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◆【実験 最終報告書】 人生100年時代、還暦を過ぎてもクラウドソーシングで仕事の幅を広げられるか! #新しい働き方LAB #私の働き方実験 #研究報告書

◆実験の目的と背景

◇目的
還暦を過ぎても(研究スタート時点で満62歳)オンラインで新しいスキル、特にクリエイティブのスキルを習得できるのか、そのスキルで仕事の幅を増やせるかを検証する。

◇背景
この実験を始めるに至った経緯を、それまでの私の経歴で振り返ってみます。(これは長くなるので、飛ばして読んでいただいてもかまいません。)

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1984年4月: 大学卒業後アメリカの銀行の東京支店に就職
銀行時代は外国為替・債券のトレーダーやインターネット・モバイルバンキングの黎明期にその企画・運営に携わりました。
2001年9月: 銀行を退職
銀行を退職した理由は多くあるのですが、毎日午前0時を過ぎるまで残業し翌朝一番のミーティングに参加するというハードなルーティンに、「このままでは自分が壊れてしまう。ともかく辞めなくては!」という焦り・恐怖が一番でした。次に転職先が決まっていたわけではなく、ともかく休みたかった。半年間は休息とそれまで取ることのできなかった余暇を楽しむ毎日を送りました。
2001年9月〜2002年3月: 休息時期
2002年4月: Web / ITコンサルタントとして独立 (https://www.styleplaces.com/)
半年の間に次は何をしようかとあれこれ考えました。料理が好きなので小料理屋を始めようかと思い物件探しをしたこともありました。(その物件は麻布十番にあり、まだ六本木ヒルズができる前だったので、今となれば好物件でした、笑。)しかし本当に自分が好きなことは何かを考えた時に、それはWeb / IT の知識・情報を身につけること、そしてそれを人に伝えることだと気づきこの職業を選びました。また、「もう組織で働きたくはない、小さくても一国一城の主でいたい!」という気持ちが強かったのは今でも持ち続けているものです。
2004年12月: 父 脳梗塞で倒れる。介護生活の始まり
ようやく仕事も軌道に乗り始めたところで起こったこの出来事。私自身も両親もパニック状態でした。東京と故郷の岐阜市を1週間ごとに往復する日々が始まりました。父と同時に母も精神的にダメージを受け家事ができなくなり介護保険のお世話になりました。岐阜にいる間の日中は介護を受けるための情報収集・書類作成、家事一切を済ませ、両親が寝静まってからネットカフェで仕事をするという日々でした。バリアフリー、温度差のない住環境のために実家を建て直すこともしました。ケアマネージャー、ヘルパーの方など介護現場の方々、家の施工にあたり私の置かれている環境に配慮してくださった工務店の皆さんには感謝の言葉しかありません。
2009年10月: 父 没
2014年11月: 母が入る老人ホームが見つかる
「特養」に入れたのは本当にラッキーな事でした。これで私の生活は随分楽になりました。しかし実家をずっと空き家にしておくことはできず、月に一、二回行き来し書類の確認・提出や母の衣類・日用品を補充するルーティンでした。
2020年11月: 母 没
亡くなる半年前にステージ4のがんが見つかり、ホスピスを探し最後はそこで息を引き取りました。

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長くなりました。お読みいただいた方には感謝いたします。介護体験は別の機会があれば、当事者となられた方と共有できればと思います。
母が亡くなり実家の空き家問題が生じ、東京と岐阜の2箇所の住居費を払い続けることは大きな経済的負担になりました。この頃はコロナ禍の真っ最中で私のビジネスも打撃を受けました。直接顧客に会う営業が一切できなくなり新規顧客獲得は「ゼロ」、焦りと不安が続く毎日でした。
岐阜に戻って仕事が見つかるだろうか?というのが一番の悩みでしたが、東京にとどまっていても状況はいつ改善するか分からない、ということで大学卒業後37年間暮らし仕事をしてきた東京を離れ、故郷の岐阜市にUターンすることにしました。
岐阜に戻ってからはじめたのが、Lancers への登録です。新しい販路拡大のためクラウドソーシングサイト を利用することにしました。
Lancers で仕事を探してみると、受注するためには今まで習得したスキルをアップデートし、さらに磨かなければいけないことを痛感すると同時に、新しいスキルを習得して仕事の幅を増やせるのではないかという期待も生まれてきました。ランサーズではクリエイティブの案件が多く、illustrator、Photoshop、Premiere Pro、XDを使いこなせるようにならなくてはいけないと感じました。
そんな中 Lancers で「新しい働き方LAB」という、働き方を実験するコミュニティが立ち上がっており、さらに「研究員制度」が設けられることを知り応募してみました。結果は、自主企画、ADOBE社指定企画とも合格。
「果たして還暦を過ぎてもクリエイティビティを広がられるのか?!」
自分自身への挑戦です。


◆検証したいと思っていたこと


◇ADOBE指定企画
これまでADOBE社の製品は Dreamweaver を仕事で使って来ましたが、主にサイトの保守管理にとどまっていました。Photoshop は、趣味で写真の補正・レタッチを行う程度です。他の製品についてもスキルを身につけて仕事の幅を広げてみたい、自分のクリエイティビティのレベルを上げたいと思いました。
特に、これまで全く触れたことのないXD、Premiere Pro、illustratorの使い方を覚えて、Lancersのポートフォリオとなるデザインカンプや動画を作り、それが実際の仕事獲得につながるかを検証したいとおもいました。

◇自主企画
ADOBE指定企画に加えて、Wix EDITOR X、Wix Content Manager、Google Analytics の習得を目指すことにしました。

◆研究活動の概要

検証のため、YouTube等のオンラインレッスンやWebサイト・アプリ内のチュートリアルをできるだけ毎日学修しました。
レッスンやチュートリアルは、ネット上に数多くあり、どれを選べばよいか迷いました。情報が最新のものである、信頼できるものに絞り、ADOBE、Wix.com、Google が提供する公式のものに的を絞りました。

◇学修内容
ADOBE製品のうち、主にillustrator、Dreamweaver、Lightroom / Photoshop、Premiere Pro / After Effects、XDを中心に、チュートリアル(Webサイト)や動画(YouTube)を見て理解を深めることにしました。ADOBE指定企画では、8回にわたってクリエイティブチャレンジが行われました。これは、お題が提示されそれに沿った広告を作るというものです。ADOBE製品を使いこなすテクニックだけではなく、クライアントの意図はどこにあるかを探るリサーチ、それを叶えるための媒体選び、そして効果を最大化するためのクリエイティブ作業と非常に実践的なものでした。構想したものを具現化するテクニックが身についておらず、締切に間に合わせるためにかなり苦労しましたが、そこで鍛えられた学んだことは身についたと実感しています。また、後半にはフィードバック会がオンラインで開催され、専門家の意見や研究員同士の評価を共有していただけたことも、大変ありがたかったです。

ADOBE指定企画

Googleドキュメントに学修内容を記録したものを、この下の画像リンクからご覧いただけます。

学習履歴

クリエイティブチャレンジの内容はこの下の画像をクリックしてご覧ください。

クリエイティブチャレンジ

◇学修時間
総学修時間は351時間37分32秒(概算)、一日あたり平均学修時間は2時間06分20秒(概算)でした。
動画など再生時間がわかるものは秒単位まで、その他は少なめに概算してあります。また、ADOBE指定企画では、期間中8回のクリエイティブチャレンジがありました。これについてはお題が発表されてから提出した日までの日数x2時間で計算していますが、実際にはそれ以上かかっていると感じています。
10月27日、28日両日はADOBE MAXが開催され、一日中ライブ・録画配信を見ながら仕事をしていました。

Googleスプレッドシートに、ADOBEのアプリ別に学修時間を記録しまとめました。この下の画像リンクからご覧いただけます。

学修時間

アプリ別の学修時間では、予想通り今まで利用頻度が少なかった illustrator、PhotoshopとPremiere Pro に多くの時間を割きました。今後はカンプ・プロトタイプ作成など実業に役立つXdの習得にも時間を取ろうと思います。

学修時間_アプリ別

月別の学修時間では、5月から7月にかけてスタートダッシュをかけたことがわかります。クリエイティブチャレンジが始まってから学修時間は増えています。10月が最も多く11月が極端に少なくなっています。この理由は、10月が最後のクリエイティブチャレンジの締切であり、コンペ形式だったのでじっくり時間をかけて取り組んだためです。また11月以降はクリエイティブチャレンジがなかったためこのような結果となりました。

学修時間_月別

曜日別では、水曜日が本業が比較的余裕があったことで比較的に多くなっています。また、「日曜日は休む!」と決めていたので最も少なくなっています。

学修時間_曜日別

ADOBE製品以外(自主企画)では、 Wix、YouTube、マーケティング、働き方、リカレント教育、コンプライアンス、ソーシャルメディア等の学修をしました。具体的な成果は測れないのですが「学修のくせ」が付いたことは感じており、これからも続けていこうと思います。

◆結論と根拠

◇結論

還暦を過ぎても、クラウドソーシングに関わることで仕事の幅を広げられました!

◇根拠
■客観
1. 地元の声楽家の方(高校の同級生)の、名刺作成の仕事を受注しました。
2. 地元の文化財保存会の会報原稿作成(InDesign利用予定)の仕事の打診を受けました。
3. ランサーズで、クリエイティブチャレンジコンペに応募し、参加報酬を獲得しました。
4. ロゴ作成のコンペに応募し、「お気に入り」をいただきました。
1については、これまで仕事としてコンサルティングしかしてこなかったのが、クリエイティブの仕事にも分野を広げられたのは大きな成果です。
2については、これまでの自分であったら「その分野の仕事は引き受けられません。」と断っていたものを引き受け、来年2022年からは発注していただけることになりました。
3については、全8回のクリエイティブチャレンジの総決算として、七転八倒しながらもやり抜いたことがこの分野での自信に繋がりました。
4は、slack上でランサーズの根岸さんが応募を促してくださったこと、そして同じADOBE指定企画で一緒にチャレンジし続けた 「めぐてぃ」さんが応募されていたことが、私自身の応募の発奮材料となり、お二人にはとても感謝しています。この実験に参加する前の私だったらスルーしていた案件でした。受注には至らなかったもののクライアントの「お気に入り」を得られ、当選された方の提案力を知ることができたのも大きな収穫でした。
■主観
今まで本業としてクリエイティブは考えもしなかったのですが、研究員制度、特にADOBE指定企画に参加しクリエイティブチャレンジ全8回を成し遂げたことが、新しい分野に踏み出す大きな自信となりました!
それによって、この分野でのコンペにこれからも応募し続けようというモチベーションが生まれました。

◆研究に関する気づき・考察・これから

◇考え方・価値観
東京であろうと地方であろうと、どこにいても仕事を見つけることができる。それを実現できる有効な手段がクラウドソーシングであることを認識しました。
登録当初は、これまでの続けてきたコンサルティングの仕事の販路拡大を目的としていました。実験を通じて、それだけではなく今まで自分がチャレンジしてこなかった分野でも、仕事を広げられることを実感しました。

◇仕事・働き方への影響
前述の通り、身に付けたスキルで受注できた仕事がありました。
また、常に情報やスキルをアップデート・ブラッシュアップしていくことの大切さを実感したので、これからも学修は続けて記録に残そうと思っています。
コンペにも積極的に応募しようと思っています。

◆全体振り返り

この研究員制度・実験に参加して一番の収穫は、「自信」と他のランサーズとのコミュニケーションにより「モチベーションが高まった」ことです。
学修を通じて ADOBE製品がより身近になり、さらに使いこなしていくことが楽しみになりました。

◇反省点・今後の改善点
当初の計画ではSNSでの発信もするつもりでしたが、Twitter、noteともほとんどできませんでした。せいぜい他の研究員の方の投稿に「いいね」する程度でした。性格的に、間違いの無いように、わかり易い文章を書かなければと思ってしまい、それができないと発信しないという all or nothing の nothing 状態でした。正確さは大切だと思いますが、完璧でなくてもタイムリーに発信していくことの大切さを他の研究員の方から学びました。
slack については、初めは情報の多さに戸惑いました。どれが重要でどれがそうではないかを見極めるのに2ヶ月ほどかかりました。主に質問をするばかりでしたが、noteをフォローしてくださった方から「slackでお見かけしていました」と言われたのは意外であり嬉しかったです。他の若い研究員の方と同等のやり方でなくても、自分なりの発信を今後はしていこうと思っています。

◇フィードバック会 & MENTA
クライアントやその背後にいるカスタマーのことを自分自身でよく分析したつもりでも、フィードバック会で他の方の作品を見たり、ランサーズの根岸さん城戸内さんから真摯な指摘を受けることができたのは、学びや気づきが多くあり勉強になりました。
MENTAについては、最初はどのメンターを選べばよいのか分からず利用に踏み切れなかったのですが、スタッフの廣濱さんのサポートがあり想像以上のメンターの方とつながることができました。プロフェッショナルとしての考え方、チュートリアル等では紹介されていないテクニックなど、実践に役立つことばかりでした。今後も利用したいと思います。

◆その他

◇還暦
還暦を迎えた時は「人生の大方の経験は済ませた」、文字通り暦が一周りしたので「新しい経験はそうそうないだろう」と思っていましたが、未体験のことはまだまだあります! それは楽しいことでもあり、つらい現実が待ち構えているかもしれない。それでもそれに順応できる経験を「今」積極的に積むことが大切だと思っています。
仕事・プライベートを通じて、久しぶりに達成感を味わうことができました。

◇近い将来のクラウドソーシングのあり方
フリーランスになって19年経ちますが、この先も仕事を続けていくことを考えると、万が一自分がけがや病気、災害等で受注した仕事を納品できなくなるような事態がおきないかと、気がかりになっています。BCPの観点からもフリーランサー同士がネットワークを形成し、補完できるような仕組みができていけば良いなと思っています。自分自身もそれを模索していきたいです。
ADOBEの戦略でも、共同作業(コラボレーション)の機能がバージョンアップしていることは、それを意識しているのではないかと推測します。

◆謝辞

最後になりましたがとても大切なことです。
この研究を進めることができたのは、多くの方に支えや励ましがあったおかげです。
ランサーズの榮田佳織さん、根岸泰之さん、城戸内さん
かつ先生
MENTAの廣濱舞さん
メンターの Design-to先生、meacha先生、ふるやん先生
ADOBEの仲尾毅さん、浅野桜先生、大須賀淳先生、境祐司先生、鷹野雅弘先生、山下大輔先生、シンヤB先生他
ADOBE指定企画でご一緒した研究員の皆さん(特に竹原恵さん)他
実際に話しをさせていただいた方も片方向のコミュニケーションであった方も、全員の方のお名前を挙げることができないほど大勢の方にお世話になりました。
どうもありがとうございました。そしてまたこれからもご一緒できることを祈念して、私の研究最終報告書とさせていただきます。
2021年11月30日
tomo850

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