AIが拓く医療の未来

2018年8月18日のツイートより

> https://twitter.com/tomo161382/status/1030737972092518401

アルファ碁を開発したディープマインドが、目の3Dスキャン画像から50以上の眼病を、専門医に匹敵する精度で診断できる人工知能を開発したそうです。

開発にかかわったのは、ディープマインドの他、UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)、ムーアフィールズ眼科病院の3つで、複数年に渡る協力のもとに生まれました。人工知能は約7500人の患者の15000件近くの3Dスキャン画像を使ってトレーニングされました。

この成果はまだ臨床に使える状態ではありませんが、数年以内に実用可能になるということです。

これによって、人工知能の医療現場への応用についての議論は次の段階へと進むことになったのではないかと思います。

まず、AIによる診断の責任は誰が取るのか、患者はAIの診断をどう受け入れればいいのかという問題があります。

深層学習による人工知能の判断は人間には理解しにくく、誤りが紛れ込んでも医師が見落としてしまうかもしれないということです。

この問題はディープマインドらも理解していて、いくつもの方策を講じていて、AIにたった1つの診断結果だけを出力させるのではなく、複数のアルゴリズムで複数の診断結果を信頼度スコア付きで出力することで、医師に最終判断を任せることにしているようです。

次に、他人の医療データの上に作られた人工知能モデルから営利企業が利益を上げることが倫理的かどうかという問題です。

2017年に監視団体がデータ収集方法が違法であるという判断を出し、データ収集方法が変更されたという経緯もあります。

ディープマインドは、AIのアルゴリズムを作る研究にはお金がかかり、患者の医療データから得られた研究成果を販売して利益を得ることは、一般的なことだと説明しています。

このような問題はありますが、それでもこの新技術は医療の未来を大きく変える可能性を持っています。

特に、目の3Dスキャンは強力なツールであるものの、診断に時間が掛かるという弱点がありました。

それがAIで大幅にスピードアップすることで、精度の高い初期診断を多くの人に提供できるようになり、必要な人が必要な医療を受けられるようになることが期待されます。

以上、簡単な紹介ですが、さらに詳しい内容はぜひ記事本文を読んでみてください。

これを読んで、今後の医学研究は従来の治療や医薬品の研究開発から、AIを用いて重症化する前に早期に正確な診断を行うという方向にシフトして行くのではないかと思いました。

そうなった時、日本の医学研究、医薬品メーカー、医療行政は的確に世界の潮流の変化に対応して行けるのでしょうか?

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