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大腸がんとのたたかい 2023-10-27

2度目の大腸内視鏡に備え食事制限していた。先生からは「細胞を採取するだけなので普通に食事してきて良いです。その代わり病院で浣腸してもらってから検査します」
そう説明は受けていたのだが、きっちり食べてはいけないのを避け、前日に飲んだ下剤の効果でトイレに何度も足を運び、お腹の中はすっきりしていた。何度もトイレに通ったためお尻が痛い。また血が混じっている。
午前中の在宅勤務を終え、昼食も取れないので早めに病院へ向かうことにした。
今後の通院経路を色々試すため、この日は最寄駅からバスにて病院へ移動する。周りのご老人に釣られて一生懸命老人パスのところにSuicaを当てていた。運転手さん早く言ってよ(恥)
病院までの道のりは1時間弱のロングドライブ、ポカポカ陽気のせいもありウトウトしているうちに病院前の停留所に到着した。

受付を済ませ検査室に併設されている待合室入っていくと、例の大量の飲料水を手元にテレビを見ている患者さんがいた。(うわぁご苦労様です、これが今回免除されただけでもありがたいな)と心の中で呟き、更衣室を目指す。何も考えずドアノブを回し、少し扉を開けかけると、先客がいることに気付く。「失礼しました」と慌てて扉を閉め、私も見たくも無いテレビを見るために空いている椅子に腰をかけた。ガチャ!と鍵をかける音が聞こえてきた。ノックくらい普通するよなと自分のガサツな行動に辟易した。

全裸になり、後ろが開く紙パンツを履き、検査着に着替え待合室に戻る。あまりに早く来すぎたためちょっと待ってもらうことになりますと言われている。自分で持ってきた雑誌をめくりながら自分の番を待つ。女性の方も更衣室で着替え、机の上に突っ伏して待ち時間を過ごしている人もいる。この内視鏡検査の圧倒的敗北感をすでに経験済みの患者さんと推測した。

看護師さんに呼ばれてベッドの上で横になり浣腸をされる。異物がお尻の穴から注入される感覚が辛い。若い女性看護師さんが繰り返し「ごめんなさいね」を連発する。「ぎりぎりまで我慢してからトイレに行ってください。また便の状態を確認したいので、流す前にコールボタンを押して呼んでください」
何分か経ったが予想していたほどの強い便意は催さない。すでに朝の時点ですべて出し切っているからだろう。トイレに行き、鍵を締めずに用をたす。やはり液状の排泄物しかでない。恥ずかしいけどパンツをおろし便座に座ったままコールボタンを押して看護師さんを呼ぶ。すると例の看護師さんが、すいませんねを連発しながら便の状態を確認してくれた。大腸検査恐るべし。

いよいよ検査室に入りベッドに横たわる。先生に今日は車できていないこと、時間もあるので薬を使って欲しい旨伝えるが、先生は「今日は細胞を採取するだけなので、お薬は使わない予定です」と私の願いは軽く一蹴されてしまった。その話を受け、先生がカメラを変更する指示をする。これは想像だがカメラのサイズがいくつかあって小さいサイズのものに変更してくれたものと思われる。うっ!お尻から異物が挿入される。生暖かい温水?と明らかに異物が突き進む感じがわかる。どうしても力が入り全身強張ってしまう。「はい、ここでつまんで」という掛け声が繰り返されるが、私は便が漏れないよう必死になっていた。
最後に先生の診断結果を聞く。「それほど詰まっている様子はないです。直径1cmのカメラが通るので、ステントいれたり、人工肛門を作ったりする必要はないですね。本日採取した細胞は外科の先生と共有しますので、今後の抗がん剤治療に活用していきます」と説明を受ける。さすがに腫瘍が消えてなくなることは無かったが、健康生活を続けることで少しでも腫瘍が小さくなっているのではと期待していた。

本日の治療の精算待ちの間にコンビニで食料を買い込む。刺激が少なく消化しやすいものと言われているが、具体的に何が良いのかわからない。とりあえず飲むゼリーとどうしてもパンを齧りたくてマヨコーンパンを購入。精算待ちの間にゼリーを飲み干す。精算を終えて帰る前にもう少し小腹を落ち着かせたい。病院内にある珈琲店周りのベンチに座り、先ほど購入したパンを食べ始める。めちゃくちゃうまく感じる。すごい久しぶりの食事と思って、焦らず少量をしっかり咀嚼しながら食べていた。向かいの椅子におばちゃんが倒れ込むように座り込み、おにぎりを開封しパクパク食べ始める。一瞬目があって恥ずかしかった。おそらく午後の検査で今まで食事が取れなかった同じ境遇の人であろうと推測した。
ずっと胃腸がぐるぐる言っている。お腹が空き過ぎて胃が痛い感じ。家まで帰る途中でスーパーに立ち寄り、ミニグラタン、茶碗蒸し、プリン、りんごを購入し、家に着くなり暖かいものが食べたいとミニグラタンから食す。やっとお腹が落ち着いたことで、今度は猛烈な睡魔が襲ってきた。看護師さんから入浴は控えるような指示もあったので、この日はお風呂に入らず寝た。泥のようにぐっすり睡眠をとった。

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