場合、UTG~MPまで全員foldしたことを意味する)
評価:悪くはないレベル

snowieのスターティングハンド表だとHJのQ8oはfoldだが、「敢えてオープンレイズする」ことで、CO以降の人に「ATo+、44+、A2s+だと印象付ける」ことができる。
その結果、COのA4oとかBTNのK7oとかを降ろすことができるので強みはある。
反面、COかBTNにコールされたらポストフロップが超しんどいのと、3bet(リレイズ)が飛んで来たら超キツイ、これがリスク。

まとめると、
「COかBTNにコールされたり3betされたら超しんどいけど、今回はされなかったのでとりまオッケー」といった感じ。
強み<リスク、なので、「悪くはないレベル」とした。

※スターティングハンド表について大事なこと
ハンドを選ぶのは大事なことだが、スターティングハンド表通りにやれば必ず勝てるというわけでもない。スターティングハンド表はあくまで「勝率が高いハンド」を示すだけ。とはいえ大事な基礎ではあるので、基本は表通りにプレイし、たまには少し外れたハンドでプレイしても良いだろう。

閑話休題、その後はCO~SBまでfold、BBがcall、HU(ヘッズアップ)。

②フロップ5d8c7d HU pot375
BB:チェック
まりん:bet275(約75%bet)
BB:コール
評価:とても良いアクション

トップヒットグッドキッカーなのでフロップの時点では超強い。
負けてるのはラッキーストレート、ラッキー2ペア、ラッキーセット、A8、K8、99+しかなく、これらの可能性はまず低いので、現状自分が勝ってると判断して問題ない。なのでバリューベットを打つべき。
またダイヤが2枚のため、フラッシュ引かれてもキツイので、そこそこ大きいベットで気軽にコールさせないようにすべき。
「バリューベットかつフラドロを降ろす」目的の推奨ベットサイズはpotの50%~120%、今回は約75%のbetなので、とても良いbetと言える。

大事なのはここでBBがコールしたこと。
ここでBBがコールできるハンドは、
1.ワンペア以上の役ができた
2.ハンドの2枚が9以上のカード
3.ダイヤのフロッシュドロー
4.6のオープンエンド
5.上記4種類を装ったブラフコール(専門用語で言うとフロート)
のおおよそ5通りと予想できる。
このうちほとんどに勝っているので、まあ安心して良いが、大事なのは「BBはこのボードでコールできるハンドを持っている」という意識を持つこと。
「なんかコールしてきたな」ではなく、「このボードでコールできるハンドって何やねん?」という疑問を持つことが大切。

③ターン4s pot925
BB:チェック
まりん:bet800(約90%bet)
BB:raise2000
まりん:3bet-allin 4575
BB:call
評価:bet800はとても良い、3bet-allinはとても悪い

まずbet800から。このアクションはとても良い。
ターンは4sなので、それがヒットしたとしても8ペアの方が強い。なのでここもバリューベットを打つべき。
ここでもまだフラドロが怖いので、「バリューベットかつフラドロを降ろす」目的の50%~120%のベットサイズが推奨される。bet800は約90%のベットサイズなので適正と言える。

次に、3bet-allin 4575はとても悪い。
なぜなら、BBはチェックレイズをしてきたから。
基本的にチェックレイズとは「強いから行うアクション」であり、ブラフであることは非常に稀。(うまい人はそれを逆手に取るけど)
なので、BBがチェックレイズしてきた時点で、相手のハンドは相当強いと「考え直す」べきで、そこで初めてさっきのBBのハンド予想が生きてくる。

先ほどのBBのハンド予想に、ターンのチェックレイズを当てはめてみる。
1.ワンペア以上の役ができた
  →チェックレイズするのはA8、K8、99+か2ペア以上の役でしかありえない=負けてる
2.ハンドの2枚が9以上のカード
  →ペアができてないのにチェックレイズでブラフするとは考えにくい=これではない
3.ダイヤのフロッシュドロー
  →ターンは4sなのでフラッシュ完成ではない=これではない
4.6のオープンエンド
  →4sで完成するのでこのパターンはありうる=負けてる
5.上記4種類を装ったブラフコール(フロートとも言う)
  →ブラフの時点で勝ってる

つまりまとめると、BBがターンでチェックレイズしてきた時点で、
「ブラフにしか勝てない」状況に陥ってしまうわけだ。(フロップ最強だったはずのに不思議!)
なのでターンでのまりんの選択肢は、気合callか無難foldしかなくなってしまう。
※一応気合callができる理由
・BBが99+の場合:リバーでQか8が出れば逆転できる(勝率約11%)
・BBが54で2ペアの場合:リバーでQか8か7が出れば逆転(勝率約18%)
・リバーが6でチョップ(約7%)
・BBに前科がある(チェックレイズブラフを好む人など)
 確率を見れば、ただの気合でしかないよね。

また3bet-allin 4575をしてしまうと、
・BBが本当に強い時はcall、
・BBが実はブラフの時はfold、となり、
all-inしたところでBBのraise2000以上のチップを奪い取ることは結局できない。リスクだけあって、利益がないall-inになってしまっているのも悪い点。

最後におまけを言うと、人読みやこれまでの傾向も参考した方が良い。
BBがルースでバンバンレイズして降ろすような人であればブラフの可能性が高くなるし、逆に本当に強いときにしかレイズしない人であれば、そのチェックレイズはほぼ本物と断言できる。
この時のBBは中澤さんで、人読みを含めると「ブラフしない人」のイメージなので、このチェックレイズは間違いなく「ヤバイやつ」。素直に降りといたほうが無難と言える。

ターンをまとめると、
・bet800は適正
・チェックレイズは基本「強いから行うアクション」
・チェックレイズされた時点で一旦考えを改める
・3bet-allin 4575はリスクしかなく旨味がない、とても悪い

フロップとターンの初めは「自分が最強」という認識でOK。
但しチェックレイズされたなら、「もしや自分が最強ではないのかも…?」と一旦見直しができれば、ベストだった。まりんはこの時、この見直しをせず、「自分の方が強いに決まってる」という決めつけで3bet-allin 4575をしてしまったのではないだろうか?(違ってたらゴメンね)
見直しをした上で、「相手は7以下のワンペア」と判断したり、「同じく8ヒットだけどキッカーで勝っている可能性が高い」と判断して3bet-allinするのであれば、それは「評価:仕方ない」になる。なぜなら、しっかり相手のハンドを予想し、リスクがあることを承知の上で、今回は勝ってる、と判断して負けたのだから、その場合は仕方ないよね(勝敗は所詮結果論に過ぎない)

まりんアクションを総評すると、3bet-allin 4575だけが致命的なエラーと言える。ここを最悪気合callで留めるか、冷静にfoldできればもっとうまくなるんじゃないかな。次回以降に期待。

■hand1中澤視点
①プリフロ25-50-50、5000start
HJ:オープンレイズ150
CO~SB:fold
BB中澤 62o:call、HU
評価:callでもfoldでもどちらでも良い

62oをOOP(アウトオブポジション)で戦うのはただの苦行なのでfoldが推奨されるが、HUならcallしてもそこまで問題ではない。
無謀に見えるかもだが、相手がAKoでも勝率は33%ぐらいある、とりまフロップ見て、やれそうだったらやる、無理ぽだったら即降りぐらいの気軽な感じで良い。

②フロップ5d8c7d HU pot375
中澤:チェック
HJ:bet275(約75%bet)
中澤:コール
評価:とても良いアクション

HJはプリフロでオープンレイズしてきたので、強いハンドだと想定できる。フロップはミドルカードばかりで、HJの強いハンドと絡んでなさそうなうえに、自分は6があるのでオープンエンド、という最高のシチュエーション。基本はチェック/コールでドローを引きに行くのがベスト、なのでここは適正なアクションと言える。

③ターン4s pot925
中澤:チェック
HJ:bet800(約90%bet)
中澤:raise2000
評価:とても良いアクション

普通はターンでいきなり引けないけどね。運が良かった。
ターンでほぼナッツなので、リバーでフラッシュ引かれない限り負けることはない。ここはraise2000でも、フラッシュ警戒のraise-all-inで降ろしても、どちらでも良い。ただcallはちょっと危険。リバーでダイヤが落ちて、HJがall-inしてきたら泣く泣く降りるかcallして死ぬかの2択になるので。

-advance編
1.ターンで4や9が落ちなかったら
  チェックコールでリバーまで見に行く。完成したらバリューベット。
  適正betサイズは60%~70%。
  ※ターンでHJに70%~110%のbetを打たれた場合はfoldした方が良い
2.リバーでダイヤが出た場合
  フラッシュ完成のブラフで相手を降ろしに行く。リバーフラッシュブラフの適正betサイズは50%~60%ぐらい。
3.リバーでダイヤの4や9が出た場合
  チェックコールでショウダウンを狙う。下手にbetするとレイズされた時がキツすぎるので、低利益になっても低リスクを優先する。

中澤視点では特に致命的なエラーはなかったと言える。
ただそれを喜ぶだけではもったいないので、上記のadvance編のように、「もしターンで落ちてなかったら」とか「ダイヤが降ってしまったら」など、難しい状況を想定してアクションを考えておくと実践でとても役に立つのでオススメ。

■hand1ですが解説への指摘(製作者のですが向けアドバイス)
※批判ではなく、改善点として参考にしてね。

①ハンドレンジを固くしよう、に対して
確かに若干スタートハンドが緩かったかもしれないが、それよりもターンのチェックレイズに対するアクションにエラーがあると俺は判断している。
その理由は「まりんがJJやAKだとしても、ターンのbet800までは正しいアクションになるから」
もし仮に自分がHJでQQだとすると、まりんと同じアクションになると思う。正しいハンドレンジでも同様のことが起きてしまう、ということは、原因はそこではなく、ターンのアクションにエラーがある、と言える。

②ベットはターゲットを意識しよう、に対して
俺とか立川さんなら何となく言いたいことわかるけど、初級者に対してこの解説は難しすぎる思う。

ここで言うターゲットとはバリューターゲットのことで、これをわかりやすく言うと、「負けてるけどコールしてくれるおいしいハンド」のこと。今回のケースで言うと、J8、T8、98、83、82、7ヒット、5ヒット、T9、AK、AQ、ダイヤスーテッド、あたりがコールしてくれそうなおいしいハンド=バリューターゲットとなる。
4ヒット、33、22、32、JT、Aハイ、あたりはコールしなさそう=バリューターゲットではない。

しかしバリューターゲットを意識するには、まず相手のハンドが何なのかをある程度「正確」に読み取るスキルが必要になる。これは中級者以上のスキルなので、相手のハンドが正確に読みとれない初級者に対して、ターゲットの話は難しいと思うよ。

総評
今回の致命的エラーはターンの3bt-allinなので、ここに焦点を当てればベストだったかな?
とはいえ、君が解説動画を作ったからここまで発展したわけで、良い影響は出てると思うよ。是非続けて欲しいね。
(時間があればhand2の解説も後で書くよ)

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