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玉川温泉の思い出!


①今回は秋田県、玉川温泉の話しをしようと思う。
ガンに効くとか、病気を治すなどの評判を聞いて全国から湯治客が集まる秘湯である。

②私は今から15年前に、リラクゼーションの仕事で約半年間、外部業者として住み込みをしていた。

③秋田県仙北市の中心部から、車で約40分、山道を走ると、その秘湯はある。
玉川地区には、3つの温泉ホテルがあったが、私が住み込みをしていたのは、その中で一番新しい、そよ風という名のホテルだった。
しかし、数年前に倒産して今は建物も無い。

そよ風も、他の2つのホテルも観光や慰安目的の温泉宿とは違い病気の療養、いわゆる湯治客がほとんどで、宿泊客の9割がガン患者との噂もあるほどだ。

源泉は強酸性の為、長い時間浸かると皮膚がピリピリする。
1週間も入り続けると、身体のあちこちに湿疹が出る。
それは、体の中の悪いモノが出てきていて、快方に向かう良い兆候なんだと言っている人もいた。
重い病気の方は、湿疹が出て喜んでいるようだった。

湿疹は皮膚科の薬を塗って治ったが、湿疹にならない上手な入り方があると、ホテルの社員さんから聞いて参考にしていた。

もう一つの目玉は、徒歩圏内に日本で唯一の、天然(自然)岩盤浴がある事。
北投石という鉱物を含む岩盤浴は、病気に効くらしい。
この北投石は、台湾の北投温泉と秋田県の玉川温泉でしか確認されていない貴重な石で天然記念物に指定されている。

この岩盤浴と強酸性のお湯が目当てで、全国から湯治客が殺到している。
玉川温泉を持つ秋田県は、実は凄いのだ。

宿泊のお客様は、1ヶ月連泊していても普通の範囲。
お客様と一緒に、病院や施設に長く泊まっているような感覚だった。

湯治館だけに、不便な点も多々あった。
まず、館内にエアコンが無いのだ。
冷房が病気に良くないからなのか、分からないが、真夏の日中はさすがに暑かった。

それと、交通が不便だった。
それなりに標高もあり、山道の運転は危険だ。

また11月中頃には冬期間となり、一般車両は入れなくなる。
その為1日2本、専用バスのみの運行となる。
したがって、自由に帰れなくなるのだ。

冬は、宿泊客も少なく寂しげな雰囲気となり、簡単に帰れないせいか、気持ちも落ちる。
長く住めば、きっと病んでいたかもしれない。

④ここまで読まれた方は、住み込みって楽しい事あるの?
だいいち食事は、どうしてるの?
と思われるかもしれない。

ホテルの社員さんで設備担当の方とお友達になり、よく部屋飲みをしていた。
食事は3食、食べ放題だったので、酒のつまみにも困らなかった。

また、他の社員さんは、よくDVDを貸してくれた。
当時はまだDVD全盛、観た感想を社食で会った時に言い合うなどコミニュケーションもあった。

また、紅葉がとても綺麗だ。
ホテルの周りが絶景スポットであった。
今まで見た中で、1番美しいと思う。

それと、山の上に建つホテルの為、星空も最高で、流れ星を何度も見た。

⑤そんな玉川温泉の思い出話で、今回は終了にしたい。

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