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ぷーさんの気まぐれ読書ノート

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私(ぷーさんこと大嶋友秀)がこれまで読んだ本の紹介をするノートです。どの本もおすすめの本になっています。
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2023年9月の記事一覧

『村上T〜僕の愛したTシャツたち』村上春樹著、新潮文庫

 ビジュアルというテーマとして、誰もが身近に触れているトピックを選んでいる本を紹介します。これは、著者が気に入ったり、持っているTシャツを紹介することで、その思いや考えを綴っていくエッセイです。そこで知れる村上春樹のこだわりやスタイルを知れるのが面白いです。  例えば、私はこの本を読んだことで、村上さんはほとんどいつもTシャツと短パンで過ごしているのがわかりました。また、どこかに出かけて(例えばレストランとか)、スボンを履いていない方は入場できません、と言われたら、カバンの中

「人生は単なるから騒ぎ」鈴木敏夫、角川書店

 ジブリっていうアニメーションプロダクションを考えると、まず宮崎駿、そして高畑勲を連想するでしょう。日本アニメーション界の監督としても二代巨頭と言えるでしょう。でも、もう一人肝心要な鍵になる人がいます。それはジブリのプロデューサーの鈴木敏夫です。そして、今日紹介するのはその鈴木さんが書いたものです。  まず、この本を読んで私が驚いたのは、鈴木さんのマルチぶりです。プロデューサーであり、クリエーターであり、イノベーターであり、キューレーターと言えるでしょう。あの個性的な宮崎駿や

『火車』宮部みゆき著、新潮文庫

『火車』は、私がはじめて読んだ宮部ワールドだった。いつだったかはっきりと覚えていないのだが、冬休みの前だったのは確実だ。私は滅多とない休みに、くつろいで読む本を探していた。あまり難しいものではなく楽しみたいと考えて、ミステリーか本格推理ものを探していた。年末に出される雑誌の「このミステリーがすごい」でベスト1にランキングされていたのが本書だった。  まず、文章がいい。無駄なものがない鍛え抜かれた体を連想する。情景描写もさらりとしているのだが、うるさすぎず、少なすぎず、私は小

『オケピ!』三谷幸喜著、白水社

 『オケピ!』は、2001年の白水社の第四十五回岸田國士戯曲賞の受賞作だ。三谷幸喜が「戯曲が活字で残るのって好きじゃない」とこだわりがあるため、彼の舞台が本になるのはまずない。テレビのシナリオはいくつか出版されているものがあるが、舞台のものはないのだ。だから、この価値が倍増する。  タイトルの『オケピ!』とは、オーケストラピットのこと。私は、劇場で見たかった。しかし、チケットを入手できず、ぐずぐずとあきらめきれない時に、この本と出会った。そして、DVDで鑑賞した。だから、私

『みんなの映画100選』絵:長場雄、文:鍵和田啓介、オークラ出版

紙の本が嬉しくなるとき・・ 今日は中目黒の蔦屋書店に行きました。空手の稽古に行くまでの少しの時間だったけど、久しぶりにのぞいていたんです。 そこで、なんとも嬉しくなる本を見つけました。 『みんなの映画100選』絵:長場雄、文:鍵和田啓介、オークラ出版 なんかタイトルだけ聞くと、全く手に取りたくないような感じなんだけど、本のカバーを見ると、和田誠みたいなシンプルな絵が気になって手に取りました。昔の名作から最近の映画なんかも扱われています。表紙はレオンでしたね。 この本